2冠目を決定づけた青学・森田の主将観とは
「MVPは青山学院大学、森田歩希くん」。驚いたような表情を見せながら、青学の主将が壇上に登った。逆転優勝へと導いたその走りが評価された。
言葉よりも結果で引っ張る
11月4日8時5分、全日本大学駅伝の号砲が鳴り響いた。青学は途中、日本学連選抜や東海大に先頭を許しながらも2位での襷(たすき)渡しを続け、7区の森田歩希(ほまれ、4年、竜ヶ崎第一)へ。東海大の湊谷春紀(4年、秋田工)に11秒遅れで襷を受け取ると、その背中を追う。
じわじわと差を詰め、3km地点で後ろについた。8km付近まで並走を続けたが、前に出るとあっという間だった。東海大との差をどんどん広げ、アンカーの梶谷瑠哉(りゅうや、4年、白鷗大足利)に襷渡しをする時には、その差は1分58秒となっていた。最終的には梶谷が2位の東海大に2分以上の差を付けてゴール。青学の選手層の厚さが際立つ優勝だった。
森田は今年度の青学長距離ブロック主将。今年度はじめには「言葉で引っ張る、というよりは競技の結果で引っ張りたい」と、主将としての意気込みを語った。その言葉通り、今大会では主将として好成績を残し、チームメイトへ大きな刺激となった。
森田が率いる青学が次に目指すのは、箱根駅伝優勝、そして学生駅伝3冠だ。「2度目の3冠」は、どの大学も成し遂げたことがない。どの大学よりもいま波に乗っている青学が、その歴史的快挙を達成する日はもう間もなくだ。