関学アメフト 立命館に敗れ、過酷なリベンジロードへ 16日に西南学院大戦
アメフト関西学生リーグ1部 最終節
11月10日@大阪・万博記念競技場
関西学院大(6勝1敗)7-18 立命館大(6勝1敗)
アメフトの関西学生リーグ1部最終戦で、6戦全勝の関西学院大が1敗の立命館大に敗れ、単独優勝を阻まれた。同率優勝ながら、甲子園ボウルの西日本代表を決めるトーナメントには関西2位で出場。2年連続の甲子園ボウル出場へは、関西1位の立命より2試合多く戦わなければならなくなった。関学にとって、何が誤算だったのか。
負けるべくして負けた
リーグ最終戦のスタッツは関学オフェンスが41プレーで155yd(ラン13yd、パス142yd)のゲイン、立命は65プレーで258yd(ラン147yd、パス111yd)の前進。立命の方が24プレーも多い。ボール所有時間は関学の17分45秒に対し、立命は30分15秒。関学はエースQB奥野耕世(3年、関西学院)のパスが2度奪われ、RB鶴留輝斗(3年啓明学院)がファンブルしたボールを奪われた。ターンオーバーは関学の3に対して立命はゼロ。関学は負けるべくして負けた。
関学のオフェンスは立命ディフェンスが今シーズン始めてやってきた仕掛けにやられた。最前線のDLが少し下がってプレー開始とともに関学のOLに向かって突っ込み、次の瞬間に第2列のLBがほぼ同じコースで突っ込んできた。ランプレーがことごとく潰され、QB奥野が立命のDLやLBに追いまくられた。
第2クオーター(Q)最初のプレーで、奥野のパスが立命のLB江本幹(つよし、4年、関西大倉)に奪われた。奥野は「LBが想定を上回る速さでした」と言ったが、それだけでない。OLのポジショニングが悪く、一瞬で立命のDL國分貴光(3年、立命館守山)にかわされた。奥野は國分に襲いかかられて十分な体勢では投げられず、本来の鋭いボールがいかなかった。第3Q終盤の鶴留のファンブルロストにも明らかな要因がある。パスを一発で捕れず、お手玉したことで、ボールをガチッと確保できなかった。そこを江本に狙われ、ハードヒットを食らってボールを落とした。思えば今シーズンこれまでにも、彼にパスが飛び、お手玉した末にキャッチしたシーンがあった。弱点を練習で克服できていないと、大事なところで痛い目にあう。試合後、鶴留は号泣していた。フットボールは本当に恐ろしい。
立命OLの変貌ぶりは想定外
関学のディフェンスにとって、立命のOL5人の変貌(へんぼう)ぶりは想定外だっただろう。今シーズンはここまで、相手ディフェンスを押しきれず、思ったようにランを進められないでいた。それがどうだ。この日は何もかも違った。鋭くスタートしてバチンと当たり、足を止めずに関学のDLを押した。まず一人が当たっておいて、少し遅れてもう一人がぶつかり、グッと押し込む巧みさもあった。関学主将のDL寺岡芳樹(4年、関西学院)がぶっ飛ばされる場面もあった。
立命の新しいフォーメーションにも手を焼いた。ショットガン隊形でRB2人を同時に起用。しかも今シーズン2試合で5回ボールを持っただけのルーキー横川豪士(立命館宇治)をぶつけてきた。父もかつて立命のRBだった横川はエースRB立川玄明(たつかわ・ひろあき、3年、大阪産大付)をブロッカーに従え、7回で33ydの前進。今シーズンはパッとしなかった立川も、OLがあれだけ押してくれれば気持ちよく走れる。走りに鋭さが戻り、関学は立川に19回のランで75ydを進まれた。
関学には「次の一手」があるが、日程は厳しい
立命戦のあと、奥野は言った。「今日で自分たちの負けてるところとよかったところが見えたんで、そこを修正してアジャストしたいです。悔しい気持ちをしっかり持ってやれば勝てる」。主将の寺岡は「力負けです。3週間後、ここでアイツらにリベンジします」と話した。
確かに立命がさまざまに仕掛けてきたのに対し、関学は今シーズンこれまでと同じように戦っていた。関学オフェンスには「次の一手」が確実にあるし、関学ディフェンスも、もうあんなに押されることはないだろう。2017年はリーグ戦の対戦で立命に負けたが、西日本代表決定戦でやり返して甲子園ボウルに進んでいる。しかし、今年は当時とは状況が違う。関西3位校もトーナメントに組み込まれることになり、決定戦までに立命より2試合多く戦わなければならない。リーグ最終戦から中5日、中7日、中6日というハードな4連戦。この間、立命はコンディションを整え、関学との再戦を見すえてじっくり策を練る。
まずは11月16日、福岡・春日公園球技場での西南学院大(九州)戦だ。関学にとって過酷なリベンジロードが始まる。