フィギュアスケート

特集:駆け抜けた4years.2025

「明治法政 on ICE 2025」開催 大島光翔、渡辺倫果ら4年生が感謝の演技

「明治法政 on ICE 2025」に出演した4年生たち(すべて撮影・浅野有美)

明治大学と法政大学の学生が主催するアイスショー「明治法政 on ICE 2025」(MHOI2025)が2月1日、ダイドードリンコアイスアリーナ(東京都西東京市)であった。渡辺倫果(三和建装/法政大、青森山田)や明大の大島光翔主将(立教新座)ら4年生8人が感謝の気持ちを込めて演技を披露した。下級生では1年の三浦佳生(オリエンタルバイオ/明治大、目黒日大高)らが出演し、卒業生の花道を彩った。

渡辺倫果、オリンピックを見据え「今年はどんよくに」

渡辺はエキシビションナンバーの「Moon River」を情感たっぷりに舞った。卒業生のあいさつで、「法政大学で過ごした4年間の集大成をこの場で皆さんにお見せできたことを大変うれしく思っております」とコメント。スケート部の合宿に参加し、全日本インカレ女子団体で2年連続3位に入るなど充実した大学生活を送った。

今季は、グランプリシリーズ初戦のスケートアメリカ2位と好調だったが、2戦目の中国杯は5位でファイナル進出を逃した。全日本選手権も7位で満足いく結果ではなかったが、「次につながっていないわけではない。来シーズンで払拭できるようにしていきたい」と力強く語る。1年後に迫るミラノ・コルティナダンペッツォ・オリンピックを意識し、「今年はスケートに対してどんよくに、応援してくれる皆さまに最高の演技をお届けできる形で恩返しできるように精進して参ります」と話した。4月以降も大学に在籍し、卒業に向けて簿記などの勉強も続けていく。

来年のオリンピックを見据える法政大学の渡辺倫果

大島光翔、周りに支えられながら主将を全う

競技を続ける大島は、今季のフリー「Desperado」を披露した。アンコールの「『Real?』by MIYAVI」(2021~2022年、2022~2023年シーズンSP)では観客の手拍子を誘い、キレのあるステップで会場を盛り上げた。

今季、5年連続5回目となる全日本選手権に出場。1月は全日本インカレに出場して男子団体優勝、国民スポーツ大会でも後輩の佐藤駿(エムサービス/明治大、3年、埼玉栄)と埼玉県代表で頂点に立った。

あいさつでは「1年間主将を務めさせてもらって、一人では何もできなくて、周りの人間あっての僕で……」と言葉を詰まらせた。「4年間本当に楽しい毎日だった」と涙を浮かべながら、監督やコーチ、部員たちに感謝の気持ちを述べた。

「競技者として堂々と演技ができるように、また笑顔を届けられるような競技者になれるように来シーズンも精いっぱい頑張っていきたいと思います」と意気込み、最後は「明治大の後輩たち、法政大の後輩たちも試合で頑張ると思います。僕の大好きな自慢の後輩たちなので、声援をお願いしたいと思います。でも僕に一番大きい声援をいただけると有り難いです。幸せな4年間でした」と結んだ。

主将として部を盛り上げてきた明治大学の大島光翔

門脇慧丞、法大スケート部は「アットホーム」

法大4年の門脇慧丞(岡山理大附属)も競技を継続する。ショーでは「All By Myself」を伸びやかに滑った。今季は注文していた靴が入荷せず、悔しいシーズンになったが、現在はメーカーを変更して新しい靴で調整している。

通信制に在籍し、普段は岡山県で練習している門脇。2024年の全日本インカレで団体優勝したことが思い出に残っている。「スケート部の合宿に行けない年もあったけれど寛容に受け入れてくれた。アットホームだった」と振り返った。学業面では簿記を勉強中。「たとえ就職先がスケート関係だったとしても、大学所属でスケートをし続けるからには学生の本分を全うしたい」と話した。

3月には高橋大輔さんがプロデュースするアイスショー「滑走屋」に出演予定で、成長した姿を見せる。

アイスショー「滑走屋」に出演を予定している法政大学の門脇慧丞

鈴木楽人は競技を引退、コーチの道へ

渡辺、大島、門脇以外の5人は競技を引退する。法大4年の鈴木楽人(駒場学園)は、クラブの先輩である青木祐奈(MFアカデミー)がこの日のために振り付けてくれたプログラム「She」を披露した。冒頭で音楽が何度も止まってしまうハプニングがあったが笑顔で滑り切った。卒業後はスケートのコーチを目指す。「世界に羽ばたけるようにな選手を、仲間に愛されるような選手を育てていきたいと思います」

指導者の道を目指す法政大学の鈴木楽人

明大4年の堀見華那(愛知みずほ大瑞穂)は「エデンの東」を滑った。浅田真央さんらを指導した佐藤信夫、久美子コーチに師事し、「けがをしたときに先生方からスピンとか表現力とか、スケートの奥深さをたくさん教えてもらいました。それでスケートが好きになって、苦しいときもやめたいと思ったことはなく、ずっと続けることができました」と笑顔を見せた。

ショーでは明大1年の三浦、3年の住吉りをん(オリエンタルバイオ/明治大、駒場学園)、法大3年の吉岡希(西宮甲英)の演技、両校の部員たちによるグループナンバーもあった。

三浦は以前肉離れした左足太ももを全日本選手権後に再び痛め、ユニバーシティーゲームズ(イタリア・トリノ)の代表を辞退した。この日は「Natural」のプログラムで1回転ジャンプにとどめ、躍動感のあるステップで魅了した。住吉は「Les Champs-Élysées」の音楽に乗せて爽やかな笑顔で踊り、アイスショーを彩った。

三浦佳生ら後輩たちがこれからもスケート部を盛り上げていく

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