陸上・駅伝

連載:NGT48西村菜那子の大学陸上ココに注目!!!!

西村菜那子の「駅伝好き」を加速させた、心に残る3選手について語ります!

今回は特に私の「駅伝愛」を加速させてくれた選手について語ります!(撮影・齋藤大輔)

「駅伝に詳しすぎるアイドル」として陸上ファンも一目置くNGT48西村菜那子さんのコラムです。今回は、西村さんの「駅伝好き」を加速させた3人の選手について語ってくれました!

***

みなさん、こんにちは! 新型コロナウイルスの影響がまた大きくなりつつありますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

野球やサッカーなどプロスポーツも少しずつ観客を入れて試合を行うなど、コロナ禍でも色々な対策や工夫を施してスポーツが行われています。先月8日に行われた「ホクレンディスタンスチャレンジ深川大会」は、YouTubeで大会がLive配信されていました。現地観戦ができなくても、3年生の藤木宏太選手(北海道栄)をはじめとした國學院大學の層の厚さを感じられ、十分に楽しむことができました。

久しぶりにトラックレースを見ることができて、とても嬉しかったですが、このように、陸上の大会やレースを当たり前のように楽しめる日々が少しずつでも戻ってくることを祈っています。

さて、以前のコラムで、私が駅伝を好きになったキッカケをお話しさせていただきました。私の駅伝好きには両親、そして柏原竜二選手の走りが大きく影響しているのです。

西村菜那子が駅伝にハマったのは、あの「山の神」の走りがきっかけだった!

実は柏原選手以外にも、私の駅伝好きを加速させてくれた選手がたくさんいます。今回は私の中で鮮烈に印象に残っている3人の選手を紹介していきたいと思います。

「早稲田で走りたい」思いを貫いた山本修平選手

それではまず1人目。2012年の第88回箱根駅伝で5区を走った早稲田大学・山本修平選手(現・トヨタ自動車)です。当時は、私が駅伝に興味を持ち始めていた頃でした。

箱根駅伝注目の山登りの5区、トップを行くのは東洋大学の柏原竜二選手。2位争いをしていたのが明治大学3年生の大江啓貴選手と1年生の山本選手でした。大江選手と競っている中、実況アナウンサーが山本選手のプロフィールや経歴を紹介していました。私はその内容にとても驚いたのです。

第89回箱根駅伝で日体大の服部翔大選手と先頭争いをする山本選手(右)。3年間5区を走りました(代表撮影)

山本選手は愛知県の進学校である時習館高校出身。文武両道に励んできました。早稲田大学で陸上に励むことを決意したものの、残念ながら入試で不合格。けれど早稲田大学を諦めなかった山本選手は浪人をする選択をしました。浪人生として勉強をしながら自主トレーニングも続け、自己ベストを更新していきました。その努力が実り、大学スポーツ推薦枠を獲得し、1年越しで念願の早稲田大学へ進学したのです。

「そのチームで走りたい」という夢のために、遠回りを選択する選手もいる。山本選手を知った私は、選手の皆さんにはそれぞれのバックグラウンドがあり、様々なドラマがあることに気づき、駅伝のレース結果や記録には表れない魅力や面白さを感じたのです。そこから選手一人ひとりのことを沢山知りたくなり、日々頑張っている選手の皆さんを調べるようになっていきました。そうする中で、さらに駅伝にハマっていきました。

関西のエース! 石井優樹選手

2人目は2018年の第50回全日本大学駅伝1区を走った関西学院大学の石井優樹選手(現・NTT西日本)です。当時、関西学院大学は予選会で敗退し、惜しくも本戦出場は逃してしまいましたが、3年生だった石井選手は日本学連選抜チームに選出されて大会出場を果たしました。

全国トップクラスの大学が集うこの大会でスターターの1区を任された石井選手。序盤から冷静にレースを対応し、最後に溜めていた力を一気に出し強力なスパートを出します。トップで2区中継所にやってきて区間賞を獲得しました。

石井選手の激走はとても印象に残りました!(右から2番目、撮影・朝日新聞社)

実は学連チームの区間賞はこれが大会史上初の快挙。石井選手の魂のこもった走りは、私の心にも強く刻まれたのです。

それまでの私にはどうしても、「(箱根駅伝に出場できる)関東圏の大学=駅伝に強い」というイメージがあったのです。けれど、この時の石井選手の走りは、私の誤った認識を覆してくれました。

そして、関東だけではなく、いろんな地域の大学についても知りたくなり、結果的に全国の選手に視野を広げるキッカケになりました。ちなみに、今年から実業団に入って陸上を続けていく石井選手に、今後も注目していきたいと思います。

キャプテンの魂の走り! 森田歩希選手

最後の3人目は、2019年の第95回箱根駅伝で3区を走った青山学院大学・森田歩希選手(現・GMOアスリーツ)です。

当時の青山学院は箱根駅伝を4連覇中。現在同様に陸上界を牽引しているチームでした。4年生で森田選手はキャプテンに就任しました。出場する大会では必ずと言っていいほど区間賞を獲得するなど、まさにチームの中心選手。

しかし、そんなエースに不運が訪れました。11月下旬に左脚付け根を痛めてしまったのです。3年時の箱根駅伝では2区を走り、区間賞。「今回も花の2区を走るであろう」と期待が高まる中で起きてしまったアクシデントでした。

森田選手は直前のエントリーでは補欠として発表されました。当日エントリーされるのか、それともこのまま補欠なのか、私だけではなく多くの陸上ファンがとてもソワソワしていたと思います……。

本当に森田選手は走るのか? 当日までソワソワしていました……(撮影・齋藤大輔)

そんな中迎えた1月2日の当日エントリー発表。森田選手は3区にエントリーされていました。大黒柱である森田選手の出走発表は、チームに大きな安心感を与えたと思います。

5連覇がかかっていた青山学院でしたが、前半区間で出遅れがあり、森田選手に襷(たすき)が渡ったのは8番目。青山学院が上位に行くのは厳しい展開になりました。しかし、ここから森田選手は驚くべき走りを披露したのです。

故障明けとは嘘だったのではないかと思わせるくらいの走りで、どんどん前を行く選手に追いつき、抜かしていきました。そして、ついにトップを走る東洋大学・吉川洋次選手(当時2年、那須拓陽)を捕らえます。並走することなく一気に抜かしていき、なんと1位で4区中継所にやってきたのです。

本当にけがをしていたの!? という驚くべき走りでした!(代表撮影)

結果はもちろん区間賞、さらに区間新記録を叩き出しました。故障明けというハンデを抱えながらも、森田選手の走りからは、箱根連覇を途切れさせまいというキャプテンの意地を強く感じました。

駅伝は何が起きるか、どんなに事前にデータを収集して分析をしていても、当日にならないと本当に分かりません。故障明けの選手や注目されていない選手が、予想外の爆発的な力を発揮することもあります。森田選手の走りは、これだから駅伝は面白いんだなと改めて実感させてくれました。

以上が私の中で鮮烈に印象に残っている選手3人です。もちろん、もっと沢山いらっしゃるのですが、“特に私の駅伝愛を加速させてくれた”という意味合いも込めて選出させていただきました。

皆さんの印象に残っている選手も是非聞かせてください。本日も読んでくださりありがとうございました!

NGT48 5thシングル「シャーベットピンク」

2020年7月22日リリース

http://ngt48.jp

NGT48西村菜那子の大学陸上ココに注目!!!!

in Additionあわせて読みたい