大学アメフト

関学アメフト新主将・鶴留輝斗インタビュー「勝つべくして勝つチームになる」

昨秋のリーグ戦から、鶴留の姿が長い時間フィールドで見られるようになった(撮影・松尾誠悟)

関西学院大学アメフト部ファイターズの2020年度の主将と3人の副将が、211日に発表されました。主将は新4回生のRB鶴留輝斗(つるとめ・きらと、啓明学院)です。関学の提携校である啓明学院高校出身の主将は初めて。世界一早いファイターズ新主将インタビューをお届けします。 

チームを勝たせたくて立候補

——主将に手を挙げた一番の理由は何ですか?

自分がこのチームを勝たせたいと思ったからです。去年、自分がファンブルしたせいで立命に負けて「本気で自分がこのチームを勝たせるんや」っていう気持ちが強くなりました。そこから「どうやったらチームを勝たせられるか」と考えるようになりましたね。それまでも幹部にはなりたいと思ってましたけど、明確にキャプテンとは考えてなくて。チームを引っ張りたいという気持ちはありましたが、正直なところそこまで強い意志はありませんでした。あの試合で自分は変わったなと思います。 

昨秋のリーグ戦の立命戦で考え方が変わった(撮影・松尾誠悟)

——去年の話が出たので先に質問しておきます。関西学生リーグ最終戦の立命館大学戦でパスを捕ったあとにファンブルして、相手に攻撃権を渡してしまいました。7-18で負けてリーグ2位になりました。あの試合を振り返ってください。

自分の準備不足で、気持ちの面で足りてなかったです。立命にどれくらい通用するのか、っていう気持ちの方が強くて、本気で勝ちたいっていう気持ちが足りませんでした。自分、自分になってしまってたと思います。そこが、自分の準備の甘さにつながってしまいました。相手のことに意識を向けられてなかったのだと思います。 

関学ファイターズの新幹部。左から副将の高木、副将の繁治、主将の鶴留、副将の海﨑(撮影・松尾誠悟)

勝つことへの思いが強く、頼れる副将たち

——副将の3人はどうやって決まったんですか?

もちろん、立候補で決まりました。ほかの3人は下級生のころから試合に出てるメンバーで、誰よりも試合に勝つということに対してこだわりが強いです。同学年でミーティングしてても、常に勝ちに対する思いが強いですし、試合経験も豊富で、悔しさも人一倍味わってきてます。熱い気持ちを持ってる3人なので、頼りにしてます。 

——副将の3人とは対照的に、自分自身は昨シーズンからようやく本職のRBとして出番が増えました。彼ら3人との違いについて感じるところはありますか?

試合に出てる、出てないは関係ないです。このチームを勝たせたいという意志の強さが大事だと思います。試合経験の面では、ほかの3人に頼る部分は多いと思いますが、気持ちの面では負けない部分を持ってます。外から見てたからこそ分かる面もあるので、そこを発信していきたいです。 

——新4回生は29人と比較的人数の少ない代です。どんな学年だと思いますか?

人数が少ないので、一人ひとりがやらないといけないという気持ちは持ちやすいと思います。もちろん個性が強く、いろんなヤツがいます。一人ひとりが言いたいことをちゃんと言い合える関係をつくって、もっと深い関係になれる環境をつくる努力をしていきたいです。 

啓明学院高校時代はスピード派のRBだった(撮影・松尾誠悟)

——下級生から試合経験が豊富な選手が結構いて、少数精鋭のイメージがあります。

下級生から出てるヤツも多いんで、経験豊富ではあると思います。人数が少ない分、下級生の力を借りないといけないところがいっぱいあって。そこに力を注がないといけないと思っています。下級生に頑張ってもらう関係や環境をつくっていきたいです。 

基礎固めのこの時期が一番大事

——すでに1月27日から新体制がスタートしていますが、チームの現状はどのように考えていますか?

