関学アメフト、神戸大に苦しみ抜いて開幕4連勝 関西学生リーグ1部
アメリカンフットボールの関西学生リーグは9月29日、神戸・王子スタジアムで第4節の3試合があり、2年連続の甲子園ボウル制覇を狙う関西学院大が神戸大に苦戦。7-8で迎えた後半に逆転し、17-15で開幕4連勝とした。神戸大は2勝2敗となった。
最初に喫したインターセプトで嫌なムードに
関学のオフェンスは常に最初のシリーズをタッチダウンにつなげることを目標にしている。自分たちで流れをつかみ、相手を圧倒するためだ。それが今シーズンここまでの3試合ではできていなかった。だから、この日は最初から全開でいった。
OL(オフェンスライン)が神戸大のディフェンスに当たり勝ち、RBの三宅昂輝(3年、関西学院)と齋藤陸(2年、江戸川学園取手)がビュンと駆け抜ける。ゴール前6ydまで攻め込んでの第3ダウン。QB奥野耕世(3年、関西学院)がエンドゾーンの左隅へ走り込んだWR阿部拓朗(4年、池田)へパス。このとき、神戸大のDB増田亮(4年、高槻)がスパーンと阿部の前に入ってインターセプト。またもや最初のオフェンスでのタッチダウンはならず、しかも奥野ー阿部というホットラインが寸断された。関学にとって非常に嫌な立ち上がりとなった。
ともに無得点で迎えた第2クオーター(Q)開始早々、関学のRB齋藤がOLのブロックを生かして密集を抜けると、迫ってきた神戸大の2人の間をスピードでブチ抜いた。45ydのTDランになり、7-0と先制した。次の関学のオフェンスは、神戸大の小林真大(2年、明星)のナイスパントにより、自陣4ydから始まった。最初のプレーでパスに出たが、神戸大のDL杉野太郎(3年、岡山朝日)が関学のQB奥野に襲いかかり、エンドゾーン内でタックル。たまらず奥野はボールを投げたが、これがインテンショナルグラウンディングの反則に。セイフティとなり、神戸大に2点が入った。7-2になった。
勢いの出てきた神戸大は次のオフェンスでトリックプレーを繰り出した。敵陣に入った所での第1ダウン10yd。RB森分優人(2年、三田祥雲館)が左オープンを走ると見せて止まり、パスだ。森分の視線の先では、左サイドライン際でWR品田快成(3年、千里)が完全なフリーになっていた。練習では1度も決まっていなかったパスだが、森分は落ち着いてリードボールを投げ、品田がキャッチ。48ydのタッチダウンパスになり、7-8と逆転した。このまま試合を折り返した。
奥野から鈴木へのパスで逆転
いよいよ尻に火がついた関学。過去3試合のサイドラインは主務の橋本典子(4年、豊中)のよく通る声ばかりが響いていたが、後半の最初からやたらと熱気がみなぎってきて騒がしくなった。そんな中、第3Q6分すぎ、QB奥野がWR鈴木海斗(3年、横浜南陵)へ23ydのタッチダウンパスを通す。これで14-8と逆転。次のオフェンスでもキッカー安藤亘祐(4年、関西学院)が26ydのフィールドゴールを決め、17-8とした。
神戸大もこのままでは終わらない。奥野のパスを最前線の選手が手に当て、浮いたところをDL八田佑陽(2年、池田)が奪い取るインターセプト。敵陣39ydと絶好の位置からのオフェンスとなり、QB是澤太朗(4年、東海)がWR品田へ28ydのタッチダウンパスを決めた。17-15。このとき試合残り時間は3分42秒。神戸大はオンサイドキックをせず、深く蹴り込んでディフェンスの踏ん張りに勝負をかけた。しかしさすが関学。ラン、ラン、ランで時間を使いながら攻撃権を更新し、時間を使い切った。このスコアのまま、熱戦は幕を閉じた。
4回生が普段から甘いねん
関学・鳥内秀晃監督の話
「これが実力ちゃう? 普段から甘いねん。4回生の中に『自分には関係ないわ』って思ってるヤツがまだおる。なめとんねん。普段の練習から簡単なミスが起こってんのに、見逃しとる。今日の試合前でも、お祈りの時間に遅れてくる4回生がおる。そんなこともちゃんとできへん。最初にインセプされて、おかしなった。おびえだしよった。ランにこだわりすぎやし、パスにいったらサックされるし。歯車がこうなってしまうねん。スペシャル(プレー)も簡単にいかれて。この先どうするんか知らんわ。俺が無理やりやらすんちゃうからな。足を引っ張る4回生がいっぱいおる。そいつらを見てる下級生も、そうなるわな」