M高史×西村菜那子の箱根駅伝直前、陸上大好き対談【往路】「給水ってすごい!」
ともに「4years.」で連載を持つNGT48西村菜那子さんと、ものまねアスリート芸人・M高史さんの対談が実現しました! 「陸上大好き」「駅伝愛」の共通点を持つ二人が、箱根駅伝を前に余すところなく語り合ってくれました。それでは往路(前編)のスタートです!
【1区】じっくり話すのは初めてなんです
M高史(以下、M):今回の対談は僕が「西村さんと語り合いたい」と提案して、実現してもらいました。よろしくお願いします!
西村菜那子(以下、西村):よろしくお願いします!
M:西村さん、お忙しいと思うのにかなりの頻度でコラムを書いてますよね。
西村:舞台の合間に書いたりしてます。あとはスケジュールを見て、このあと忙しくなるから2本分書いておこう、とか。ストックしたりもしてるんです。
M:さすがです。
西村:でも、Mさんもずっと書かれてますよね。ネタ切れしませんか?
M:去年「4years.」がスタートしたときにお話をいただいて、当初は箱根駅伝が終わるまで、ということだったんです。そのときに駒澤大学のマネージャー生活で経験したことをすべて注いで書いちゃいました。その後も続けられることになったときに「ネタがないぞ」と(笑)。
自分の経験だけだと底をついちゃうから、僕と同じようにマネージャーを経験された方にお話を聞きに行って、あとは実際に陸上部に行って「走って体験しちゃおう!」と思って。ありがたいことにたくさん取材させていただいて、いまネタがたまってます。基本的には、ゲストランナーで行く方面に合わせて取材先を考えます。でもそうすると、毎日ポイント練習が続いちゃったりなんかもします(笑)。
西村:それはつらそう。けがしたらお仕事もできなくなっちゃう! 気をつけてくださいね。
M:ケアはしっかりしてます!
西村:いままで取材に行った中で、練習がキツかったのはどこの大学でしたか?
M:國學院大學ですね。僕とはレベルの差がありすぎました。ペース走だとなんとかなるときもありますが、インターバルになると皆さん1km3分で余裕なんですよ。
西村:そんなのついていけないですね!
M:あとは、桜美林大学のキサイサ選手もすごかったです。そもそも周回遅れになったんですが、次にキサイサ選手と一緒になったタイミングでついていこうとしたら、風のように去っていって、5mもつけなかったです(笑)。
【2区】給水要員って、めちゃくちゃ大変なんです
M:僕はやっぱり主務をしてたこともあって、いまでも駅伝を見るときに裏方の動きを常にチェックしちゃいますね。
西村:以前、両角(速)さん(東海大陸上部監督)の本を読んだら、『給水する人を走る選手に選ばせる』って書いてあったんです。それ以来東海大は誰が給水してるのかなってチェックしちゃいますね。選手の関係性が分かるなって思って。希望の選手がかぶったらどうするんだろうって思ったりもします(笑)。
M:僕は実際に給水もしたんですが、本当に緊張します。自分のステージより緊張します!
西村:そんなにですか!?
M:自分のステージは失敗しても自分の責任ですけど、給水は失敗したら2000%自分のせいで、相手に迷惑をかけちゃうんで……。それに、選手にぶつかってもいけないし、遠いと取りにくいし。すぐに飲めるように水とスポーツドリンクのボトルのフタを開けて待ってて、さらにすぐ電話に出られるようにもスタンバイしておかないといけないんです。
西村:えー! 電話にも?
M:監督からの指示を伝えることもあるんですよ。あとはタイム差を測って、これも伝えますね。
西村:すごい気を遣いますね!
M:しかも、給水したあとは後ろから(運営管理車で)大八木監督が来て、「どこと何秒差だ?」って聞かれるんです。適当なこと言えないので、タイム差も正確に計測します!ちなみに、給水の要項には「チームが認めた関係者」とあるので、西村さんもどこかのチームにお願いされれば給水要員になれますよ。1km3分を切るペースで走らないとダメですけど。
西村:無理だ~。絶対無理です! 見て楽しみます(笑)。
【3区】駅伝は4年生の力が大事
西村:私はいま22歳で4年生と同じ年なので、今年はとくに応援してる代なんです。いちど田村和希さん(青山学院大~住友電工)とお会いしたことがあるんですが、下級生だったころのことについて「4年生がこのあと控えてると思うと、失敗してもどうにかしてくれると思ったから、爆発的な力を出せました」っておっしゃてたんです。4年生って大事なんだな! って思います。
M:各大学の監督さんも「大学スポーツは4年生の力が最も大事」「4年生で最高地点に」ということをおっしゃってますよね。知名度・認知度がまだ箱根常連校ほどじゃない大学、たとえば2年連続して箱根の予選会で次点だった麗澤大学なんかは、そういう中で強化してきてると思います。難波天(たかし)選手はいま3年生ですけど、山川監督が初めて高校で声をかけた時点では5000m16分台の選手だったそうです。それがどんどん成長してる。4年生になったら、さらに楽しみですね!