いまは基礎固めの時期です。一人ひとりいままでの課題の克服に取り組んだり、シーズン中にはできない修正をしたりしています。この時期が一番大切だと思っているので、時間をかけてじっくりやっていきたいです。 

——大村和輝新監督と歩む一年でもありますね。

去年からオフェンスのコーチとして関わる機会も多かったので、とくに違う印象はありません。監督もおっしゃっているように、僕らが何かをしたいからサポートしてくださったり、間違ってたら修正してくださったりすることが多いです。去年、鳥内(秀晃)さん(前監督)が4回生に対してどのような話をされていたかも分からないので、「これが4回生か」と思いながらやってます。 

ファイターズとしてのあるべき姿、求める

——春のシーズンが始まって、試合をしてみると変化が分かるかもしれないですね。

それはあるかもしれないですね。まだ試合をしてないですし、防具を着けて当たる練習もしてないので。監督が代わったということでいろいろ変わる面もあると思います。それに対応できるくらい、4回生がしっかり準備して想定していれば問題ないと思うので、僕らにかかってる部分もあると感じてます。 

——チームが目指す場所についてはどのように考えてますか?

まだチームとしての正式な目標は決まってませんが、「日本一」というのは確実な目標です。正直、チームが始まったばかりで話を詰めきれてない部分もあります。大村監督が就任の会見でおっしゃっていた「勝つべくして勝つチーム」がファイターズとしてあるべき姿。そこに向かうために何をすればいいかを話し合っているところです。期限はあることですが、じっくり時間をかけて4回生の中で固めてチームに共有していきたいと思ってます。 

「ついていけば大丈夫」と思われる主将に

——理想の主将像はありますか?

自分が目指すべきところは、目標に向かって全員を巻き込んでいく説得力や信頼関係をつくることです。チームから信頼されて「コイツについていけば大丈夫」と思われるキャプテンになりたいです。一人では無理なので、ほかの幹部の力も借りながら、最後には「4回生についていけば大丈夫」と思われるようにしたいです。 

しぶとく、泥臭くチームを引っ張っていきそうだ(撮影・松尾誠悟)

——主将として目指すところはどこですか?

一番は全員が同じ方向を向くことだと思います。しんどい時期は、どうしても方向性のズレが出てしまうかもしれません。そういう時も「日本一」の方向に向かせないといけない。ファイターズの目的は、いい社会人になること。そのためには下級生であっても、横道にそれてる時間はないです。いかに早く気づかせてあげるか、ということが下級生にとってもプラスになるし、チームのためにもなります。周りにとってプラスになるようなチームをつくることが、自分にとっての目標です。

甲子園で日大とやりたい気持ちはある

——日大が関東1TOP8に復帰しました。勝ち進んでいけば、また甲子園ボウルで対戦する可能性もあります。

僕たちが1回生のときに甲子園ボウルで負けてます。僕はそのときはスタンドで見てたんが、悔しかったですし、僕らの学年でもあの試合に出て悔しい思いをしたヤツもいます。とても強いチームなので、甲子園ボウルで対戦したいという気持ちもありますね。 

——主将として貫きたいことは何ですか?

一人ひとり役割があると思うので、やるって決めたことを自分が一番やらせないといけない。自分が一番、言うことを大事にしたいです。それは、このチームをつくっていく上で、みんなに約束した部分でもあります。もちろん自分も一番やりますが、やるって決めたことを全員にやらせるし、こぼれ落ちそうになったヤツは引っ張り上げる。自分が全員を救ってやるっていう気持ちでやりたいです。 

——新たな一年に向けて、意気込みをお願いします。

「日本一」という目標の達成に向けて、やるって決めたことをやり続けることがチームとしての近道だと思っています。甲子園ボウルで勝って学生日本一になって、ライスボウルで社会人に挑みたいです。何よりも「勝つべくして勝つチーム」をつくりたいです。一日一日を大切にやっていきたいですね。 

ライスボウルの試合後に語る鶴留(撮影・北川直樹)

つるとめ・きらと 1998年8月14日、兵庫県生まれ。啓明学院高校出身。中学からアメフトを始め、高校に進むとDLからRBに転向。3年生のときは主将を務め、秋のリーグ戦兵庫県大会での同校初優勝に貢献。関西学院高等部の43連覇を阻止した。もともと女子校だった啓明学院は2002年に中学が、05年に高校が共学化。関学の提携校となった啓明学院出身者から初の主将が誕生した。