4勝1敗同士の早慶戦、生き残れワセダ
対抗戦もいよいよ終盤を迎えた。早大は現在、4勝1敗で3位につけている。次戦の相手は同じく4勝1敗の慶大だ。ここでの勝敗が最終的な順位を大きく左右するだけに、両校にとって負けられない戦いとなる。勝利への使命と伝統の重みを胸に、11月23日、宿敵慶大へと挑む。
対抗戦初黒星を喫した帝京大戦、目立ったのはペナルティーの多さだ。試合全体を通し、帝京大がわずか2であるのに対し、早大は10。実際、前半は自らのペナルティーによりなかなか敵陣に入れず、0-28と大きくリードされた。
一方で後半は持ち前のテンポのいいアタックが出て、手応えもつかんだ。早慶戦勝利への兆しはあるのも事実。SH齋藤直人(3年、桐蔭学園)の素早い球出し、SO岸岡智樹(3年、東海大仰星)の的確なゲームメイクは言うまでもなく、WTB古賀由教(2年、東福岡)やFB河瀬諒介(1年、東海大仰星)といったフィニッシャーたちにも抜群の切れ味がある。
ただ、タレントが揃うのは早大だけではない。伝統の「魂のタックル」によるディフェンスに自信のある慶大だが、今シーズンはアタックも光る。対抗戦でチーム最多のトライを決めているフランカー川合秀和(3年、國學院久我山)は抜群の得点嗅覚を持ち、先日の明大戦でも敵陣ゴール前のラックを飛び越えてトライする活躍だった。BK陣も、CTB栗原由太(3年、桐蔭学園)やWTB丹治辰碩(たつひろ、4年、慶應)など突破力のある選手が揃う。
そして、それらのタレントを束ねるのがSO古田京(4年、慶應)だ。ゲームを俯瞰(ふかん)し最適な判断を下す司令塔であり、対抗戦では94%と高いキック成功率を誇る。接戦になればキックの差が勝負を決める。早大は慶大の強固なディフェンスを破ってトライするのはもちろん、着実にキックも成功させねばならない。
伝統の一戦はここ数年、一進一退の接戦が続いている。それでも慶大の猛攻をしのぎ、勝利し続けてきた早大。今年は高いところで実力が拮抗(きっこう)している。今春の対戦では残り10分まで早大が8点をリードしていたが、痛恨の逆転負けを喫した。11月23日、宿敵慶大を下し、秩父宮に勝利の雄叫びを響かせよ。