アメフト

オービックシーガルズが復活V、MVPは李卓 ジャパンXボウルで富士通破る 

21回走って111ydを獲得、2TDと活躍したオービックのRB李卓(撮影・全て朝日新聞社)

第34回日本社会人選手権ジャパンエックスボウル

12月15日@東京ドーム
オービックシーガルズ 13-7(7-0、6-7、0-0、0-0)富士通フロンティアーズ
オービックは7年ぶり9度目の優勝

Xリーグの年間王者を決める第34回日本社会人選手権ジャパンエックスボウルは12月15日、東京ドームであり、4年ぶりに出場したオービックシーガルズが富士通フロンティアーズに13-7で勝ち、7年ぶりの復活優勝を果たした。1996、98年のリクルートシーガルズ、2002年のシーガルズを含む9度目の優勝はチームが持っていた最多優勝記録を更新した。MVPには21回走って111ydを獲得し2タッチダウン(TD)を挙げたオービックのRB李卓(り・たく、慶應義塾大)が選ばれた。

オービックは2021年1月3日の日本選手権プルデンシャル生命杯第74回ライスボウル(東京ドーム)で甲子園ボウルを制した学生王者の関西学院大学と対戦する。

30回目の青と赤の甲子園、関学が後半に日大を突き放して3連覇

鉄壁の守り最後も崩れず

試合時間は残り2秒。6点をリードするオービックの最後の守りは、自陣ゴール前まで攻め込まれていた。富士通のQBバードソン(マーシャル大)がエンドゾーンのWR宜本潤平(立命館大)へパスを投げる。宜本についていたオービックのDB久保颯(早稲田大)が左腕をめいっぱい伸ばし、左手の先でボールをはたき落とすと歓喜が訪れた。

第4Q、オービックのディフェンスは自陣ゴール前で富士通QBバードソンの突進を阻んだ

オービックには残り5分を切った時も大きなピンチがあった。同じような自陣ゴール前で、相手QBにDLビーティー・ジュニア(コロラド大)らが強烈なタックルを浴びせTDを防いだ。後半、両チーム無得点のしのぎ合いを粘り強くものにした。大橋誠ヘッドコーチは「やるかやられるかの最後の場面で、選手を信じてました。必ずやってくれると。今日の勝利は、この7年間苦しんできたコーチや選手やスタッフの思いがやっと結実したもの。ここまで辛抱してチームを作ってきた仲間に感謝したい」と話した。最多7度の優勝を誇るライスボウルに7年ぶりに出場する。「Xリーグのいろんな選手の思いを背負って戦う。裏切らないゲームをしたい」と意欲を語った。

第2QにパスをキャッチしTDを決める富士通のWR松井理己(右)

4連覇していた富士通は連続最多優勝回数でオービック(2010~13年)と並んでいたが、史上初の5連覇には届かなかった。

MVPに輝いたオービックのRB李卓

日本一の選手として海外に挑戦できる

MVPのオービックRB李卓 
「MVPを取れたのもオフェンスラインのブロック、レシーバーのブロックがあって、チームメート全員に感謝したい。無事に試合ができ、こんな状況でもファンの皆さんに足を運んで頂き感謝したい。フットボールを始めたころから日本一になるというのが目標だった。大学に入ってからもなかなか届かず、社会人なってからも届かず、4年目でやっと日本一を取れ、とてもうれしい。コロナの状況で自分の海外挑戦は思うようにいかなかったが、挑戦する上で、日本一の選手で海外に行くことが僕の中では大事だった。今年、日本でプレーして日本一が達成できたことは自分にとってすごく大事で、今後、海外挑戦する上で胸を張って強い気持ちで頑張りたい」

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