ラグビー

帝京FWの突破、明治食い止められるか

FW戦で紫紺が上回れるか(撮影・斉藤健仁)

関東大学対抗戦グループA

11月18日@東京・秩父宮
帝京大(5勝)vs明治大(4勝1敗)

今年も連勝街道をひた走る紅き王者・帝京が、昨年度の大学選手権決勝で下した明治大と対戦する。帝京が勝つと前人未踏の対抗戦8連覇を達成する大一番となった。一方の明治は2週間前に慶應義塾大学には敗れたが、帝京には春(17-14)、夏(21-19)と連勝している。この試合で勝てば、明治に自力優勝の可能性も残る。なお対抗戦は勝敗が並んだ場合は同時優勝となるので、現段階では1敗の早稲田大、慶應にもその可能性は残されている。

スクラムでも上回りたい明治

まずは大学王者奪還を狙う紫紺のジャージーから見ていきたい。

11月4日、伝統の「明慶戦」。明治は試合開始早々から慶應の前に出るディフェンスに後手を踏む。重量FWの明治が相手スクラムにプレッシャーをかけてトライを奪うシーンもあったが、後半の最後の20分は対応された。スクラムからトライを奪われ、24-28で逆転負けを喫した。

アタックでも、慶應のプレッシャーを受け、ミスで自滅する場面が多く、リズムをつかめなかった。田中澄憲監督が「自分たちのやるべきことが出せなかった」と言えば、主将のSH福田は「ビッグゲームにのまれた部分が少なからずあった」と振り返った。2人とも、対抗戦の過去4戦から一気に強度の上がった大一番に対応できなかったのを悔やんだ。

明治を引っ張るSH福田主将(撮影・斉藤健仁)

田中監督は帝京戦に際し、慶應戦から先発はFLを朝長駿(4年、長崎北陽台)から石井に代えただけにとどめた。現在のメンバーに信頼を置いている。やはり、個々に突破力のある帝京のFWに対し、明治のFWがその勢いを止められるかが大きな焦点になるだろう。またこの春、夏の勝利の大きな要因になったスクラムでも上回りたいところ。FWで上回れば、BKには決定力があり、トライを取りきる力は十分だ。SH福田主将、FL井上らのリーダーの奮起にも期待したい。

◇明治 先発予定メンバー
1 安昌豪(3年、大阪朝鮮)
2 武井日向(3年、國學院栃木)
3 祝原涼介(4年、桐蔭学園)
4 片倉康瑛(2年、明大中野)
5 箸本龍雅(2年、東福岡)
6 石井洋介(3年、桐蔭学園)
7 井上遼(4年、報徳学園)
8 坂和樹(3年、明大中野八王子)
9 福田健太(4年、茗渓学園)
10 忽那鐘太(4年、石見智翠館)
11 髙橋汰地(4年、常翔学園)
12 森勇登(2年、東福岡)
13 渡邉弐貴(4年、國學院栃木)
14 山村知也(3年、報徳学園)
15 山沢京平(2年、深谷)
リザーブ
16 松岡賢太(3年、京都成章)17 齊藤剣(4年、能代工)18 吉岡大貴(4年、日向)19 小宮カズミ(4年、目黒学院)20 辻惇朗(3年、常翔学園)21 飯沼蓮(1年、日川)22 射場大輔(3年、常翔学園)23 山﨑洋之(3年、筑紫)

この試合の結果次第が順位に大きく影響する。田中監督は「一戦一戦チャレンジするしかない。学生、スタッフと一緒になって、いい緊張感を持って次の試合に臨みたい」と、決意を語る。福田主将も「80分間スタンダードを保ちたい」と語る。春、夏の再現なるか。

春夏に負けた帝京、「力量不足」からスタート

続いては対抗戦優勝へ王手をかけた帝京である。4戦目の慶應戦は苦戦(24-19)したが、2週間前の早稲田戦ではきっちりと修正して、今年一番のラグビーで45-28と快勝した。

帝京は夏に早稲田に負けていたため、「悔しさをずっと持っていた」と秋山主将が言うように、リベンジに燃えていた。前半からFWがアタックでもディフェンスでも前に出てペースをつかみ、ゴール前のスクラムも押し込んでNo.8ブロディ・マクカランが2トライ。前半だけで4トライを重ね、ほぼ勝負を決めた。

ここ一番の集中力は、さすが大学選手権10連覇を狙う紅き王者という内容だった。学生の成長を感じるという岩出雅之監督は「(春と夏、負けて)自分たちの力量不足からスタートしました。負けたことで迷わせないように、地道な基本プレーをしっかりやってきた」と選手たちのひたむきな努力をたたえた。

秋山主将も「ブレイクダウン、タックルで相手にプレッシャーをかけ続けようとした。準備したことができて、ペースをつかめました」と誇らしげに言った。春に明治に敗れた試合が転機となって、毎日30分以上のスクラム練習を続けてきたという。「試合ごとに少しずつ感覚がよくなっていた。フィットしたときに押し込める」と秋山。練習の成果をしっかりと出した。

体を張って帝京をリードするLO秋山主将(撮影・斉藤健仁)

優勝がかかった明治戦に春、夏のリベンジもかかる。帝京の岩出監督はやはりメンバーを大きく変えなかった。LOに留学生のジョセファ・ロガヴァトゥを起用し、よりFWの圧力が増した。早稲田戦同様に、接点、タックルで前に出るというプレーを徹底してやってくる。またBK陣もCTB、尾﨑、WTB宮上、木村、FB竹山とスピードランナーが揃い、相手の隙を突いてトライを狙う。

◇帝京 先発予定メンバー
1 岡本慎太郎(4年、京都成章)
2 呉季依典(4年、京都成章)
3 淺岡俊亮(4年、京都成章)
4 ジョセファ・ロガヴァトゥ(3年、ハミルトンボーイズ)
5 秋山大地(4年、つるぎ)
6安田司(2年、常翔学園)
7 菅原貴人(4年、御所実)
8 ブロディ・マクカラン(4年、ミルトンボーイズ)
9 小畑健太郎(4年、伏見工)
10 北村将大(2年、御所実)
11 宮上廉(3年、佐賀工)
12 ニコラス・マクカラン (2年、ハミルトンボーイズ)
13 尾﨑泰雅(2年、伏見工)
14 木村朋也(2年、伏見工)
15 竹山晃暉(4年、御所実)
リザーブ
16 清水岳(2年、大阪桐蔭)17 細木康太郎(1年、桐蔭学園)18 當眞琢(4年、コザ)19 今村陽良(4年、東福岡)20 長谷川耀(3年、佐世保工)21末拓実(3年、長崎北陽台)22 本郷泰司(3年、京都成章)23 奥村翔(2年、伏見工)

明治戦に向けて岩出監督は「攻撃を継続してくるチームに対して、我々もディフェンス、アタックで挑戦者としてやるべきことをやり続けたい。これから成長できるよう、終盤に向けての仕上がりにつながるゲームにしたい」。秋山主将は「(早稲田戦の)後半はミスが重なり、後半だけを見ると負け。自分たちの課題を修正して、勝ちきれるように挑戦する気持ちを持って臨みたい」とおごりはない。

帝京が勝ち、対抗戦8連覇を達成するのか。それとも明治が春、夏に続いて帝京に勝ち、対抗戦優勝の可能性を残すのか。

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