東京マラソン、心動かされた大迫傑選手のゴールと國學院大の「三本柱」!
「駅伝に詳しすぎるアイドル」として陸上ファンも一目置くNGT48西村菜那子さんのコラムです。今回は、3月1日にあった東京マラソンを見て、西村さんが感じたことについて綴ってくれました。
大迫選手のゴールに心動かされて
東京オリンピックのマラソン代表、最後の1枠をかけた今大会には、日本を代表するトップランナーたちがこぞって集結しました。中でも陸上界からの注目が集まったのは、「3強」と呼ばれた選手たち。マラソン日本記録保持者の大迫傑選手(早稲田大~Nike)、前日本記録保持者の設楽悠太選手(東洋大~Honda)、アジア競技大会優勝の井上大仁選手(山梨学院大~MHPS)です。どの選手も、大学時代に駅伝で大活躍されましたね。
昨年9月の「マラソングランドチャンピオンシップ(通称:MGC)」でオリンピック代表内定を勝ち取った中村匠吾選手(駒澤大~富士通)、服部勇馬選手(東洋大~トヨタ自動車)に続く、3人目の内定者候補として期待の声が高まりました。
結果はご存知の通り、大迫選手が見事日本人トップの成績を収めました。そして、自身が持つマラソン日本記録をさらに塗り替える圧巻の走りを披露しました。途中、先頭集団から離されるなど厳しい展開があった中、終盤見事に巻き返し、一時は海外選手を抑えてトップに出るなど快走を見せます。その後も日本人トップは譲ることなく、東京駅のゴール地点へ飛び込んできました。
力強いガッツポーズを何度も見せ喜びを爆発させながらゴールテープを切る姿や、優勝インタビューでの涙。普段、冷静沈着な大迫選手が、珍しく感情を露わにしてる姿に心動かされたのは私だけではないはずです。
MGCでは惜しくもオリンピック内定を獲得できませんでした。マラソン日本記録保持者として誰よりも注目が集まるゆえに、はかり知れないプレッシャーがあったことでしょう。今日ここまでの苦しみをインタビューで映された涙が物語っていたかのように感じます。8日のびわ湖毎日マラソンの結果を受けてオリンピック代表が決まりますが、大迫選手は限りなく代表に近づいたと感じられる結果でした。
私が駅伝を本格的に見始めたのは中学生のとき。そのときに学生陸上界のエースとして活躍されていたのが大迫選手でした。当時からいまに至るまで、大迫選手はずっと強いオーラをまとったスターなんです。そのスターが感情をむき出しにしている姿を見て、なぜか人間らしさのようなものを感じ、安心した自分がいます。とくに私と同世代であるいまの大学生の方々なら、きっと共感してくださるのではないでしょうか。
大迫選手だけでなく、中盤まで果敢に先頭集団に食い付き、挑戦し続けた井上選手、どんな状況でも乱れることなく自分のペースを守り抜いた設楽選手。箱根駅伝OBたちの活躍は、オリンピックを目指す学生たちの大きな刺激になったことでしょう。
國學院大の「三本柱」、学生ラストレースで存在感
今大会には今年も多くの大学生が出場しました。箱根駅伝が終わり、マラソン初挑戦という選手も多数います。一例を挙げるとすると、國學院大のキャプテン・土方英和選手(4年、埼玉栄)。今回が初マラソンとなりました。國學院大といえば、先月あった丸亀ハーフでは青木祐人選手(4年、愛知)が全体14位、学生では2位の好タイムでフィニッシュ。また福岡クロカンでは浦野雄平選手(4年、富山商)が優勝を果たしています。
青木選手、浦野選手に続く、土方選手の活躍が東京マラソンで期待されました。結果は見事学生トップの28位でゴール。初マラソンながらサブ10(2時間10分切り)を達成するなど存在感を見せていました。
実は土方選手、大会前にTwitterでこんなことを呟いていました。
「青木の丸亀…浦野のクロカン…土方の…??笑」
きちんと、「土方の東京マラソン」は加わりましたね。これにてチームを支えた三本柱の学生レースは終止符を打ちました。3選手とも、最後の最後まで後輩たちに大きな背中を見せ続けた姿は大変立派だと思いました。これからもみなさんの活躍に期待したいです。
大学生、大学駅伝OBの活躍にこれからも期待!
ちなみに、プロランナーや、実業団ランナーも出場している大会で、参加している大学生ランナーたちがどのくらいのタイムで走っているのか知りたいけれど、中々テレビに映らない……なんてことがありますよね。そんなときにおすすめしたいのがこちらのアカウント。文化放送大学駅伝独り占め(@ekiden1134)です。
こちらは文化放送の駅伝スタッフさんが呟いてくださるアカウントなのですが、細かく学生選手たちのラップタイムや、通過順位などをツイートしてくださります。私も今回とても参考にさせていただきました。すでにご存知の方も多いと思いますが、まだチェックされてない方は是非フォローしてみてくださいね。
今回の東京マラソンでまた新たに日本記録が樹立されるなど、より一層陸上界の熱気が高まったことだと思います。さらに東京オリンピックが楽しみになりました。
マラソンに注目するのはもちろん、5000mや10000m、3000m障害などのトラック競技で一人でも多くの大学生選手が選出されたらうれしいですね。大学生、そして大学駅伝のOB選手の活躍にこれからも期待しています。