大学陸上・駅伝

連載:NGT48西村菜那子の大学陸上ココに注目!!!!

あの感動をもう1回語りたい。2019年の関東インカレをプレイバック!

大会のない春、皆さんはどう過ごしていますか?(撮影・齋藤大輔)

「駅伝に詳しすぎるアイドル」として陸上ファンも一目置くNGT48西村菜那子さんのコラムです。今回は、昨年の春を振り返って、関東インカレで印象に残った選手とエピソードについて語ってくれました。

陸上の春シーズンといえば、関東インカレ

みなさんこんにちは。陸上の春といえば、本来はトラックシーズンですよね。私も例年、この時期は積極的に観戦に行くことをとても楽しみにしています。毎年5月には、正月のお茶の間を沸かせた箱根ランナーたちがこぞって集結する大会があります。関東学生陸上競技対校選手権大会(通称:関東インカレ)です。

今年は5月21日~24日の4日間、神奈川県の相模原ギオンスタジアムで開催予定でしたが、残念ながらコロナウイルスの影響で延期となりました。関東の大学生ナンバーワンを決めるこの大会が延期となり、陸上ファンとしては寂しい気持ちがつのります。

実は昨年、私は母親と一緒にこの関東インカレを現地で観戦しました。自分と同い年の選手が4年生として最後のインカレへ挑む姿はとても印象に残っています。今回は現地で実際に観戦することによって感じたことや、当時の思い出の中から、特に印象に残っている前回大会のレースを2つ紹介します。

強気の宣言通りの優勝!

1つ目は男子1部・3000mSC決勝です。この種目での大本命は前々回、前回大会で優勝し、3連覇を目指す法政大・青木涼真選手(当時4年)でした。しかし青木選手は惜しくも2位に。青木選手を抑えて優勝を果たしたのは、東海大・阪口竜平選手(当時4年)でした。

阪口選手(中央)はスタートから先頭を譲らず、レースを引っ張ります(撮影・藤井みさ)

実は阪口選手、前日に自身のTwitterでこうつぶやいていたのです。「明日は関東インカレの決勝です。優勝してきます。」私はこのツイートを見たとき、「心が強い人だなぁ」と思ったのを覚えています。不特定多数の人が見るSNSで「優勝してきます」と発言するのはとても勇気がいることだと思うのです。

当日、初めて現地で阪口選手の走りを見たのですが、宣言通りの強い気持ちが全面に出ていました。レースの序盤から先頭に立ち、先頭を譲ることなく障害を飛び越えていきます。前回王者として負けじと優勝を目指す青木選手と、終始レースの先頭に立っていた阪口選手との間で繰り広げられたラスト直線のデットヒートは、皆さまの記憶にも強く印象に残っているかと思われます。白熱した戦いの結果、わずか0.27秒差で阪口選手が先着し、見事優勝を勝ち取りました。

最後の直線を制したのは阪口選手でした(撮影・藤井みさ)

阪口選手のSNSは前向きな言葉がとても多い気がします。そして「優勝」「勝ちます」と言った、強気な言葉で自分自身にもプレッシャーをかけて、勢いづけているようにも感じます。そういった精神がスポーツ選手らしいというか、気持ちの強さを個人的に同い年としても大変尊敬しています。昨年の1、2位の選手が卒業した今年の3000mSCでは、どんな新しいヒーローが生まれるのかすごく楽しみです。

役者揃いの2部5000m、気になったのは……

2つ目は男子2部5000m です。この種目では、抜群のタイムを持つ留学生ランナーの他に、駒澤大期待のルーキー、田澤廉選手(当時1年)、國學院大からは浦野雄平選手(当時4年)、帝京大からは島貫温太選手(当時4年)、遠藤大地選手(当時2年)などそうそうたる顔ぶれが揃いました。

優勝したのは桜美林大学のレダマ・キサイサ選手(当時4年)。続く2位は東京国際大学のイェゴン・ヴィンセント選手(当時1年)。

ヴィンセント選手(15番)は箱根駅伝3区でも驚異の区間新でした!(撮影・藤井みさ)

両者のラスト一周での競り合いは、まるで短距離を走っているかのようなすさまじいスピードでした。共に観戦した母親と一緒に驚いたことを覚えています(笑)。こういった世界レベルの選手の走りを生で見られるのも関東インカレの醍醐味ですよね。

日本人トップ・浦野雄平選手に見た4年間の快進撃

日本人トップに輝いたのは國學院・浦野雄平選手でした。浦野選手は序盤から留学生ランナーが形成する先頭集団につき、レースを進めていきました。途中、留学生ランナーから離されるものの、日本人トップは譲ることなくそのままゴールしました。

なぜ、浦野選手が日本人トップとなった瞬間がとても印象に残っているかと言いますと、浦野選手の4年間の快進撃そのものが現れていると感じたからです。

最後まで留学生に食らいつき、強い気持ちを見せた浦野選手(撮影・藤井みさ)

2019年の箱根駅伝5区区間新記録と華々しい活躍もあり、一気にその名を広めた浦野選手。そんな浦野選手の大学入学時5000m持ちタイムは14分36秒81。これは同時期に入学した学生の中では169番目のタイムでした。もちろん素晴らしいタイムなのですが、大学4年間でスピードを磨き、最終的には13分45秒94と自己ベストを大いに更新しました。このタイムは、今年大学を卒業した日本人の同学年の中で上から8番目のタイムです。

数字を見て分析するのが好きな私は、入学時からタイムをよくチェックしていたこともあり、浦野選手の成長ぶりにすごく感動しました。自己ベストを更新し続け、最後の関東インカレでは日本人トップになったところに、浦野選手の学生時代の努力そのものが感じられました。浦野選手のように、大学でさらに花咲く選手がこれからもたくさん現れたら嬉しいなと思います。

以上、私が特に印象に残った2つのレースを紹介させていただきました。昨年、関東インカレを現地で観戦できて本当に嬉しかったです。現地観戦は、大会から活気、選手から元気をもらえます。今はまだ難しいですが、またスタジアムで学生ランナーの挑戦や活躍を観られる日がくることを願って、そしてこの記事を読んでくださっている皆さまとお会いできることを願って、私も毎日を過ごしています。

NGT48西村菜那子の大学陸上ココに注目!!!!