ラクロス

関学ラクロスの元気印は「ガッツ」石村旗大、はい上がった男が開幕戦で躍動

開幕戦で大活躍し、スタンドからの声援に応える関学の石村(撮影・安本夏望)

関西学生ラクロスリーグ戦1部

8月9日@大阪・鶴見緑地球技場
関西学院大(1勝) 5-3 立命館大(1敗)

第30回記念関西学生ラクロスリーグ戦が開幕した。1部男子の開幕戦は昨年と同じカードで関西学院大学と立命館大学の顔合わせ。先制を許した関学だが、第2クオーター(Q)に追いつき、後半は優位に試合を進めた。第4Qに4-3と迫られたが、ダメ押しのゴールを決め、白星スタートを切った。

ダメ押しのゴールにチーム全員で歓喜

試合を決める5点目を決めたのがAT(アタック)の石村旗大(たかひろ、4年、三田学園)だ。試合残り1分30秒、MF(ミッドフィルダー)の飯田優気(4年、関西学院)からパスを受け、得意の左でミドルシュートを打ち込んだ。フィールドの選手だけでなく、ベンチの仲間もみんな飛び出してきて喜びを爆発させた。「去年の開幕戦は立命に追いつかれて引き分けました。守りきるより、引き離したいという気持ちがありました。ベンチから仲間が出てくることは普段はないので、最高でしたね」。石村は余韻に浸りながら振り返った。

チームの5点目を決めた石村(左から3人目)にベンチからも仲間が駆け寄る(写真・松尾誠悟)

この試合、石村はチーム最多の2得点だったが、周囲を生かすプレーも効いていた。第2QにMF下司曜平(4年、桜塚)へ、第3QにはMF飯田へパスを繰り出し、二つのアシストを記録。「自分が活躍するよりも、立命に勝ちたい気持ちが強かったです。去年、学生日本一になれず、ファイナル4で負けて、とにかく勝ちたいという気持ちだけでした」。関学は昨シーズンの1部得点王に輝いた前主将の小谷淳喜ら主力選手が多く抜けた。そんな中、パートリーダーでもある石村が攻撃の要として輝いた。

2回生からリーグ戦に出場してきたが、昨年6月にBチーム落ち。パートのサブリーダーという役職も与えられながら、仲間の活躍をスタンドから見つめる日々。「あまりいい気持ちはしなかった」。Bチームにいても、目をかけてくれる先輩がいた。その先輩とともに、パスキャッチなど基本プレーの練習を繰り返し、シュートの精度を上げることに取り組んだ。そして7月にはAチームに復帰。「1カ月だけだったんですけど、長く感じました。『自分が活躍しないと』という考えから『チームが勝つために』という考えに変わった。自分を見つめ直すチャンスになって、いま考えるとあの時間が大事でした」。屈辱を味わったひと月が、石村を強くした。

開幕戦で終始積極的に仕掛けた石村(撮影・安本夏望)

「一つひとつ勝って日本一に」

ガッツ。中学1年生のころからの愛称は、関学でもそのままだ。石村、いしむら、いしまつ、石松ということで、元プロボクサーのガッツ石松さんの「ガッツ」だ。「そう呼んで、喜んでもらえるとうれしいですね」と言って、顔をクシャッとさせた。

石村のラストシーズンはまだ始まったばかりだ。「入学してから学生日本一をずっと目指してきました。一つひとつ勝ち上がって日本一になりたい」。次戦は8月17日、春のトップリーグで優勝した神戸大と対戦する。関学のガッツ石村が気迫あふれるプレーで、チーム初の日本一へ突き進む。

関学は次戦、神戸大に挑む(撮影・安本夏望)

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