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「大学スポーツが好きだ」新型コロナ影響下のいま、15校の大学スポーツ新聞が発信

大学スポーツ新聞もまた、選手たちに元気をもらってきた。だからいま選手たちを、大学スポーツを、応援したい

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大学スポーツでも大会が延期・中止となり、各大学は部活動の活動自粛を呼びかけている。その影響は、自分たちの大学の体育会について報じてきた大学スポーツ新聞の編集部にも及んでいる。そんな中、4月28日より国内15大学の大学スポーツ新聞の編集部が「大学スポーツが好きだ」という思いを込め、1枚のポスターをTwitterなどのSNSで毎日発信していく。

新型コロナに負けない! 京大など25大学の応援団が初めて手を組み、応援を力に

元気をもらってきた選手たちにエールを

この企画には国内15大学(関西学院大学、関西大学、同志社大学、立命館大学、近畿大学、京都産業大学、明治大学、中央大学、法政大学、東洋大学、専修大学、青山学院大学、早稲田大学、慶應義塾大学、大東文化大学※順不同)の大学スポーツ新聞の編集部が参加。先行きが見えない不安を抱えた大学スポーツ界を盛り上げたい。そんな思いから、関西学院大学体育会学生本部編集部(関学スポーツ編集部)の松木葉菜(3年、仙台二華)が立案した。

関学も他校と同様に各部は練習を自粛しており、選手たちは家でできるトレーニングや勉強などと、いまできることに切り替えている。彼らはSNSを通じて近況を発信しており、松木もそのSNSを通じて各部、各選手のいまをうかがい知るという状況だ。彼らの元気な姿を知れる反面、とくに今年がラストイヤーとなる4回生がどんな思いでいるのかを思うと、松木も胸に痛みを感じている。

関学スポーツでは毎年5回(号外や特別号を除く)、新聞を発行している。毎年新入生に向けて制作する4月号は3月頭に作業を終えられたため、発行自体はできた。しかし新入生のオリエンテーションが行われた期間に在校生たちは登校できず、今年はオリエンテーションで配布された資料に関学スポーツを混ぜてもらった。

松木自身、新入生だったときに大学内の通りに貼られていた関学スポーツを見て、新しい可能性と魅力を知った一人だ。「今年の新入生も関学スポーツを読んでくれているんだと思うんですけど、やっぱり(配布資料と一緒に)渡しただけだとリアクションが分からないので、なんとも言えないです……」。シーズン開幕を伝える5月号は今年、延期もしくは中止を検討している。

松木は中高校時代はテニスをしていたが、関学庭球部のレベルの高さを知り、違う部に入ることを考えた。大空を舞う航空部にもあこがれた。それでも入学してすぐ目にした関学スポーツをきっかけに、「編集部だったら、庭球部や航空部などいろんな体育会に触れられる」と思い、関学スポーツへの道を選んだ。関学の広報誌として選手たちの活動を伝えていく。しかしその中で松木もまた、選手たちに元気と力をもらっているという。選手たちにエールを送りたい、大学スポーツの魅力を多くの人に伝えたい。そんな思いから、今回の企画を立案した。

関東と関西の大学スポーツ新聞の編集部は、年に1度、交流する機会こそあるが、こうした15校もの大学が手をつなぎ、一つの企画をしたことはない。「いまのこの状況に不安を感じ、何か力になれることがあればと考えているのは私たちだけじゃないって思ったんです」と松木。4月28日を最初に、各大学スポーツ新聞の編集部が作成したポスターを、そのポスターにこめた思いとともに、4years.でも紹介していく。

関西学院大学 関学スポーツ編集部

大学スポーツは無限大です。自分の努力次第でどこまででも強くなれる。意識や声掛けでチームが変わる。大学スポーツはそんな体験をもたらしてくれる存在です。新型コロナウイルスの影響で試合は中止または延期となり、いつになったらいままで通りの部活ができるのか、不安が募るばかりです。ですが、そんなときこそ、大学スポーツの無限大の可能性を信じて進むしかありません。私たち関学スポーツも、各部の活躍をみなさんに伝えられるようになったとき、思いっきり力を爆発させられるように準備をしておきます。

