杜の都への切符をかけた関東大学女子駅伝の応援に行ってきました!
いよいよ学生駅伝シーズンが近づいてきましたね! 男子はおなじみ出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝の三大駅伝。女子は全日本大学女子駅伝と富士山女子駅伝(全日本大学女子選抜駅伝)です。女子も年々盛り上がってきています。10月27日に迫った「杜(もり)の都」全日本大学女子駅伝の出場権をかけた関東大学女子駅伝の応援に行ってきました!
関東大学女子駅伝は9月29日、千葉県印西市の千葉ニュータウン周回コースで、6区間29.9kmで争われました。それぞれの区間は1区4.8km、2区3.3km、3区5.6km、4区3.9km、5区6.7km、6区5.6kmです。
昨年の全日本大学女子駅伝で入賞してシード校となっている大東文化大、東京農業大を除く上位6校が、10月27日の全日本大学女子駅伝に出場できます。周回コースなので、移動しながら何度か応援できます。部員、卒業生、チーム関係者が沿道に分かれて応援しつつ、タイム差や戦況を選手に伝えます。
城西大が8年ぶりの優勝
今年は城西大が優勝! 1区から3区まで1年生を並べて首位に立ち、4~6区は4年生が力走。2位の日本体育大に1分1秒差をつけ、8年ぶりに関東大学女子駅伝を制しました。城西大の女子駅伝部といえば、昨年から赤羽周平監督、赤羽有紀子コーチが夫婦で指導されています。お二人は城西大のOB、OGです。過去に全日本大学女子駅伝で優勝2度、準優勝2度の実績を誇る城西大。杜の都に向けて、注目が高まります!
昨年の全日本大学女子駅伝、富士山女子駅伝でも2位に入っている大東文化大は3位。7月のユニバーシアード女子ハーフマラソンの金メダリストである鈴木優花選手(2年、大曲)が3区で区間新記録を樹立する力走で順位を上げました。
大東文化大学といえば3000m障害で6月の日本選手権で優勝を飾ったルーキー吉村玲美選手(白鵬女子)にも注目ですね! 急きょ追加で代表に決まったドーハ世界陸上に出場したため、関東大学女子駅伝は吉村選手不在での戦いでした。杜の都、富士山での力走に期待したいです!
レース後、監督やコーチのみなさんにも話を聞いてきました。話をうかがえたみなさんのコメントを紹介します。余談ですが、スポーツ記者の方、陸上雑誌のライターさんは、駅伝のときどうやって取材して回っているのだろう? と勉強させていただいた1日でした(笑)。
城西大学「日本一になろう」とやってきた
まずは優勝した城西大の赤羽周平監督です。「アンカーに渡った時点で10秒ちょっとの差でしたが、最初の1~2kmで20秒以上に開いて、いけると思いました。5区の小笠原晴季(4年、市立船橋)のところで 大東大、日体大と力のある選手がいる中、よく走ってくれました」。1区から3区まで1年生を並べて、3区で首位に。「(1年生3人は)プレッシャーのある中、いい走りをしてくれました。いまの1年生は『4年生になったら日本一になろう』と声をかけて入学してきた選手たちです。意識が高くて、練習から上級生に挑戦していくので、チームの雰囲気はとてもいいですね」
昨年はメンバー6人をそろえるのがギリギリだったのが、「今年は補欠も含めてメンバー争いが熾烈(しれつ)です」とチーム内の競争が激化したようです。杜の都に向けては「あと1カ月でいきなり強くなるわけではないので、より丁寧に、そしてもう一回レギュラー争いです」。最後に指導をする上で心がけていることを聞いたところ「必ず毎日、一人ひとりと話をしてます。コミュニケーションを大事にしてます」と教えてくれました。
2年ぶりに全日本出場を決めた中央大
中央大の鈴木智香子コーチにも取材しました。ユニバーシアード女子10000m銀メダリストの五島莉乃選手(4年、星稜)を5区に配置。前半で少し離されても3区以降で挽回(ばんかい)できる後半型のオーダーを組んだそうです。
鈴木コーチの読みが当たり、2区終了時点で16位でしたが、3区から怒涛(どとう)の追い上げ! 5区では五島選手が圧巻の走りを見せます。6.7kmの5区で区間2位に53秒差をつける区間新&区間賞の激走で、9位から5位へ! 6区でさらに順位を上げて4位でフィニッシュ!
女子長距離部員が7人と少数精鋭の中大。「選手層が薄いので、けがしないのが大前提です」と鈴木コーチ。けがを防ぐには「とにかくコミュニケーションをとり、自分の体を理解し、練習の意図を理解するのが大事ですね」と話してくれました。
「(杜の都では)選手たちがそれぞれ輝けるような走りをしてほしい」と話されていたのが印象的でした!
東農大はエースの復帰レース
昨年の関東大学女子駅伝で初優勝を飾った東京農業大は6位でした。「合宿の疲労が残っていて、流れもよくなかったですね」と、長田千治監督がレースを振り返ってくれました。
エースの棟久由貴選手(4年、西京)は2017年のユニバーシアードハーフマラソン金メダリスト。故障の影響もあり、昨年の杜の都以来約11カ月ぶりの復帰レースだったそうです。
棟久選手の復活がチーム浮上のカギを握ります。「杜の都ではシード権獲得、5番以内を目指します」と、長田監督は明るく話してくれました。
拓殖大、2年連続の杜の都へ
拓殖大は7位に入り、2年連続で杜の都行きを決めました! 五十嵐利治監督は開口一番で「ヒヤヒヤしました!」。4位で走るシーンもありましたが、順位を落としました。2区ではルーキーの牛佳慧選手(浜松開誠館)が区間新&区間賞の快走でした。
昨年の富士山女子駅伝の1区で区間賞をとった佐野英里佳選手、1500mで日本インカレ決勝を走ったスピードランナーの八田ももか選手にも注目です。
創部2年目で関東大学女子駅伝初出場、帝京科学大
髙田由基駅伝監督は「いい雰囲気で大会に臨めました。思い切りのびのびと走ることで、いまの力は出せたと思います。順位こそ11位(出場権獲得まで三つ)ですが、その差はまだまだ大きいです。次回、まずは一桁順位を目指し、地道に力をつけていきます。そのためにもチーム内競争がさらに熾烈(しれつ)になっていくといいですね」。髙田監督も「びっくりしました!」と評した1区4位の上村栄奈選手をはじめ、来年以降にも注目です。
亜細亜大、流れにうまく乗れなかった
13位だった亜細亜大学の岡田晃監督は「チームとしては12位が目標でしたが、流れにうまく乗れませんでした。今後は、5000mの経験がまだあまりないので、記録会にも出場していきます」。1区を任せられる選手を育成し、キャプテンでエースの田中優花選手を長い距離の区間に配置できるようなチームにしていきたいと、来年への展望も話してくれました。
選手の家族、高校時代の先生、友人や先輩・後輩、大学の男子部員、陸上部のOB会などなどのみなさんが、沿道で熱い応援をされていました。目標通りの走りができた選手も、悔しい結果だった選手もいたと思いますが、フィニッシュとなった原山中学校では温かい拍手が起こっていました。女子駅伝、これからも注目していきたいですね!