フィギュアスケート

特集:フィギュアスケート×ギフティング

同志社大・森口澄士、これからも二刀流 長岡柚奈と新ペア結成 愛称は「ゆなすみ」

長岡柚奈と新ペアを結成した同志社大の森口澄士(すべて撮影・浅野有美)

同志社大学4年の森口澄士(すみただ、木下アカデミー)が藤女子中学・高校3年の長岡柚奈(ゆな、同)とペア結成を発表した。シングルとペアの「二刀流」への挑戦を続け、「2人で成長していける様に全力で頑張ります」と意気込みを語った。

世界ジュニア4位でトップに迫る

シングルとペアの「二刀流」に取り組んでいる森口。2022~23年シーズンは大きく進化を遂げた1年だった。シングルでは12月の全日本選手権で自己最高の7位入賞。ペアでは14歳の村上遥奈(木下アカデミー)と組み、ジュニアグランプリ(GP)シリーズチェコ大会で4位、ポーランド大会は3位で表彰台に上がった。全日本ジュニア選手権、全日本選手権も制し、今年3月の世界ジュニア選手権は4位とトップに肉薄した。

「はるすみ」の愛称で期待が高まっていたが、シーズンの終わりにペアを解消した。4月22日の木下アカデミーのアイスショー「ブルーム・オン・アイス」では、シングルのプログラムを披露した。

4月の「ブルーム・オン・アイス」で観客を沸かせた

2人で成長していける様に全力で

5月15日、長岡とのペア結成が木下アカデミーのインスタグラムで発表された。

「この度森口澄士選手とペアを結成することができ、大変嬉(うれ)しく思います。2人で力を合わせて素敵なペアスケーターとなれるように頑張ります。応援よろしくお願いします」(長岡)

「皆様、いつも応援ありがとうございます。長岡柚奈選手と新たにペアカップルとして進んでいけることをとても嬉しく思います。2人で成長していける様に全力で頑張ります」(森口)

長岡は北海道出身で、女子シングルで2022年全日本ジュニア23位、2023年インターハイ10位などの実績がある。連盟からの誘いがきっかけで「中学2年ぐらいからペアに興味を持ち始めた」と言う。2019年東日本ジュニア選手権が行われた会場で、2023年世界選手権金メダリストの「りくりゅう」こと、三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)の演技を目の前で見て触発された。「高いところでリフトしたり、スロージャンプしたり、すごいなって。りくりゅうが組み立てのときで、生で(演技を)見てみてやりたいと思った」。今春に開催されたトライアウトに参加し、森口と出会った。

お互いの印象を聞くと、「リフトとかけっこう勘がいい。スケートが滑る子なので、ペアやったらすごいやろなと思った。トライアウトに興味を持って来てくれたことに感謝したい」と森口。長岡も「一つ一つ丁寧に教えてくれてすごいいい人だなと思った」とはにかむ。

長岡柚奈(右)との愛称について「『ゆなすみ』でいきましょう!」

ステファン・ランビエル・コーチが指導する「チーム・シャンペリー」との合同合宿がメディア公開された5月19日、森口は練習の様子を説明。「陸で基礎を固めて、氷上でやったら3種類のリフトができて、スロージャンプはダブルサルコーができた」。長岡はリフトに恐怖心はなく、「陸上の練習で高く持ち上げられて、景色がいつもと違うから楽しくて、氷上でも高いところで風を感じながら回っているのがすごい楽しかった」とほほえむ。北海道を離れ、生活も大きく変わったが、ペアスケーターになるために基礎練習を重ねている。

合同合宿で海外選手から表現を学ぶ

森口は、ペアでは長岡と技術を高めながら、シングルでは表現を磨く。

5月初旬、現役引退した高橋大輔さんがプロデュースするアイスショー「ICE EXPLOSION 2023」に出演した。

「僕の人生の一つの夢だった。嬉しすぎて幸せでした。アイスショーは隅から隅までこだわっていた。いままで経験したことがない曲調の演技をたくさんした。もっとこう、もっとこうと、いろんな人が言ってくれて、1週間で成長して帰ってこられたと思う。またいつか呼んでいただけるように演技の部分を磨きたいと思います」

「チーム・シャンペリー」との合同合宿でも海外選手から表現面を積極的に吸収した。「海外で練習している人たち特有の表現の仕方とかたくさん学ぶことができている。今後もペアでやっていくために、いろんなステップやスケートの技術を教えてもらえて、ステファン先生から学べるものだったり、宇野(昌磨)選手のよく滑るスケートだったり、(島田)高志郎選手の細かいステップとか、本当に勉強になったと思います」

高橋大輔さんプロデュースのアイスショーで多くの刺激を得た

新シーズンに向けて、「今シーズン、ずっと求めてきた表現力の部分で、さらに新しい自分、難しい表現の仕方でもうまくやっていけるように、こういう(合同練習の)機会を無駄にせず、海外試合に出たときにどんどん吸収して、シーズン終わりの試合で完璧な状態に持っていけたらと思います」と意気込んだ。

シングルとペアの両立について具体的には決まっていない。森口は「自分の中で考えたり相談したりする中で決まっていくと思います。両方視野に入れています」と語った。

新しいパートナー長岡とともに、森口は二刀流の挑戦を続けていく。

【写真】宇野昌磨・島田高志郎ら「チーム・シャンペリー」と木下アカデミーが合同合宿

 

◆画像から選手に寄付やメッセージを届けることができます

◆画像から選手に寄付やメッセージを届けることができます

in Additionあわせて読みたい