大学ラグビー

特集:駆け抜けた4years. 2020

立教大ラグビー部を5年ぶりの対抗戦Aグループ昇格に導いた主将・津田祥平

津田はより多く練習することで出場機会も得た(撮影は全て「立教スポーツ」編集部)

昨年12月7日、埼玉県・熊谷ラグビー場Aグランドであった関東大学ラグビー対抗戦A・Bグループ入れ替え戦。Bグループで優勝した立教大はAグループ8位の成蹊大に23-21で勝利し、5年ぶりにAグループへ返り咲いた。立教大ラグビー部を1年間率いたのが主将・津田祥平(4年、東海大仰星)だ。

立教が「4度目の正直」で成蹊を下し、5年ぶりのA復帰 関東大学対抗戦入れ替え戦

「変化」が求められた主将

立教大はここ4年間、入れ替え戦に進むも成蹊大に惜敗し、昇格をできずにいた。昨シーズン、Aグループを1度も経験できずに引退することが決まっていた当時の4年生は、シーズン前の主将を決める場で立教ラグビー部のいままでの流れを変えるべく、「変化」が必要だと話し合った。そこで、1年生のときからグラウンド内外での規律遵守(じゅんしゅ)を言い続けていた津田が、新たな文化を作ることができるのではないかと主将に抜擢された。

津田は自分の中で、リーダーと呼ばれるものに3種類のタイプ分けをしていた。きつく言い聞かせるタイプ、きつい言い方はせずに話し方を工夫して相手にモチベーションを出させるタイプ、そして持ち前のカリスマ性で信頼を勝ち取り、なんでも言うことを聞いてもらえるタイプ。その上で自分の性格と経験を踏まえ、極力嫌な言い方をせず、多くの人に聞いてもらうことを意識した。

主将として、選手として

プレー面でチームを引っ張っていく主将は多いが、津田は常に試合に出られるわけではなかった。関東大学対抗戦では、東大戦には出場したものの、入れ替え戦ではメンバー外。試合に出続けてチームをまとめる、という手段は彼には難しかった。

その中で津田は、「同期の存在が助かった」と語る。特に副将の床田聖悟(4年、桐蔭学園)と玉川健二郎(4年、大東文化第一)の2人の存在は大きい。床田はBK、玉川はFWのポジションリーダーを務めた。床田はゲームキャプテンを任されることも多く、試合中の声掛けや練習の技術面での役割を担っていた。またセットプレーが課題に上がっていたFWでは、玉川のFWメンバーへの熱心な指導によりセットプレーの安定性を高めていった。

例年にはない、主将と2人の副将の3人体制によって、それぞれが得意な分野で役割分担をした。そのため、津田は「自分のプレーに集中できて、去年よりも確実に技術面で成長できた」と振り返る。この1年間は特に、同じポジションの選手よりも多く練習することを心掛けた結果、自身の出場機会も増えた。主将としてだけではなく、選手としても成長を感じられた1年間となった。

あこがれの舞台は後輩たちへ

Aグループへの昇格を決めた津田組。津田は昇格が決まった瞬間とにかくうれしさがこみ上げ、自然と涙があふれた。主将として部員から胴上げされたシーンもあったが、それは副将・床田が以前から願っていたことがかなった瞬間でもあった。

昇格が決まり、津田を中心に喜ぶ部員たち

津田自身はこれでラグビーの競技生活に幕を下ろす。ラグビー生活は苦難の連続であり、常に競争相手のいる環境だった。その中でもこの1年間は、主将を通じて部員の他にも多くの人々に支えられていたと改めて実感した。これからAグループで戦うのは後輩たちとなる。津田の後輩たちへの願いは、大学選手権に出場して優勝してもらうことだ。

「このまま後輩たちが高い意識を持ち続け、さらにいい変化が加われば、来年はもっといい結果が待ってると思う」。津田は新体制の立教ラグビー部に期待を寄せている。