西村菜那子が駅伝にハマったのは、あの「山の神」の走りがきっかけだった!
「駅伝に詳しすぎるアイドル」として陸上ファンも一目置くNGT48西村菜那子さんのコラムです。今回は、そもそも西村さんが陸上・駅伝にハマったきっかけを詳しく語ってくれました。
改めて、じっくり駅伝好きになったきっかけを語ります
みなさん、こんにちは。
「駅伝が好きなアイドル」として少しずつ知っていただけるようになってから、駅伝に関する質問が私の元に届くようになりました。
中でも特に多い質問は、「駅伝を好きになったきっかけ」、「駅伝にハマったきっかけはなんですか?」。取材等でも聞かれることが多いこの質問です。
「駅伝好きな両親の影響です」と答えてきましたが、それ以上はお伝えしてこなかった気がするので、今回は改めて私が駅伝にどっぷりハマっていったきっかけ、その後辿った道をお話ししようと思います。そして、みなさんが陸上や駅伝にハマったきっかけを教えてくださったら嬉しいです。
まず入りは、先ほど書いたように両親の影響から。駅伝大国とも言われている長野県で生まれ育った両親は昔から駅伝が大好きでした。長野県には春の高校伊那駅伝や長野県縦断駅伝競走など歴史ある大会が多数開催されていて、両親は県内で行われる大会を現地までよく応援に行っていたそうです。
また、年始は決まって箱根駅伝を家族揃ってテレビで見るなど、小さい頃から私にとって駅伝はとても身近な存在でした。でも決して私自身は駅伝が好きだったわけではなく、あくまでもぼーっとただ見てるだけの状態でした。「お兄さん達こんな距離をよく走るよなぁ……」、そんなことしか考えていませんでした(笑)。
「山の神」の走りに衝撃
ではなぜ私が駅伝を好きになったのか。中学1年生のときに母親に「『山の神』と呼ばれている人がいる」と聞き、一体どんな人で、どんな走りをするのだろうかと興味を持った私は初めてじっくり箱根駅伝を見ることにしました。「神」ですから。
その年は2011年、第87回箱根駅伝でした。もう既にわかった方もいらっしゃると思いますが、その山の神とは当時東洋大の3年生だった柏原竜二選手です。4区の選手から先頭と約2分差の3位で襷(たすき)を受け取ると、柏原選手はその差がまるでなかったかのように先頭の早稲田大の選手に追いつき首位に立ち、そのまま往路優勝のゴールテープを切りました。
まず単純に、山道をこんなに早く駆け上がっていく選手の走りにとても驚きました。そして順位が変動していく瞬間をこの目で確認できることに新鮮味を感じ、「あれ? 駅伝って面白いかも」と思ったのです。
翌日、復路が終わり総合優勝をしたのは前日の往路優勝を果たした東洋大ではなく、往路2位の早稲田大でした。実は復路の時間に私は寝ていたため、結果だけ見たのですが、あんなに前日激走していた東洋大が優勝できなかったということにも、また驚いたのです。
一体、私が見なかった6〜10区の間に何があったのか……。そこで翌年の箱根駅伝は往路と復路を全部見ようと決めたのです。
1年越しのドキドキ、駅伝の魅力にとりつかれる
1年後の2012年1月2日。前回大会を少し見ていたこともあり、「この人去年も走ってた!」と何人か覚えていた顔が走っていたことに嬉しさを感じました。
往路優勝は東洋大。「ここまでは去年と一緒……復路はどうなるんだろう……」。夜になってもずっとドキドキしていたことを今でも覚えています(笑)。
始まった翌日復路。6区の市川孝徳選手(当時3年)が走り出すと、そのまま一度も首位を譲ることなく、無事に東洋大が総合優勝を飾りました。
前回は復路で逆転されてしまった東洋大が、その年は1位をキープし続けてそのまま総合優勝を果たす姿に、いつのまにか夢中になっている私がいました。2日間すべて見終えた達成感と、翌日に日本テレビさんのあらゆる情報番組のゲストとして出演していた優勝メンバーの選手達を見て、箱根駅伝が終わってもしばらくは余韻に浸っていました。
気づけば「駅伝沼」に入り込み……
その翌年から箱根駅伝だけでなく、出雲駅伝、全日本大学駅伝と他の大学駅伝も見るようになりました。また、4年生の選手が卒業すると実業団へ入るため、実業団チームの大会であるニューイヤー駅伝などもチェックするようになりました。さらには、新たに1年生として大学に入るルーキーたちを知りたくなり、全国高校駅伝も観戦するようになっていきます。そして駅伝だけでなく、トラックシーズンの走りも見てみたいと思い、記録会へ足を運ぶように。
陸上好きの方なら、あるあるですよね……(笑)。このように気がつけば年間を通して駅伝をチェックしていて、気がつけば「駅伝沼」に入り込んでいたのです。
このように、私の駅伝好きはもとをたどれば、両親、そして柏原選手の活躍が大きく影響しています。実は今年の1月27日に文化放送さんで行われた駅伝ファンが集うイベントにプライベートで行った際に、その張本人である柏原選手に初めてお会いすることができたのです! せっかくなら自分が駅伝を好きになった経緯を伝えればよかったのに、人見知りの私は緊張してしまい、少し挨拶しただけで終わってしまいました。今になって後悔しています……。
知れば知るほど、見れば見るほどおもしろい
駅伝沼に入り、早10年。今は大好きな駅伝にアイドルという仕事を通して携わることができているのが大変幸せです。
「駅伝は走ってるだけなのにどこが面白いの?」
そう聞かれることも多々あるのですが、複雑なルールがないシンプルなスポーツだからこそ、幼い私も興味を持てたのかもしれません。そして、見れば見るほど、知れば知るほど、レース結果だけではなく、試合の駆け引きやチームの絆、選手一人ひとりの個性が見えてきて、新たな楽しみ方を発見していくことができたのも大きいですね。
柏原選手以外にも私の駅伝好きを加速させた、選手や大会の名場面がたくさんあります。次回は、私の中で鮮烈な印象に残っている選手3選を書いていきたいと思いますので、また読んでくださると嬉しいです。