「りくりゅう」に続け！　同志社大学・森口澄士、いつかペアボーイとして世界へ

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同志社大学3年の森口澄士（すみただ、木下アカデミー）はフィギュアスケートのシングルとペアの二刀流を目指すアスリートだ。4月に京都で行われた「ブルーム・オン・アイス」で宇治市立北宇治中学校2年の村上遥奈（同）とペア演技を披露した。「ペアでオリンピックに出たい」と大きな夢を掲げる。

村上遥奈とペア演技「相性合っている」

4月末の「ブルーム・オン・アイス」のオープニング。森口は村上とペア演技した。数十秒間ではあったが突然のお披露目に会場が沸いた。

2人ともシングルで活躍するスケーターだ。森口は2021年全日本選手権13位で企業経営を学ぶ学生アスリート。村上はオーストラリア出身で21年全日本ノービス選手権ノービスA3位、4回転ジャンプを跳ぶ島田麻央と同学年で切磋琢磨（せっさたくま）している。

森口は昨年も別の選手と組んでペアの練習に取り組んでいた。新しいパートナーを探していた今年1月頃、浜田美栄コーチに村上と「やってみたら」と背中を押された。男女が隣り合って同じジャンプを跳ぶサイドバイサイドを試すところから始まった。

村上とは同じ京都育ちで顔なじみ。昔から一緒に練習する機会も多く、話しやすい。「村上選手は楽しいと言ってくれて、相性も合っていると自分でも思います」と森口。村上も「とても楽しかった。澄くんとなら一緒にやりたいと思った」と応える。

"かなだい"が活躍「僕もチャレンジしたい」

カップル競技に対する森口の思いは強い。

「カップル競技ってすごいなっていつも思っていて。ペアのスロージャンプもツイストもかっこいい」

アイスダンスも好きで2010年バンクーバーオリンピックの金メダルのテッサ・バーチュー、スコット・モイヤー組、2014年ソチオリンピック金メダルのメリル・デービス、チャーリー・ホワイト組の大ファン。2組の演技動画は繰り返し見ている。

そして、シングルからアイスダンスに転向した村元哉中（かな）、高橋大輔組（関大KFSC）の活躍もモチベーションになっている。「憧れの選手がカップル競技にチャレンジしているから、僕も一緒にチェレンジしたいという気持ちがあります」と言う。

何よりも同じ木下グループに所属する「りくりゅう」ペアこと、三浦璃来（りく）、木原龍一組の存在が大きい。2人の成長は著しく、世界トップと争えるまでレベルアップした。22年北京オリンピックで7位入賞、続く世界選手権で銀メダルを獲得と、いずれも日本勢初となる快挙を成し遂げた。森口はその先輩たちに続こうとしている。

"りくりゅう"に感動「ずっとついていきたい」

りくりゅうペアについて、「相性がものすごく合っている。気まずい空気がまったくないと、いつも見ていて感じます。本当に向いている方向が一緒」と尊敬する。

オリンピックでは2人の演技に感動して涙した。歴史を塗り替えていく身近な先輩たち。森口の決意はさらに強まった。「今シーズン、璃来ちゃん、龍一くんが苦労している姿を見ていました。コロナによる隔離があってオンラインレッスンを受けていたり……。こうした努力が感動を生むんだなと思って、自分もまだまだ努力していかないといけないと、いい刺激をもらいました。本当に偉大で、ずっとついていきたいですし、見習っていきたい」と力強く語る。

4月末の「ブルーム・オン・アイス」ではデススパイラル（男性が円の軸になり、女性を滑らせて回転する技）やリフト（男性が女性持ち上げる技）を2人に教えてもらった。森口はダイナミックなジャンプが持ち味でペアにも生かせる。筋肉もつきやすいといい、最近はトレーニングで追い込み筋力アップに余念がない。

二刀流に挑戦、夢はオリンピック

村上とペアの技術を習得できれば早いうちからジュニアグランプリシリーズ出場を狙いたいという。「遥奈ちゃんは気持ちが強く、努力をすごいする。自分たちの良さをうまくいかせるように2人で息を合わせて頑張っていきたい」と目を輝かせる。

「ペアでオリンピックに出て結果を出すことが夢」と掲げる目標は大きい。しばらくはシングルと両立するが将来はペアに専念することも視野に入れている。

ペアボーイとして才能の片鱗を見せる20歳。シングルとペアの「二刀流」に挑みながら新シーズンに向けて突き進む。