ラクロス

連載:ラクロス応援団長・山田幸代コラム

海外のラクロスから学んだ「自分を認める」大切さ

山田さん(左から2人目)は海外でプレーをする中で、ルーティーンの大切さを実感した(写真は本人提供)

夏まっさかり、各地域で大学のリーグ戦が始まりました。みなさんはどんな準備をしてきましたか? このリーグ戦までにどんな自信をつけてきましたか? 私は26歳のときにオーストラリアの強豪チームでプレーしてたんですけど、世界で戦う中で大事だと感じたことのひとつが、この「自信」です。今回は試合に臨むにあたっての心の整え方について話します。

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自分を認め、自分を信じてプレー

自信をつけるって、本当に難しいことだと思います。日本人はとくに、自分を認めることに苦手意識を感じる人も多いでしょう。「すごいね! 」「よくやったよ! 」と言われたとき、あなたは何と答えますか? 「いや、そんなことないです」「全然ダメです」。こんな言葉を返していませんか?

私自身、とくにレベルの高い海外のチームに入って戦うときなんかには、どうすれば自分を認められるのかと、ほんとによく考えたものです。そうです。私も同じように「いや、全然ダメ」「できてるのかな。そんな気しないけど」なんてことをいつも言ってました。

海外の選手は、ほんとに自分を認めるのが上手です。自信があるからなんでしょうね。試合に入ったときの集中力がとんでもなく優れていることをいつも感じさせられます。そんな姿を目にして「どうすれば自信が持てるんだろう」とか「緊張しないのかな? 」とか、よく考えてました。

そういう選手たちを見たあとで自分の弱さを振り返ったとき「もっと自信をつけないと! 」って感じたんです。「自分が自分を認めてあげないと、自分の次のステップが見えない」。そう感じたんです。だから、自分を認める練習をしました。

まず、誰かにほめられたら「ありがとう」と言う。そこから「これでよかったんだ」と自分に言い聞かせる。それを繰り返して繰り返して、癖にしていきます。

「いつも通り」のためのルーティーン

不安を取り除くのも大切です。それが、みなさんも聞いたことがある“ルーティーン”というやつです。

私はルーティーンを、自分を信じるために使います。不安を取り除くために使います。試合までの過ごし方については、一番よかった時の時間の使い方をまねます。そして同じアイテムを使い、同じものを食べます。ただそれを繰り返すことで、ホッとするんです。

この「いつも通り」ができることで、自分が自分らしく試合に臨む準備が完了します。どんなにつらい練習をしても、どんだけがむしゃらにボールを追いかけても、泣いても笑っても怒っても。試合の前日と当日は毎回同じことを繰り返すことで心が落ち着き、自分を見つめられます。

一番よかった時と同じ時間の使い方や環境を整えることで、試合の不安を取り除く(撮影・山本倫子)

試合に挑む準備をすることが、自分を信じることにつながっていきました。調子が悪い日だってある。調子がとってもいい日だってある。それを自分で分析できるぐらい同じ“心”でフィールドに立つ。そうすることで、調子が悪いときは調子の悪い中での最高のプレーをすることを選択できるし、調子がとってもいいときは自分をそれ以上見失わないように落ち着かせることができます。

チームの中で意識し、試合につなげる

みなさんにはルーティーンがありますか? いつもの自分でフィールドに立つ方法がありますか? リーグが開幕してしまうと、あっという間に時間が過ぎていきます。あなたが時間の操り方を習得できれば、常にフィールドでの存在感が湧き出てくると思います。

チームも同じです。お互いを認め合い、信じ合う。そして練習のときと同じリズムで挑めれば、練習でできたことが試合でも披露できると思います。

リーグ戦を迎えるにあたり、自分自身の心の調子、マインドセットをどう持っていくのがみなさんにとってベストなのか。少し考える時間をつくってみるのもいいと思います。試合前にルーティーンをするだけの時間がなかったり、難しかったりするのであれば、いくつもやる必要はありません。何かひとつでも自分が落ち着ける方法を持っておくことをオススメします。

試合前の準備で何かいい方法があれば、私にもぜひ聞かせてください。この秋のシーズン、みなさんの笑顔がフィールドでたくさん見られますように。

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ラクロス応援団長・山田幸代コラム

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