松蔭大、エース古谷で4年ぶりの8強
昨年ベスト16の松蔭大には、2014年以来のベスト8入りがかかっていた。対する京都橘大は昨年ベスト8に食い込んでいるが、目指すはさらに上である。
エースの強打が試合を決めた
勝負の大きなポイントとして、松蔭大主将の古谷ちなみ(4年、伊勢原)の存在があった。力強い踏み込みからの高いジャンプと、真っ向勝負の強打が魅力のエースで、松蔭大からは初めてユニバーシアード代表候補に選ばれている。ただし、3連戦で打数もかさんでいたのは事実。京都橘大としては、彼女を封じられれば勝機は見えてくる。
試合開始直後から、古谷が放ってきた豪快なスパイクをしのいで切り返す京都橘大。松蔭大のミスもあって、1セット目を19-13と大きくリード。しかしその後、決めきれない場面が続き、連続失点。追いつかれてジュースの末、最後は古谷のサービスエースで、松蔭大がセットを奪い取った。
この展開が影響したのか、2セット目は松蔭大ペースに。終盤は後衛に回った古谷をベンチに下げ、澁川小夏(4年、大和南)や長野有紗(4年、横浜隼人)らの得点で逃げ切った。
京都橘大もこのまま引き下がれない。3セット目はローテーションを変更し、大西美玖(1年、安来)の得点もあって14-8と突き放す。しかし、再び松蔭大が連続得点。ブロックも機能して松蔭大が逆転したが、その後はシーソーゲームに。意地を見せた京都橘大が上岡梨乃(3年、京都橘)のスパイクで一矢を報い、30-28でセットをとった。ただ、京都橘大はここまでだった。4セット目の終盤には松蔭大がブロックでこらえて古谷の強打につなぎ、粘る京都橘大を突き放した。
「簡単には決めさせない対策はできました。しかし、ここという場面で決められました」と、京都橘大の藤田幸光監督は相手エースを称えた。頼もしい仲間にも支えられ、輝きを放った古谷は「目標はベスト4以上。私は口下手なので、プレーで見せないと。明日も出しきります」と話し、充実した笑顔を見せた。(日本バレーボール協会 豊野堯)