全日本大学駅伝 監督会見で腹の探り合い 注目区間は
今年で50回目を迎える全日本大学駅伝。11月4日の号砲前に、2日、シード校(神奈川大、東海大、青学大、駒澤大、東洋大、中央学院大)のうち中央学院大を除く5校の監督がそろって記者会見に臨んだ。互いに牽制し合いながらも、各校の勝負どころについて意気込みが語られた。
神大は区間エントリー通り
会見30分前に発表された区間エントリーではエースを補員に隠したままのチームもあった一方で、神大の大後栄治監督は「誰も変える予定はない」と公言した。ベテランの山藤篤司(4年、愛知)を1区にして流れをつかみ、最長距離の8区で勝負をかける。チームの命運をにぎる8区には越川堅太(3年、東京実)を起用。「つかみどころのない選手で何を考えているのか分からないところがありますが、未来性にかけました」と大後監督は期待を寄せる。
出雲駅伝では主力選手の故障に泣いた東海大だが、「みんな調子はいいです」と両角速(もろずみ)監督は話し、区間エントリー通りのメンバーで挑む腹づもりだ。鍵を握る区間と見ている7区には湊谷春紀(みなとや、4年、秋田工)を置き、主将の走りで勝負を決める。また、復活が待たれていた鬼塚翔太(3年、大牟田)も5位にエントリーしている。
あえての4区、2区も
一方、青学大と駒澤大、東洋大は区間エントリーから変更し、特に駒澤大と東洋大は複数人変える予定だ。2年ぶりの王座奪還を狙う青学大には、出雲駅伝で1区から流れを引き寄せた橋詰大慧(たいせい、4年、和歌山北)がどの区間を走るかに注目が集まった。原晋監督は「レースを支配するような走りをどの区間でもしてもらいたい」と話し、ギリギリまで検討を続ける。
チームとしては4区をポイントとしている。「非常に区間割りが難しい駅伝。だから、他校が力のある選手を置けないであろう4区で抜け出したい」と選手層の厚さをアピールした。4区には林奎介(4年、日体大柏)の出走を予定している。
駒澤大も同様に、エースの片西景(4年、昭和一)の出方に注目が集まった。大八木弘明監督も「確実に走ってくれる。いままでも裏切らない走りをしてきたから」と期待を込める。チームとしては1、2区で流れを作り、6位まで無難に走った上で7、8区で勝負をかける。その流れを呼び込む1区には、キープレイヤーを投入する予定だ。
後半に追い上げを狙う東洋大は、最長区間の8区に相澤晃(3年、学法石川)を予定している。「出雲では青学の橋詰くんに負けてますが、ここの区間はこれまでと変わらない距離なので、渡辺康幸さんのような走りを目指してほしい」と酒井俊幸監督は言う。
その一方で2区には西山和弥(2年、東農大二)を置いている。酒井監督は「これまで2区を走った選手たちは名だたる選手が多く、そういった2区への思いがあります。ただのつなぎというよりは、ここでしっかり存在感を出してほしい」と話し、出雲駅伝で区間6位に終わった雪辱に期待している。
今年の全日本は新区間編成でのレースということもあり、各校がどのように戦略を変えてくるのかに注目が集まっている。隠されたエースがどこで力を発揮するのか、当日の発表を待ちたい。