早大史上最低の15位 箱根挽回の鍵は上級生
早大は「総合3位以内」を目標としていた。結果、出雲駅伝に続き、全日本大学駅伝でも惨敗に終わった。事前の早大長距離競技会では練習の一環ながら、多くの選手が自己記録を更新。調子は上向きだった。
悪い流れを断ち切れず
早大は1、2区で2桁順位と出遅れたが、3区の中谷雄飛(なかや、1年、佐久長聖)がこの日も好走した。序盤からハイペースで突っ込むと次々と前をかわし、7人抜いての6位で襷(たすき)をつないだ。東海大の館澤亨次(3年、埼玉栄)に10秒差で区間賞を奪われたものの、中谷は区間2位だった。
しかし、「経験値がないというのが不安要素」と話していた相楽豊監督の不安が的中する。3区で中谷が順位を押し上げたが、4区には順大の塩尻和也(4年、伊勢崎清明)や東洋大の浅井崚雅(2年、一関学院)が控えていた。この難しい局面、早大の4、5区には駅伝経験が浅い1年生の太田直希(浜松日体)と半澤黎斗(れいと、学法石川)が配置されていた。結果としてここで悪い流れとなり、4、5区でシード圏外の10位に。6~8区の上級生で前を追いたいところだったが、さらに後退。早大史上最低の総合15位で大会を終えることとなった。
出走予定だった車田颯(4年、学法石川)や吉田匠(2年、洛南)が直前で調子を落とし、前回の箱根駅伝にて2区で区間6位だった太田智樹(3年、浜松日体)がけがで戦列を離れたという誤算もあっただろう。1年生の調子がよかったとはいえ、経験やタフさを持つメンバーを重要区間に配置できなかった層の薄さが露呈してしまった。
「4年生の意地」が早稲田の伝統
残すところは箱根のみとなった。箱根は20km前後の距離が中心となり、経験が試されるレースとも言える。相楽監督も「箱根については上級生の方が非常にカギになってきます」と語るように、箱根で挽回するには上級生の復活が必要不可欠だ。
これまでの早大は4年生が最終学年になって意地を見せてきた。しかし今年の4年生は、早大入学からけがや不調が続いた。それでも今年に入ってからは、スポーツ推薦ではない“たたき上げ”の選手や、4年目にしてけがから復帰した選手など、やっとメンバーがそろってきた。「もう1回自分たちを信じて上を見てやっていこうと思います」と主将の清水歓太(4年、中央中教)は前を向く。最後こそ、きっと、意地を見せてくれるはずだ。