西村:私は、高校時代のタイムといまのタイムを比較するサイトをけっこう見たりするんですけど、國學院の浦野君の伸び率がすごいっていうのを見ました。
M:前田監督は駒澤出身で僕の先輩ですが、國學院って最近までいわゆる「中堅どころ」と言われてて。でも4年間かけて無名選手を育て上げた実績を評価されて、高校の先生が将来性のある選手を送ってくれるようになったみたいです。いまキャプテンをしている土方選手も埼玉栄高校ですけど、同級生の館澤選手と中村大聖選手にスカウトが集中したそうなんです。土方選手は当時5000m14分43秒で目立ってなかったけど、先生が紹介してくれたと聞きました。
西村:土方選手は3年生からキャプテンもやってて、すごくしっかりしてますよね! 服部翔太さん(日体大~ホンダ)もそうでしたけど。
M:僕のときだと、僕の一つ下の安西(秀幸)君(駒沢大~JAL~日清食品、引退)が3年生から駅伝キャプテンでした。今年の都道府県男子対抗駅伝で福島チームの監督を務めてましたね。僕が4年生のとき、駒澤は全日本大学駅伝で優勝したんですけど、実は4年生は一人も走ってないんです。
西村:4年生が一人もいないなんて、そんなことあるんですね。
M:そうなんです。でもその年の箱根は、安西君が直前で体調を崩して、1年生だった宇賀地(強)君(コニカミノルタ)がいきなり2区になって、総入れ替えでバタバタになっちゃって、7位だったんですよ。僕たちの代がもっと安西君を支えられればよかったんですけど……。で、次の年に安西君たちが4年生になったら優勝してるんです。やっぱり4年生がしっかりしたら強くなるんだなって実感しました。
【4区】マネージャーは、走りたくなっちゃう?
西村:Mさんが思う、「スーパー主務」ってどなたかいたりしますか?
M:青山学院大が初優勝した時の髙木(聖也)さん(現・神野大地選手のコーチ兼マネージャー)とか。あと、これは年明けの記事で書くんですが、鹿児島実業高校、山梨学院大学、トヨタ自動車とマネージャーをされてる、僕と同い年の辻大和さん。35歳でマネージャー歴20年です(笑)。
西村:20年!
M:本当にマネージャーとして素晴らしい方で、話を聞いて僕の人生も変わるぐらいでした! でも主務の方はみなさん礼儀正しくて、悪い人を見たことがないんです。あとこれはマネージャーあるあるなんですが、「ずっと支える、側にいる人」と「なんか走りたくなる人」の二通りいるんですよ。
西村:走りたくなるんですか?
M:マネージャーって、もともと選手だった方が多くて。以前話を聞いた早稲田の主務だった行場竹彦さんは、主務のあとブランクを経て、100kmマラソンの世界大会銀メダルまで獲得されているという。3年ぐらい競技から離れて、傷も癒えて、走ると「楽しい」って思えちゃうんですよね。
西村:プレッシャーもないですよね。
M:そうなんですよ。楽しくなっちゃって。ほかにも調べてみると走ってる人は多いですね。立命館大学の主務の福島さんはサロマ湖100kmマラソンにも出場してます。丹後駅伝が終わって引退したので、いまは部の練習に合流してるらしいですよ。
【5区】求む!? 踊れるランナー!
西村:長距離やってる人って、ユニークな人が多いですよね…!
M:西村さんは走らないんですか?
西村:走らないです! バレエはずっとやってましたけど、走ろうとは思わないですね。
M:僕らからしたら踊れるのもすごいと思います。僕が踊ったら、たぶんすごい固くなりますよ。
西村:なんか、踊れるランナーってちょっと気になりますけど(笑)。
M:川内優輝選手が阿波おどりをしてる動画を見たことありましたが、、踊るときも全力!まさに現状打破されてました(笑)。
西村:優勝したチームの選手たちに、みんなでダンスを踊ってみてほしいです。
M:優勝したのにそれじゃ、罰ゲームになっちゃいますよ(笑)。
西村:踊れるランナー、いるんですかね? 気になります(笑)。
あす掲載予定の【復路】(後編)では、大八木監督のマル秘(!?)エピソード、実現してみたい大会など、陸上愛あふれる二人のトークが炸裂します!