早稲田大学はSO吉村紘やFB河瀬諒介の個人技光り全勝守る、防御互角の早慶戦
関東大学対抗戦
11月23日@秩父宮ラグビー場
早稲田大(6勝)22-11慶應義塾大(4勝2敗)
12月6日の早明戦で勝った方が対抗戦V
ラグビーの関東大学対抗戦は23日、東京・秩父宮ラグビー場で慶應義塾大学-早稲田大学があり、早大が22-11で競り勝って全勝を守った。12月6日の早明戦で早大は引き分け以上で2季ぶりの優勝、1敗の明治大学は勝てば2連覇となる。2敗となった慶大の優勝はなくなった。対抗戦の早慶戦の通算成績は早大の70勝20敗7分け。
3点を先行された早大は前半21分、相手ゴール前ラインアウトからの連続攻撃で、SO吉村紘(2年、東福岡)が左のスペースをうまくついて逆転のトライ。34分には右への展開でパスが乱れたが、FB河瀬諒介(3年、東海大仰星)がうまく拾い、ロングパスを受けた大外のWTB槇瑛人(2年、國學院久我山)が右隅に飛び込んだ。この後、早大は自陣ゴール前のピンチを招いたが、慶大のスクラムからのサイド攻撃をNo.8丸尾崇真主将(4年、早稲田実)が厳しい防御で反則を誘ったのが大きかった。
モールからトライの慶大は押し切れず
6点を追って折り返した慶大はPGで追加点を許した後、19分に相手ゴール前のラインアウトからモールを作り、最後はNo.8髙武俊輔(2年、尾道)がチーム初トライを挙げて4点差に迫った。早大は26分に粘り強く連続攻撃を仕掛け、最後はFB河瀬が2人のタックルをはじき飛ばしてトライ(ゴール)。11点差にして、残り時間を厳しい防御でしのいだ。
早大の丸尾主将は「慶應義塾大学を圧倒しようと準備してきて臨んだが、出足の早い激しいタックルに何度か取りきれない場面があり競った試合になった。アタックでエラーが起きることは想定内だったので、アタックがダメでもディフェンス、ディフェンスと立ち返る部分を持ち続けられたことが勝利につながった」と振り返った。慶大のロック相部開哉主将(4年、慶應)は「自分たちが取り切るべきところで、取り切れなかった。いい準備はしてきたが、そこでボールが乱れたり、モールを押し切れなかったり。シンプルに自分たちのモールを押す力がうまくいっていなかった」と話した。
コロナ禍の伝統の一戦、ルーキーも躍動
両校の1年生の活躍も目立った。慶大のFB山田響(報徳学園)は「コロナ禍の中、大勢の観客がラグビーを夢中になってくれる場所があり、とてもうれしかった。僕自身としては(慶大の)黒黄(ジャージーを)着てチーム一丸となって勝つことにフォーカスしているので、相手の1年生がどうこうというより、相手にどう勝つかを思っている」
早大は昨季の桐蔭学園高(神奈川)を日本一に導いたSO伊藤大祐が後半33分、交代出場でデビューした。「伝統の一戦で試合できたことは、すごく楽しくうれしかった。点数をつけるとしたら50点ぐらい。もっと正確なプレーをできたところもあり、もっと大胆にいくところはチャレンジできれば点数は上がると思う」。先発出場を続けるフランカーの村田陣悟(京都成章)も激しいプレーを随所にみせた。相良南海夫監督は「一戦、一戦、大学ラグビーの強度、スピード、テンポに慣れてきて、彼のフィジカルの強さがゲームの中で生きている」と評価していた。