ラグビー部と陸上部男子長距離の「古豪・大東大の復活物語」に注目!
特集「うちの大学、ここに注目 2020」。今シーズン注目のチームや選手を、選手たちをいちばん近くで見ている大学スポーツ新聞のみなさんに書いてもらいました。スポーツ大東編集部からは、ラグビー部と陸上部男子長距離についてです。
昨シーズンの大東大は総じて、「惜しさ」の残る1年だったと思われる。もちろん、テコンドーで東京オリンピック内定を決めた鈴木リカルド(2年、ボリビア・San agustin)をはじめ、男子バスケットボール部の創部初となる1部リーグ優勝、アイスホッケー部の1部A昇格など、輝かしい成績ももちろんあった。しかしながら、その裏では涙を拭う選手も多くいた。中でも、ラグビー部と陸上部男子長距離ブロックが強く印象に残っている。あのときの「悔しさ」をにじませた選手の顔。試合後の彼らの表情から、今シーズンへの活力が見えた。
決められなかったラグビー大学選手権
ラグビー部にとって、昨年11月9日の関東大学リーグ戦1部・流通経済大戦は運命をかけた一戦だった。ここで勝たなければ自力での大学選手権の出場は絶望的だ。選手たちも強い気持ちでぶつかった。しかし前半はリードするものの、後半まさかの逆転を許し、21-22で敗北。選手権への道は途絶えた。
それはどことなく一昨年シーズンのリーグ戦の最終戦・東海大戦を彷彿(ほうふつ)させた。そんなラグビー部のキーマンとして期待されるのが、南昂伸(4年、御所実業)とタヴォ・シオペロロ(4年、ウェズリーカレッジ)の2人である。
南は昨年度のユニバーシアードで優勝を経験しており、その実力は計り知れない。また、攻撃の要であるシオペは最高学年となり、さらに磨きのかかったプレーに注目がかかる。主力メンバーとして活躍していた前4年生が抜けたのは大きい。しかしこの2人の実力者の他にも、まだまだ期待の選手はいる。昨シーズンの無念に挑む選手たちにぜひ注目していただきたい。
箱根路に思いを残したまま
もう一つの悔しさは、陸上部男子長距離が果たせられなかった箱根駅伝だ。前回大会では1区で転倒のアクシデントがあり、大東大は総合19位で終わった。「今年こそはリベンジ」と意気込みながらも、昨年10月にあった予選会ではまさかの18位。今年1月2日の大手町ビル前のスタートラインに、ライトグリーンのユニフォームは並ばなかった。
そんな陸上部からは、ダブルエースであった主将の川澄克弥(水城)と副将の奈良凌介(仙台育英)が卒業した。しかしチームに不安はない。今年の箱根駅伝で関東学生連合チームとして走り、8区で区間9位相当の𠮷井龍太郎(4年、西海学園)が主将としてチームを引っ張り、箱根駅伝経験者である三ツ星翔(4年、八頭)や片根洋平(3年、水城)といった面々が脇を固める。
また下級生も実力を着々とつけており、昨年12月の記録会では10000mのベストを続々と更新。監督は奈良修監督から馬場周太コーチへと襷(たすき)渡し、新体制でスタートを切る。まずは関東インカレでの活躍、箱根駅伝への復活はもちろん、今シーズンは全日本大学駅伝の復活にも期待したい。
もちろんこの2部活以外にも、様々な部活が昨シーズンよりもさらなる高みを目指している。2020年度の大東大は「古豪・大東大の復活への物語」にぜひ注目していただきたい。