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明治、王者帝京に8年ぶりの大金星

明大フィフティーンは喜びを爆発させた

鳴り止まない「メイジ」コールを背に受け、赤い壁を打ち破った。11月18日の関東大学対抗戦、王者・帝京大との一戦。春季大会、夏合宿の練習試合に続く、今年3度目の帝京大戦勝利を狙った明治が、23-15で対抗戦では8年ぶりとなる大金星を挙げた。

帰ってきた“重戦車”

「FWで負ける気がしなかった」。試合後、右FL(フランカー)井上遼(4年、報徳学園)は言った。前半5分、相手ボールスクラムを圧倒してペナルティーを誘うと、FB(フルバック)山沢京平(2年、深谷)のペナルティーゴールで先制。後半3分、自陣でターンオーバーしたスクラムを起点に、左WTB(ウイング)髙橋汰地(4年、常翔学園)のトライで流れをつくった。

この試合、FW8人の平均体重を比べると、帝京大の108kgに対して明治は103kg。総重量では約40kg明治が劣る。だがこれを覆したのが、2年間かけてつくりあげてきた“8人でまとまって押すスクラム”だ。これは相手と接触するフロントローと、後ろから支えるバックファイブの意識統一がなければ実現しない。組むエリアや状況に応じて求められるスクラムも変わる中で「8人が細かな決めごとを明確に理解して使い分けられた」と井上。こだわり抜いた最大の武器が勝負を決めた。

2週間後には伝統の早稲田戦を控える。帝京大、慶大、早大との対抗戦優勝争いも見逃せないが、あくまで照準は1月12日、大学選手権の決勝だ。今回の勝利にも「まだまだここは通過点に過ぎない」と、主将のSH(スクラムハーフ)福田健太(4年、茗溪学園)は手綱を緩めない。22シーズンぶりの大学日本一へ、勢いそのままにひた走る。

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