大学野球

特集:東京六大学 2020真夏の春リーグ

明治大野球部・田中武宏監督、顔ぶれ変わるが選手たちの成長に期待

昨シーズン、明治大は春季リーグを制し、続く全日本大学選手権で大学日本一に輝いた(すべて撮影・佐伯航平)

明治大野球部では昨秋シーズンを最後に善波達也前監督が勇退し、2011年から9年間コーチを務めてきた田中武宏さん(59)が今年1月、新監督に就任した。春季キャンプは2月だったため順調に消化できたが、Aチームのオープン戦は予定していた23試合のうち8試合が中止に。新体制で臨む最初のリーグ戦を前にした4月5日からは活動を停止している。「活動を再開した5月に選手たちがどういう状態になっているか、そこで様子を見ながらですね」と田中新監督は現状について話す。

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昨春も野手はゼロからのスタートだった

昨年、投手陣を引っ張った森下暢仁(まさと、現・広島東洋カープ)、伊勢大夢(ひろむ、現・横浜DeNAベイスターズ)の2人がプロ入りを果たした。野手陣も添田真海(まなみ、現・日本通運)、北本一樹(現・東京ガス)、喜多真吾(現・日本製鉄かずさマジック)らが卒業し、今春、スタメンの顔ぶれは大きく変わる。それでも田中監督は、コーチ時代から指導してきた選手たちの成長に手応えをつかんでいる。

「去年の春だって、野手に関してはリーグ戦実績がほとんどない選手ばかりで、ゼロからのスタートみたいなものでしたから」

一昨年秋のレギュラーにも4年生が多く、昨春も顔ぶれが大きく変わった中で臨んだリーグ戦だった。開幕戦こそ黒星スタートだったが、2戦目以降無傷の10連勝で5季ぶり40度目のリーグ優勝。続く全日本大学選手権も制し、大学日本一に輝いた。

どこも初めてだから戦い方も分からない

今年のチームには昨年の森下のような絶対的エースはいないが、「3~4人かかってでも抑えたらいい」と田中監督は言う。投手陣を引っ張る存在として期待を背負うのが入江大生(たいせい、4年、作新学院)だ。入江は昨秋、規定投球回数には届かなかったが、チーム最多の8試合に登板し、防御率0.82をマークした。昨春6試合に登板し、4勝を挙げた竹田祐(3年、履正社)もエースの座を狙う。左腕の磯村峻平(3年、中京大中京)、宮内大河(3年、山梨学院)も登板機会をうかがう。

打線では、丸山和郁(3年、前橋育英)、陶山勇軌(3年、常総学院)の1、2番がチャンスメークし、主将の公家響(4年、横浜)、市岡奏馬(4年、龍谷大平安)、岡本伊織(2年、創志学園)らが中軸でかえす役割を担う。高い素質を持つ1年生も入部しており、「対戦相手によっては1年生もスタメンに使うかもしれません」と田中監督は話す。

打線では丸山たち上級生に加え、新人にも期待がかかる

1試合総当たり制となる今春リーグ戦は、一戦一戦の重みが例年以上に大きくなる。「どういう順番で対戦するか分からないですし、まだ何とも言えません。どこも初めてだから戦い方も分からない。選手たちにリーグ戦実績がない分、対戦相手から見たら、うちが一番、誰が出てくるか読めないんじゃないですかね」。田中監督は春のリーグ戦について自信を見せる。

善波前監督はチームを率いた12年間で9度のリーグ優勝、3度の大学日本一(全日本大学選手権優勝1度、明治神宮大会優勝2度)という実績を挙げた。田中新監督は「プレッシャー以外、何もないですよ」と苦笑する。

2020年のチームスローガンは「継勝」。善波前監督から田中新監督へ受け継がれた明治の「人間力野球」で、昨秋逃した覇権奪回に挑む。

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