今後の駅伝を占う!? 10000m記録挑戦競技会で気になった選手たち!
「駅伝に詳しすぎるアイドル」として陸上ファンも一目置くNGT48西村菜那子さんのコラムです。11月23日にあった「10000m記録挑戦競技会」に足を運び、つづってくれました。
記録会に行ってきました!
11月23日に慶應義塾大学日吉陸上競技場で「10000m記録挑戦競技会」を観戦してきました。このレースは年末の富士山女子駅伝や年始の箱根駅伝に出場する大学の選手にとって、出走メンバーに入るためのアピールにつながる大事な記録会なのです。
同じ日に法政大学多摩キャンパス陸上競技場では、学生のほかに有力な実業団選手も走った「八王子ロングディスタンス」もありましたね。どちらを観戦に行くか迷った方もいらしたのではないでしょうか?
当日は気温が低く、あいにくの雨。選手の方はもちろん、運営スタッフのみなさん、観戦に来られた方々が風邪をひいてしまわないか心配なくらいの寒さでした。
その日は夕方から握手会があったのですが、何とか男子7組と女子1組のレースを観戦させていただきました。
明治のエース阿部選手が復帰!
男子の7組には明治大学のエース、阿部弘輝選手(4年、学法石川)も出場。阿部選手は7月にけがをしてしまい、箱根駅伝予選会や、全日本大学駅伝は出場を回避してきました。久しぶりに走る姿を見られて、陸上ファンの方もうれしかったことだと思います。私もその1人です^ ^。
阿部選手の10000mの自己ベストは、昨年の八王子ロングディスタンスで叩(たた)き出した27分56秒45。大学4年生の選手の中でトップの記録を持っています。今回は設定タイムが29分0秒〜29分10秒の7組にエントリーし、阿部選手にとっては余裕があるタイムでのレースで、復帰戦を走りきりました。
結果は2着。1着は同じ明治の後輩である金橋佳佑選手(2年、札幌山の手)で、自己ベストを更新する力強い走りでした。金橋選手だけでなく、明治はこの記録会でなんと15人の選手が自己ベストを更新。全日本大学駅伝では14位と悔しい結果になってしまいましたが、箱根駅伝では強い明治の復活を期待しています。
26年ぶり箱根出場の筑波大にも注目
またこの組には、私が注目している大学のひとつ、筑波大学の選手も出場していました。筑波といえば、箱根駅伝第1回大会の優勝校。近年は箱根駅伝から遠のいていましたが、2011年から「箱根駅伝復活プロジェクト」が立ち上がり、今年ついに予選会を突破。26年ぶりの本戦出場を決め、いま陸上界から熱い注目が集まっているチームです。
4着でフィニッシュした大土手嵩(しゅう)選手(3年、小林) をはじめ、杉山魁声選手(2年、専大松戸) 、小林竜也選手(1年、水城)は自己ベストを更新する走り。ほかの組の選手も好調な走りを見せ、筑波も13人と多くの選手が自己ベストを更新しました。
よくないコンディションにも関わらず、いい結果を残す選手たちの力強い走りに、監督やコーチ、応援に来ていたファンのみなさんも活気づいたように感じました。
選手の足元は……
男子のレースを見て思ったのは……。ヴェイパーフライの着用率!!! ヴェイパーフライとは陸上ファンのみなさまならごぞんじ、スポーツブランド「NIKE」から発売されている厚底が特徴のシューズです。いま、長距離界で最も履かれているシューズなのではないでしょうか。マラソン日本新記録を打ち立てた設楽悠太選手(東洋大~HONDA)と大迫傑選手(早稲田大~ナイキ)が着用しているのを始め、多くの選手たちが愛用しています。
さらに余談ですが……。9月の「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の録画を私の自宅でNGT48のメンバーと見たことがありました。その際にあるメンバーから「靴って指定があるの? みんなピンクの靴を履いてるね」と言われました(笑)。
マラソン選手だけでなく、今年の出雲駅伝や全日本大学駅伝を見ても、学生ランナーの多くが着用していることが分かります。選手の走りはもちろんですが、シューズやウェアに注目してみるのもひとつの楽しみ方ですよね。
富士山女子駅伝に出場する女子にも注目!
続く女子の1部では、大阪学院大学の野崎光選手(1年、宮崎日大)が1着でゴール。11月17日の静岡県中距離強化記録会では5000mで自己ベストを更新し、勢いのある野崎さん。1年生とは思えない堂々とした走りでした。
大阪学院大のチームスローガンは「一日一走一汗を実践する」。その言葉通りの走りを披露していました。富士山女子駅伝での走りが楽しみな選手のひとりです。
2着には順天堂大学の髙橋優菜選手(3年、盛岡第四)が入りました。3000mSCで輝かしい成績を持つ髙橋選手ですが、10000mでも安定した走りを見せてくれました。昨年、私が富士山女子駅伝のお仕事に携わった際に知ったことなのですが、髙橋選手の誰にも負けない強みは、自分のペースを大きく乱さないことだそうです。その安定感が、3着でゴールした後輩の二川彩香選手(1年、水城)の支えにもなっていたのではないでしょうか。
もうひとつ、髙橋選手のプチ情報を。普段とても気さくでフレンドリーな性格なのですが、いざトレーニングに入ると近づけないくらいにかっこいいモード(?)にシフトチェンジされるようです。そんなところから後輩に慕われ、尊敬されている存在だとチームメイトからの声が出ていました。
男女ともに盛り上がりを見せている駅伝シーズン。富士山女子駅伝、箱根駅伝まで約1カ月となりました。大学駅伝の集大成である両大会にかける選手たちに、これからも注目していきたいと思います。