ああ明治、あと1kmでこぼれ落ちたシード権
あと1kmでシード権がこぼれ落ちた。学生三大駅伝第2戦の全日本大学駅伝。明大は2区を走った阿部弘輝(3年、学法石川)の区間2位の力走もあり、健闘した。しかし、3年ぶりのシード権獲得(8位以内)を目前にした残り1km地点で城西大にかわされ、総合9位に終わった。 8位の城西大に8秒遅れた。一人あたり1秒足りなかった。
「勝負にこだわりすぎた」
1区鈴木聖人(1年、水城)から14位で襷(たすき)を受けた阿部。すぐに一つ前を走る順大をとらえると、怒濤(どとう)の8人抜き。6位まで引き上げた。「区間賞を取れず、悔しい」。阿部はこう振り返ったが、エースの役目は果たした。チームはいい流れに乗り、大きく順位を落とさない。
アンカーの佐々木大輔(3年、八千代松陰)が7位で駆け出す。法大との7位争いを繰り広る中、ペースが上がらない。徐々に9位の城西大、金子元気(4年、坂戸西)の足音が近づいてくる。ついに残り1kmで逆転を許すと「(法大との)勝負にこだわりすぎた」と佐々木。金子に食らいつく元気はなく、8秒差の9位に終わった。
シード権は逃したが、三大駅伝の1桁順位は2015年の全日本以来、3年ぶり。復活への兆しは見えてきた。レース後、山本佑樹駅伝監督は「出だしで前につけられたのはよかった」と前半の戦いぶりをたたえた。選手たちも「前の順位で勝負できる感触はつかめた」と自信を戻し始めた。さあ、箱根は紫紺の襷がかき回す。