ついに陸上シーズン開幕! ホクレンの好記録と、これからのことを思って
「駅伝に詳しすぎるアイドル」として陸上ファンも一目置くNGT48西村菜那子さんのコラムです。今回は、7月4日から開催されたホクレン・ディスタンスチャレンジで印象に残った選手と、開幕した陸上シーズンについて寄せる思いです。
好記録にわいたホクレン、みなさんは見ましたか?
みなさん、こんにちは。
「ホクレン・ディスタンスチャレンジ 2020」が、今月、開催されました。7月4日の士別大会から7月18日の千歳大会まで、全4戦。北見大会は中止となってしまったものの、無事に開催できたこと自体を、いち陸上ファンとしてとても嬉しく思います。前回、「次回は私の印象に残った選手を書きます」とお伝えしたものの、シーズン再開を受けて今回はこちらについて書かせていただきます(印象に残った選手も、また書きたいと思っています)。
久しぶりの陸上レースは好記録連発の歴史に残る名大会となりましたね。YouTubeでLive配信があったので私も視聴していたのですが、力強い選手の記録ラッシュにとても驚きました。ここに簡単にではありますが、主な結果をまとめてみます。
・田中希実選手(豊田自動織機TC)
1500m:4分8秒68(士別大会、日本歴代2位)
3000m:8分41秒35(深川大会、日本記録を18年ぶりに更新)
・萩谷楓選手(エディオン)
3000m: 8分48秒12 (深川大会、日本歴代3位)
5000m:15分05秒78(網走大会、日本歴代6位)
・一山麻緒選手(ワコール)
5000m:15分6秒66(千歳大会、日本歴代8位、自己記録を17秒更新)
・三浦龍司選手(順天堂大学1年)
3000mSC:8分19秒37(千歳大会、日本歴代2位。日本学生記録を41年ぶりに更新。U20日本記録を37年ぶりに更新)
・吉居大和選手(中央大学1年)
5000m:13分28秒31(千歳大会、U20日本記録を15年ぶりに更新)
・石田洸介選手(東農大二高3年)
5000m:13分36秒89(千歳大会、高校記録を16年ぶりに更新)
・遠藤日向選手(住友電工)
5000m:13分18秒99(千歳大会、日本歴代7位。自己記録を9秒更新)
・山口浩勢選手(愛三工業)
3000mSC:8分25秒04 (千歳大会、日本歴代5位)
・青木涼真選手(HONDA)
3000m SC:8分25秒85 (千歳大会、日本歴代6位)
・服部勇馬選手(トヨタ自動車)
10000m:27分56秒32 (網走大会、自己記録を12秒更新)
その他にも5000mで14分を切る選手、自己ベストを塗り替える選手が多数。こんなにも記録が出た大会は過去にあったのだろうかと思うほど、本当に“濃い”レースでした。
そして、この大会が大学、実業団に入っての初レースとなった選手も多くいらっしゃいました。選手が新しいユニフォームで走る姿はとても新鮮で温かい気持ちになります。
3000m障害で驚きの記録!
私が特に印象に残っているのはやはり三浦龍司選手。この記録には本人が何より1番驚いているように見えました。順天堂大学陸上競技部のTwitterアカウント(@juntendo_ekiden )に載っていた三浦選手のレース後のコメント動画にもその様子が伺えました。
約1年前に行われたインターハイ2019がつい昨日のことのように感じます。今回は当時競り合ったフィレモン・キプラガット選手(現・愛三工業)を抑えての1位でした。
昨年のインターハイではキプラガット選手が8分43秒42で1位、三浦選手が9分12秒42で2位とキプラガット選手の圧勝。ですが、今回は当時のキプラガット選手のタイムを大幅に超えた上での優勝に、YouTubeのLive配信のコメント欄では三浦選手の走りを賛称する声で溢れていました。
三浦選手は、同じく3000m SCで活躍した塩尻和也選手(富士通)に強く刺激を受け、この春に塩尻選手の母校である順天堂大学へ入学しました。塩尻選手は大学時代にリオデジャネイロオリンピックに出場するなど、当時学生唯一のオリンピアンとして大学陸上界を牽引してきました。三浦選手も塩尻選手のように学生オリンピアンとなり、陸上界を盛り上げていく1人となると私は信じています。
三浦選手だけでなく、今回の大会には多くの1年生ランナーの活躍が目立ちました。スーパールーキーたちが駅伝シーズンにどう活躍してくれるのか、私の中でまた楽しみが1つ増えました。
前を向く姿に勇気をもらって
実はこの外出自粛期間、私のもとに「大会が次々と中止になって陸上のモチベーションが保てません」「このやるせない気持ちをどうしたらいいかわからない」と、高校生の選手から悩みのメッセージが届いたことが何度かありました。
このメッセージの返答を個人的に私から返すことはできないのですが、今回のホクレンディスタンスは、そんな悩んでいる中高生の選手にとって大きな活力になったのではないかと思いました。大学生や社会人選手が陸上に励む姿、記録を更新する姿は、中高生選手に勇気を与え、背中を押してくれたことでしょう。
少しずつ陸上界も記録会や大会が始まり、日常に戻りつつあります。決してまだ油断はできませんが、前へと向かっているのは確かです。これからもみなさんと一緒に陸上の思い出をたくさん作っていけたらと思います。
余談ではありますが…
NGT48が7月22日に5枚目のシングル「シャーベットピンク」を発売しました。ぜひみなさんたくさん聴いて、夏の思い出の1ページにしてくださいね。
今回も読んでくださり、ありがとうございました。