東洋大学 東洋大学スポーツ新聞編集部

東洋大学スポーツ新聞部では、大学スポーツとは「青春」だと考えました。運動部の一部分しか知ることはできませんが、各スポーツそれぞれの選手が一試合のためにあらゆる努力をしていることがその試合から伝わってきます。また勝ったときは自分のことのようにうれしくなり、負けたときは選手と同じように悲しくなる。そんな経験をさせていただいていることを通して、青春を感じさせてもらっていると思いました。そのことからこの言葉が当てはまるのではと考えました。

中央大学 中大スポーツ新聞部

みなさんこんにちは、「中大」スポーツ新聞部です。本来ならばあるはずだったリーグ戦や大会が中止、延期となり先が見えない状態が続いています。しかしこんなときだからこそ、静まり返った大学スポーツ界を少しでも盛り上げたい、活力を与えたいという思いでこのポスターを制作させていただきました。そしてこの想いが大学スポーツ関係者のみなさまにお届けすることができれば幸いです。Keep Going! 歩み続けていきましょう!

青山学院大学 青山スポーツ新聞編集局

私たち青山スポーツ新聞編集局は、大学スポーツとは「ドラマ」であると考えます。大学生活の4年間を自分たちの競技に捧げる選手たち。その選手一人ひとり、各部会のチームには試合だけでは見ることのできない、たくさんのストーリーがあります。そして、喜怒哀楽をともにした仲間たちと創りだすそれぞれのストーリーは、観客である私たちを大いに感動させます。大学スポーツは一人ひとりが主役であるドラマそのものです。この企画を通してより多くの人に大学スポーツの魅力が伝わればいいなと思います。

京都産業大学 京産大アスレチック

新型コロナウィルスの蔓延により多くの大会が中止や延期に追い込まれています。私達京産大でもクラスターが発生し、多くの方々に不安と心配を与えてしまいました。ですが、選手たちはできる限りの努力を重ね、来る日に備え、前を向いて頑張っています。京産大アスレチックは少しでも多くの京産大ファン、大学スポーツファンに明るい話題が届けられるよう活動して参ります。「青春の集大成」となる大会が無事開催され、スポーツの熱気が戻ってくることを心から願います。

法政大学 スポーツ法政新聞会

何事にも自分で取り組むのが大学スポーツの世界ですが、そのような環境でスポーツを続けるのは心身ともに簡単ではないことです。しかし、それでも「自律」し、ひたむきに努力を積み重ね、「進歩」を続ける学生たちが輝く場が大学スポーツであり、学生アスリートは、同世代の人々やこれからのスポーツ界の将来を担うような未来のアスリートのあこがれ、ロールモデルになれる存在です。難しい状況が続いていますが、来たるべき再開の日に、一人でも多くの方に大学スポーツのすべてを余すことなくお伝えできるように準備したいと思います。

関西大学 関大スポーツ編集局

こんなときだからこそ、大学スポーツは「希望」だと言いたい。今後のスポーツ界を担うのはこの困難を経験し、乗り越えたアスリート、特に大学スポーツという舞台で戦う選手たちだからだ。いままで、スポーツは人々に多くの「希望」を与えてきた。事態が収束し日常が戻ったとき、スポーツが前を向くきっかけとなってほしい。彼らが競技をする姿は、たくさんの「希望」となる。そして、私たちはその姿を伝えることで、「希望」を発信していく。

慶應義塾大学 慶應スポーツ新聞会

慶應スポーツ新聞会です。この度は、このような素敵な企画を計画された関学スポーツ様に感謝いたします。私たちは「大学スポーツが好きだ」という思いを込めて、「大学スポーツとは、歓びである。」とポスターに記載しました。「よろこび」は、うれしいという気持ちのことを指しますが、特に「歓び」という漢字には、歓声を上げるほどにうれしいことを指すのです。大学スポーツでは、多くの「歓び」の瞬間が生まれます。そのときの選手たちの輝いた姿を早く見たい、という思いからこの言葉を選びました。

