野球

阪神5位指名の東洋大学野球部・村上頌樹 思い出の甲子園で球児のあこがれになる

昨年の秋季リーグ戦で力投、3年生ながらプロ入り間違いなしと注目されていた

10月26日、プロ野球ドラフト会議で村上頌樹(4年、智辯学園)は阪神タイガースから5位指名を受けた。東洋大の絶対的エース。昨年は圧倒的な投球を見せドラフト候補として注目されてきたが、自信を持ってドラフトを迎えたわけではなかった。

大学ラストイヤーは異例の1年に

「春4連覇」。そう意気込み始まった大学ラストイヤーは、新型コロナウイルスの脅威に飲み込まれた。ドラフトを控えアピールをしたい時期だが、東都大学野球春季リーグ戦は中止に。チームも一時解散し、実戦練習からも遠ざかったが、「いったん休憩できたので悪くなかった」村上は前向きに捉えていた。

仲間の好守に笑顔を見せる村上

同郷の後輩と練習する日々を送り「長い期間だったのでもう1度一から見直そう」とフォームチェックに重点を置いた。多くを語るタイプではない。副将になった際も「言葉で言うタイプではないのでプレーで見せられたら」と話す。そして、迎えるラストシーズンは「4年生が集大成を後輩たちに見せられるように」と意気込んだ。

阪神5位指名、プロの世界へ

待ちに待った秋季リーグの開幕戦となった9月22日。中央大1回戦に先発したが腕に力が入らなくなり4回で緊急降板。右前腕肉離れで戦線を離脱した。両親からは「けがを治す方に今は専念した方がいい」と言われ、杉本泰彦監督も「この秋にけがをしてひょっとすると指名を回避されるんじゃないか」と心配したという。

阪神タイガースから指名を受け笑顔で記念撮影に応じた

しかしそれから1カ月、プロ野球ドラフト会議において阪神タイガースから5位指名を受け、小さいころからの夢だったプロ野球の世界へ挑戦する権利を得た。異例のリモートでの指名会見。指名時の表情をうかがい知ることはできなかったが、その後の会見では少し緊張した面持ちながら堂々と受け答えをした。

甲子園で「球児」のあこがれに

兵庫県淡路島出身。野球をやっていた兄についていくようにして野球を始めた。小さいころから地元球団である阪神タイガースのファン。テレビで見たり観戦に行ったり、分かっていても打たれない藤川球児(阪神タイガース)のストレートにあこがれて投手を志した。

自慢したいことに真っ先に挙げたのはやはり「甲子園優勝」。2016年春の選抜高等学校野球大会を一人で投げ抜き優勝投手に輝いた。甲子園球場は誇り高き思い出の地だ。甲子園をホームグラウンドとする阪神タイガースからの指名に「(甲子園で投げる)自分の姿で、また高校生であったりが目指してくれたら」と語った。

1年目の目標には「入ったからには1年目からローテーションを守りたい」と力強く意気込む。まずはけがを治して万全の状態でプロの世界へ。甲子園という舞台が村上を待っている。

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