陸上・駅伝

学生最強は日本最強となるか? 相澤、阿部が挑む日本選手権1万m

3月の日本学生ハーフマラソンで優勝を確信し、相澤はゴール手前から右手の人さし指を立てた

陸上の日本選手権は6月27~30日に開催されるが、今年は男女10000mが別日開催という変則日程となった。5月19日、セイコーゴールデングランプリ(GGP)大阪が開催されるヤンマースタジアム長居で、GGPが終わったあとに男女のレースが開催される。4years.編集部は、ここに出場する2人の男子大学生に注目する。

学生最強ランナーは誰だ?

現在の学生最強ランナーは? と問われたら、東洋大4年、相澤晃の名前をあげたい。年始の箱根駅伝4区で鮮烈な区間新記録。3月10日の日本学生ハーフマラソンでは、余裕すら見せる走りを披露。1時間1分45秒の東洋大タイ記録で優勝し、ユニバーシアード代表に内定した。4月14日の金栗記念選抜5000mでは、13分34秒94の自己ベストをマーク。さらに5月4日の「ゴールデンゲームズinのべおか」では10000mで28分35秒90。目標の27分台には届かなかったものの、箱根でワンランク上がったステージを走り続けている印象だ。

「異次元の走り」とも評された相澤の箱根駅伝4区。笑顔でタスキを渡す

学生で唯一、10000m27分台のタイムを持っているのが、明治大学4年の阿部弘輝だ。昨年11月の八王子ロングディスタンスで27分56秒45と、2018年度の日本人学生トップのタイムをたたき出した。4月にドーハであったアジア選手権の代表にも選ばれ、29分17秒47で6位入賞。世界の舞台でも健闘した。

阿部は箱根駅伝では3区を走り、青山学院大学の森田に次ぐ区間2位だった(撮影・松永早弥香)

相澤と阿部は福島・学法石川高校の同級生でもある。中学のときから互いを知る二人は、ともにライバル視し合って切磋琢磨してきた。ともにチームの大エースであり、主将となった中学時代からのライバルが、日本選手権の舞台で激突する。

長居に実力者が勢ぞろい

日本選手権の男子10000mには、MGCの出場資格を持つ藤川拓也(中国電力、青山学院大)と河合代二(トーエネック、麗澤大)のほか、日本歴代2位の記録を持ち、2019アジア選手権4位の鎧坂哲哉(旭化成、明治大)、青学のエースとして箱根路をわかせた田村和希(住友電工、青山学院大)に、日本記録保持者である村山紘太(旭化成、城西大学)らも出場する。とくに鎧坂は阿部の明治大の先輩。昨年阿部が27分台をマークしたレースでも一緒に走り、「俺についてこい」というジェスチャーで後輩を引っ張っていた。

4月21日の兵庫リレーカーニバル、日本人トップでゴールし復調の兆しを見せる村山紘太

この日本選手権10000mで優勝し、27分40秒を切れれば、秋にドーハで開催される世界選手権の出場資格が得られる。学生最強ランナーが日本最強となって世界へと羽ばたけるか?スタートは5月19日午後8時15分。勝負のときが迫る。

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