明大17位「古豪復活」ならず
明大は4年ぶりのシード獲得に大きく届かなかった。3区を走ったエース阿部弘輝(3年、学法石川)がいい流れを呼び込み、シード圏内の10位と42秒差の11位で往路を終えた。主力を残した復路で上位進出を図ったが、追い上げの流れをつくれずじまい。総合17位に沈んだ。「古豪復活」が見えていただけに、悔しい結果となった。
阿部は歴代4位の快走
1区の鈴木聖人(1年、水城)は18km地点の六郷橋で集団から遅れるも、終盤にペースアップ。先頭と36秒差の13位で2区の中島大就(3年、世羅)につなぎ、流れをつくった。中島は不調の中でエース区間を任され、区間19位と苦しんだ。しかし3区では、10000m27分台に突入し学生長距離界のトップランナーに変貌を遂げた阿部が5人抜き。区間賞こそ、区間新記録を出した青学の森田歩希(ほまれ、4年、竜ヶ崎一)に譲ったが、序盤から攻めの走りを貫き、区間歴代4位の好タイムで走り切った。
後続も続いた。4区を任された三輪軌道(3年、愛知)は終始安定したペースで4人抜き。8位に浮上し、上位へ浮上する気運も感じさせた。初駅伝となった5区酒井耀史(2年、須磨学園)は終盤に失速するも粘りきり、10位と42秒差の11位で往路を終えた。
一時は10位浮上も
6区の前田舜平(2年、倉敷)の好走で10位との差が9秒となると、続く7区の小袖英人(2年、八戸学院光星)が中央学院大をかわして10位に浮上。流れに乗ったかに見えたが、終盤に小袖が低血糖症に陥り一気に失速。11位で駆けだした8区の角出龍哉(4年、伊賀白鳳)も区間17位に沈み、前との差が開いた。
9区の村上純大(2年、専大松戸)が踏ん張り、10位と30秒差に縮めた。残るはアンカー勝負だ。箱根に照準を合わせてきた主将の坂口裕之(4年、諫早)に託されたが、低血糖症を発症し区間最下位。ゴールするのもやっとで、六つ順位を落とした。2年ぶりの箱根路は苦い結果で幕を閉じた。
経験不足とラスト5kmの失速が勝負を分けた。アクシデントがあったとはいえ「全員が頑張って17位」と、村上は振り返った。現実の厳しさを突き付けられた。しかし阿部の外さない強さ、山で存在感を示した酒井と前田に加え、し烈なメンバー争いで格段に地力は上がった。「切磋琢磨していけばシード権は取れる」と、角出は後輩たちに思いを託した。次の箱根で「この苦しい経験があってよかった」と思えるように。託された復活への思いを胸に、新チームでの再起を目指す。