ラグビー

特集:第57回全国大学ラグビー選手権

1月2日の準決勝は帝京大-早大、明大-天理大の顔合わせ 東海大は敗れる

先制トライを挙げた早大No.8の丸尾崇真主将(撮影・全て森田博志)

第57回全国大学選手権

12月19日

▽準々決勝(東京・秩父宮ラグビー場)
早稲田大学(関東対抗戦2位) 29-14(前半24-7) 慶應義塾大学(関東対抗戦3位)
明治大学(関東対抗戦1位) 34-7(前半12-0) 日本大学(関東リーグ戦3位)
▽同(大阪・花園ラグビー場)
帝京大学(関東対抗戦4位) 14-8(前半7-3) 東海大学(関東リーグ戦1位)
天理大学(関西1位) 78-17(前半38-0) 流通経済大学(関東リーグ戦2位)
▽準決勝(2021年1月2日、秩父宮)
帝京大-早大(12:20)、 明大-天理大(14:45)

ラグビーの全国大学選手権準々決勝が19日にあり、1月2日の準決勝は帝京大学-早稲田大学、明治大学-天理大学の顔合わせとなった。帝京大は関東リーグ戦王者の東海大に競り勝ち2大会ぶりに準決勝へ。東海大は新型コロナウイルスの集団感染で関東リーグ戦最終戦を辞退、ほぼ1カ月ぶりの公式戦だったが、2大会連続の4強はならなかった。連覇を目指す早大は前半の4トライが効いて慶大を下した。2季ぶりの優勝を狙う明大は日大を後半に突き放した。関西王者の天理大は12トライを流通経大に浴びせ、3大会連続のベスト4進出となった。

2トライを挙げた早大のWTB槇瑛人

11月23日の早慶戦(早大22-11)の再戦となった試合は、早大の試合の入り方がよかった。前半5分に相手ゴール前スクラムからNo.8丸尾崇真主将(4年、早稲田実)が右サイドをついてトライ。スピードで慶大の防御陣を振り切った。20分にはフランカー相良昌彦(2年、早稲田実)が相手の持つボールをはたき落とし、こぼれ球を拾った初先発のCTB伊藤大祐(1年、桐蔭学園)が独走してトライを決めた。前半終了間際にはWTB槇瑛人(2年、國学院久我山)がこの日2本目のトライを挙げ17点のリードで折り返した。

後半トライを挙げた慶大のCTBエノサ

早大の丸尾主将が「後半は自分たちのミス、ペナルティー、規律の部分のエラーで、相手に流れを渡した部分があった」と振り返ったように、後半は先に慶大のCTBイサコ・エノサ(2年、キングスカレッジ)にトライを許した。その後は一進一退の攻防が続いたが、終了間際にWTB古賀由教(4年、東福岡)のトライで振り切った。慶大は前半途中に守りの要の三木亮弥(4年、京都成章)が負傷欠場したのも響いた。

明大は交代出場組が奮起

2季ぶりの王座奪還を目指す明大は日大のプレッシャーに試合の流れをつかめなかった。前半5分と21分にはともにCTB廣瀬雄也(1年、東福岡)のパスからCTB児玉樹(3年、秋田工)とWTB石川貴大(4年、報徳学園)がトライを挙げたが、No.8箸本龍雅主将(4年、東福岡)は「80分通して相手のペースでラグビーをやらせてしまって。最後まで明治のラグビーできなかった」と振り返った。

2トライをマークした明大のWTB石川

後半3分に日大のNo.8シオネ・ハラシリ(3年、トンガカレッジ)にトライを許して5点差に迫られてようやくエンジンがかかった。交代出場した大賀宗志(2年、報徳学園)、山本耕生(3年、桐蔭学園)の両プロップがスクラムをぐっと安定させた。相手ゴール前のスクラムから圧力をかけて2トライを重ねるなど終盤に突き放し、4大会連続で準決勝へ進んだ。

早大・相良南海夫監督 「早明戦(12月6日、14-34)ではセットプレーで流れをつかめなかったので、もう1回、確認、自分たちの形を取り戻した。ラインアウトはプレッシャーをかけられ、スクラムも安定していた。相手を上回る姿勢が80分間みえたのがよかった」

早大・丸尾主将 「チームとしても個人としても先手、先手と仕掛け、バトルをしにいくということを考えていた。あそこ(先制トライ)は自分らしくいけたのがよかった。中盤、終盤、自分はボールをもらえなかた。そこは修正してもっとボールをもらうようにしたい」

2トライを挙げた早大・槇 「外にチャンスがあるというのはわかっていた。積極的にボールを呼ぶことができた」

慶大・栗原徹監督 「ここ1カ月ぐらいで成長してきた。このタイミングで敗退し、終わってしまうのは残念に思う。春からこういう思いを持って取り組んでいかなければいけないと改めて実感した」
慶大・相部開哉主将(4年、慶應義塾) 「想像以上に、特に(早大の)下川選手のラインアウトに対するプレッシャーの精度が高かった。自分がラインアウトして嫌だなと。そこの圧力に少しずつ負けて、サインワークが乱れてしまい、結果的に全体としてプレッシャーを受けてしまった」

パスを出す明大の箸本主将

明大・箸本主将 「選手権で簡単に勝てる試合はない。苦しい状況で勝ち切れたのはよかった。課題を洗い出して次に向けてしっかり準備したい。リザーブの大賀が入ってきてからスクラムの押しがよくなった。リザーブのエナジーがあった」

2トライを決めた明大・石川 「明治は誰が入ってきても実力差は変わらない。誰がけがして、誰が入っても戦えるので、練習、試合でパフォーマンスしっかりみせないといけない」

試合後、応援の部員にあいさつする日大の藤村主将

日大・藤村琉士主将(4年、京都成章) 「明治戦に向けて、追い込んで十分な準備をしてきたつもりだったが、明治はそれを上回る内容だった。大学選手権で勝ち残っていくためには今まで以上の練習が必要であることが分かった。後輩はそれを思って、今後の練習に取り組んでほしい」

天理大・松岡大和主将(4年、甲南) 「自分たちも(新型コロナウイルスの)集団感染したので、(出場辞退した)同(志社)大の気持ちは分かる。関西のチーム、先輩たちの思いも背負って、勝ちにいきたい」

帝京大・岩出雅之監督 「チャンスをもらった。ここからまた成長できるようにしたい」

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