陸上・駅伝

男子100m 仕上がり早い日本勢、新たな扉開くか セイコーGGP大阪

左から桐生、小池、多田、山縣。いちばん速いのは誰だ?

いちばん速いのは誰なのか。
国際陸上競技連盟(IAAF)の公認大会「セイコーゴールデングランプリ(GGP)陸上2019大阪」が5月19日、ヤンマースタジアム長居で開かれる。今秋のドーハ世界選手権や来年の東京五輪をにらんだ戦いで、男子100mの日本勢は例年以上の仕上がりを見せている。海の向こうでは、アメリカで練習を積む20歳のサニブラウン・ハキームが日本歴代2位の9秒99(追い風1.8m)をマークしたばかり。日本の短距離界を引っ張ってきた先輩たちへの刺激にもなったはずだ。長居ではレベルの高い好勝負が期待できる。

メンタル面、筋力とも充実の桐生

9秒98の日本記録を持つ桐生祥秀(日本生命)は、今シーズン好スタートを切った。初戦となった3月のオーストラリアでの大会では、100mで10秒08をマーク。200mでも20秒39と自己ベストを6年ぶりに更新した。4月にドーハで開かれたアジア選手権では、成長した姿を見せた。課題とされていた終盤の競り合いを制し、10秒10で日本勢としてこの大会の100mで初めて優勝を飾った。「収穫のある走りができた。自分の走りに集中できました」と、手応えを口にした。

100m日本記録保持者の桐生。記録更新はなるか(撮影・諫山卓弥)

昨年は腰の痛みもあって不本意なシーズンに終わり、今年からメンタルトレーニングを導入。好調の要因について、どんなレース展開でもあわてなくなったことを挙げる。筋力もつき、これまではベンチプレスのマックスが100kgだったが、一冬を越えて135kgまで持ち上げられるようになったという。「力を抜いても、ストライドが伸びるようになった。理想の走りに近づいてます」

桐生が勝ったアジア選手権決勝。山縣亮太(セイコー)は右太もも裏の違和感を訴え、レース直前に棄権した。決勝は桐生の隣のレーンを走る予定だったが、直接対決はお預けとなった。

日本勢に勝ち続ける山縣、多田は復調の兆しつかみたい

山縣は昨年、自己記録タイの10秒00を含む3度の10秒0台をマーク。今年は2月下旬からアメリカのフロリダ州にあるIMGアカデミーで練習を積み、得意のスタートに磨きをかけた。同じアカデミーを拠点とするテニスの錦織圭(日清食品)ともプライベートで交流し、刺激を受けたという。アジア選手権後、足は回復し、5月6日の木南記念では10秒21で優勝。タイムに不満そうな表情を浮かべたが、昨シーズンから続く日本選手相手への連勝記録を伸ばした。

5月6日の木南記念で優勝した山縣(左)と2位の多田(撮影・池田良)

10秒07の自己ベストを持つ多田修平(住友電工)はこの春、出雲陸上、織田記念、木南記念と3週連続で2位に入ったが、いずれもタイムは10秒2台にとどまった。関西学院大3年だった2017年のセイコーGGPでは、スタートダッシュで強烈な印象を残した。弾丸スタートが売りのリオデジャネイロオリンピック銀メダリスト、ジャスティン・ガトリン(アメリカ)を70m付近までリード。3位に終わったが、あのレースで多田修平の名は全国区になった。飛躍のきっかけになった大会で、復調への兆しをつかみたいところだ。

けがからの復帰なるか、ケンブリッジ飛鳥(撮影・上田幸一)

ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)は出雲陸上のレース途中に左太ももがけいれんし、スピードを緩めて10秒53。回復具合次第だ。昨年のアジア大会男子200mで優勝した小池祐貴(住友電工)は伸び盛り。100mでも10秒17の自己記録を持ち、優勝も狙える位置にいる。

小池は昨年のアジア大会男子200m優勝。先日の世界リレーでも爆発的な加速を披露した(撮影・池田良)

11、12日に横浜で開催された世界リレーでは、男子400mリレー予選を多田、山縣、小池、桐生の走順で臨み、小池から桐生へのバトンパスをミスして失格に終わった。
悔しさを共有した仲間は1週間後、ライバルへと変わる。

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