近畿大学 近大スポーツ編集部

近大スポーツ編集部は、大学スポーツとは何かと考えたときに挑戦という言葉が合っていると感じました。その中でも、主に2種類の挑戦があると思います。一つ目は、プロへの挑戦です。近大にはプロやアマチュア、そしてオリンピックで活躍したいという志を持った選手が多く入学してきます。高校と比べ大学は競技のレベルが上がるため、他大学のみならず、部内でも厳しい争いが待っていますが、仲間としのぎを削り大学4年間で実力をつけるとともに、人間的にも成長し、次のステップを目指す選手にとって大学スポーツは挑戦だと思います。

二つ目は、新たな挑戦です。高校の部活動にないような競技が大学には多くあります。新たな競技に挑戦し、最後の学生生活を熱いものにしたいという志を持った学生が大学から新たな競技に挑戦しています。大学から新たな競技を始めるには相当な覚悟が必要ですが、地道に努力し競技に取り組む姿は取材している我々や観客の胸を打ちます。

現在は新型コロナウイルスの影響で全体育会が活動を自粛していますが、活動が再開し、1日でも早く近大生の挑戦する姿を見られることを願っています。

明治大学 明大スポーツ新聞部

明治大学では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、体育会も活動を自粛しています。尊い4年間の一部がこのような状況になり、もどかしい気持ちもあります。しかしいまだからこそ、私たちにできることがあると信じてこの企画に加わりました。明大スポーツは、最後の学生生活を全力で駆け抜ける選手たちを応援します。この取り組みが少しでも多くの人に元気を届けられることを願って――。みんなで協力して、この状況を乗り越えましょう。

立命館大学 立命スポーツ編集局

大学スポーツは学生主体が特徴です。学生自身が対戦相手を分析し、対策を練り、練習に取り入れ、それを試合で発揮する。その過程には、選手だけでなく学生スタッフの存在が必要不可欠です。マネージャー、アナライザー、トレーナー。一人でも欠けてしまえば万全なプレーはできません。目標に向かって突き進む全員が主役なのです。現在、新型コロナウイルスの影響で先行きの見えない状況です。これまで各部のみなさんが目標に突き進む姿を間近で見て、元気や勇気をもらっていたのだと改めて感じます。この状況が落ち着き活動が再開するころ、みなさんがくれた素晴らしい力を、私たち立命スポーツもより多くの人に与えていきたいです。

大東文化大学 スポーツ大東編集部

スポーツ大東編集部は、大学スポーツとは「表現力」と考えました。 試合では、選手が頼れるものはいままでの努力のみです。自身の努力をどれだけ強く発揮できるのか。それが勝負の分け目になることを、私たちは取材を通して感じます。また、スポーツに携わる人々の結びつきも、選手たちの一挙手一投足に込められた表現力というエネルギーによって培われていくのだと考えました。

同志社大学 同志社スポーツアトム編集局

ときには勝利に喜び、ときには悔しさに涙する。選手達は日々努力を重ね、それを支えるサポーターがいる。彼らが一体となり、生み出す「かがやくとき」を、学生全体で共有できることが、大学スポーツの醍醐味であると私たち、アトム編集局は考えます。いずれは大学という枠組みを超えて、国民全員が一喜一憂し、感動できる瞬間を届けたいという思いを込めて、この言葉を選びました。一日でも早く、スポーツに熱狂できる日が来ることを心から祈っています。

早稲田大学 早稲田スポーツ新聞会

大学スポーツはまさに「十人十色」。プロを目指す選手もいれば、大学で競技に区切りを付ける選手、また選手を途中で諦めスタッフやアナリストに転向する人などさまざまです。部活がチームとして同じ目標に向かって進んでいる中で、各個人がそれぞれ違ったビジョンを持っている、この「十人十色」の差に注目すると大学スポーツをより楽しめると思います。私たち早稲田スポーツ新聞会は、これからも大学スポーツという「十人十色」のストーリーを伝えていきます。

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