「攻」の早稲田にぬかりなし
早稲田にとって全国の舞台は5年ぶりだ。2014~17年までいずれも関東リーグを1位で突破しながらも、トーナメントを勝ち抜けなかった。そして今年もリーグを1位で通過、その後も接戦を制して関東制覇。いまのメンバーにとって初めての全国舞台を戦っている。
今年の早稲田のチームスローガンは「攻」。関東では1試合の平均得点が10.7。主将のMF後藤功輝(4年、早稲田実)や、U22日本代表にも名を連ねるAT菊池智貴(4年、早大学院)、関東リーグでMVPに輝いたAT尾花一輝(4年、早稲田実)などオフェンスにタレントが揃う。攻めの守りも光る。準決勝の名古屋大戦での失点も、AT尾花はそこまで気にしなかったという。なぜなら「前半は自分たちの攻めるラクロスができてたし、失点も積極的な守備があっての失点」だったから。積極的に相手オフェンスのボールを落としにいくディフェンスは、決勝でも注目だ。
準決勝の名大戦は16-3で勝った。スコアだけ見ると圧勝だが、後藤は後半とくに4Q(クオーター)の出来を反省する。「パスをまわしても決めきれなかったり、ボールを落としにいこうとしてファールを取られたり。点差がついて気持ちに余裕が出たことで、甘さも出てしまいました」。どこまでも気を緩めない。なぜなら早稲田が目指すところは学生日本一の先に見える、全日本選手権制覇だからだ。そのためには、後藤はチームメイトに激をとばし、少しでも甘いところは短い期間でもとことん直させる。「関東ファイナルが終わってからここまで、自分たちの強みをもっともっと伸ばすために練習してきました。早い展開、フルフィールドオフェンス、前線からしっかりプレスをかけてゴールを狙う。甘いところも修正して頂点を目指します」
5年前の全日本選手権では決勝で社会人クラブチームのFALCONSに6-14で敗れた。「今年は海外遠征の経験もふまえて、強い相手に対してかなりいい雰囲気で試合ができるチームです」と後藤は自信をのぞかせる。頂点まで、あと3つ。後藤組に抜かりはない。