4連覇狙う早大、苦しみを抜けた主将の熊谷
学生最高峰の大会、インカレが間もなく始まる。早大が目指すのは、もちろん4連覇。関東リーグ戦で敗れた帝京平成大や、インカレを16回も制している日体大とは反対側の山に入った。とはいえ、日本一を目指すならどんな相手も倒さなければならない。4連覇の偉業を成し遂げるため、一戦一戦着実に勝利を積み重ねていきたい。
仲間に伝えていなかった
主将のMF熊谷汐華(4年、十文字)はフィジカルの強さと高い突破力が持ち味で、来春にはスフィーダ世田谷FC(なでしこリーグ2部)への加入が決まっている。はたから見ると順風満帆なサッカー人生に映るが、主将になった今シーズンはさまざまな悩みや葛藤を抱えていた。「最初はキャプテンの役割を果たしてませんでした。自分がどうしたいかとか、どういうチームにしたいかとか、全然伝えてなかったです」と熊谷は振り返る。リーグ戦で難しい試合が続く中、主将の自覚や責任を改めて感じた。苦しい時期を乗り越えて、インカレでは大きく成長した姿を見せてくれるはずだ。
FW河野朱里(4年、藤枝順心)は得点がほしい時間帯にしっかり決めきるエースストライカーだ。10連覇を達成したリーグ戦では、通算18ゴールを決めて得点王に輝いた。インカレでもエースの輝きに期待がかかる。DF渡部那月(4年、日ノ本学園)とDF三浦紗津紀(4年、浦和レッズレディースユース)が引っ張る守備陣にも注目。下級生の頃から守備の中心を担ってきた二人は、チームメイトからの信頼も厚い。守護神・GK木付優衣(4年、ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)とともに、早大ゴールを死守する。
関東第2代表の早大は12月25日、大東大vs中九州短大の一戦の勝者と対戦する。相手が大東大であれば、リーグ戦の再戦だ。そのときは2-0で勝利したものの、MF村上真帆(2年、十文字)は「リーグ戦の相手の中で、一番プレスが強いイメージがあります。大東大のサッカーのスタイルには慣れてないので、戦いづらいかな」と語る。もしその大東大を中九州短大が破ったなら、これまた苦しい試合になるのは確実だろう。
さらにその先、神戸開催の3回戦に勝てば、東京開催の準決勝に進出。一戦一戦を全力で戦い、仲間の待つ東京に笑顔で戻ってきたい。