國學院大・島﨑慎愛　学生ハーフ3位に「100点満点の走り」エースとして活躍誓う

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3月14日の日本学生ハーフマラソンで、國學院大學の島﨑慎愛（よしのり、3年、藤岡中央）が3位に入った。レース後のインタビューでは、「100点満点だった」と自らの走りを評価した。

監督の「やったぞ！」に笑顔

強風が吹きつけ、向かい風、追い風が交互にあらわれる難しいコンディション。島﨑は先頭を意識せず、冷静にレースを見ていた。向かい風の際には他の選手の後ろで風の影響を少なくするなど、コース取りをしっかりしながら徐々に前へ。最後の直線のスパートではチームメートの藤木宏太（3年、北海道栄）にわずかに競り勝ち3位となり、ワールドユニバーシティゲームズ（旧ユニバーシアード）の代表内定を勝ち取った。

レース展開が他の選手よりうまくいったという手応えもあり、自己評価は100点満点。だが「ラストスパートはけっこう自信があったんですけど、今日は向かい風が強すぎて苦しくなっちゃいました」ともいう。

2年前、國學院大はダブルエースだった土方英和（現Honda）と浦野雄平（現富士通）がユニバーシアード日本代表を目指して学生ハーフマラソンを走った。だが土方が4位、浦野が5位となり、あと一歩代表には届かなかった。今回、レースを迎えるに当たって、前田康弘監督からは「日本代表を狙おう」と言われ、かなり意識する部分はあった。レース後、島﨑自身はまだあんまり実感がわいていなかったが、監督が「やったぞ！！！」とすごく喜んでいる様子を見て、「自分もめちゃくちゃ嬉しくなっちゃいました」と笑顔を見せる。

エースとしてやっていきたい

島﨑は昨年と今年、2年連続で箱根駅伝6区を走った。昨年は59分01秒で区間8位、今年は58分39秒と自分を超えてきた。だが急勾配を高速で下るコースのダメージは大きく、1月の1カ月は状態があまり良くなかったという。2月に入ってから状態が上がってきて、いい練習も積めていた。前田監督にも上位を狙えると言われていたのも自信になった。

藤木とは「一緒に日本代表に入れたらいいな」と話していた。だが藤木はレースの10日ほど前に転倒があり、少し練習を休んでいた。「それもあって、ちょっと藤木には黙ってたんですけど、（藤木に）勝てたらいいなと思って作戦を立ててました」という。

これまで世界大会の経験は一度もないという島﨑。ワールドユニバーシティゲームズへの抱負を問われると「世界と戦えるというのは、自分にもチームにとっても経験値になると思います」。そして「自分がエースとしてやっていきたいと思っています」とはっきりと口にした。それは箱根駅伝でも下りの区間以外を走る可能性もある？　と重ねて問われると「他の区間で走りたいと思っている区間もあります。他の選手の状況も見て、どこでもいける選手になりたいです」と力強い言葉が返ってきた。

藤木「完全な力不足」

島﨑に1秒差で負け4位となった藤木は、レース10日前に転倒したことに触れ「転倒したと言っても平地でなので。自分が気を抜いたり、調子に乗ってた部分が全部反映されたんじゃないか」といい、「完全な力不足だと思っているし、途中で気を抜いてしまったのが一番の敗因だと思う」と反省の言葉が出た。

藤木は20年度の1年間、中西大翔（たいが、2年、金沢龍谷）と「ダブルエース」と呼ばれていた。特に上級生としてチームを引っ張っていこうという気持ちが大きく、時に気負っているように見えることもあった。今回、島﨑が「エース」だと口にしたことについて問いかけると、チームメートへの信頼を口にした。

「去年は『自分がなんとかしなきゃいけない』という思いが大きくて、周りに頼らないでやってきてしまいました。でも今回は島﨑や他の選手も頼りになるぐらい強くなってきてくれたので、周りにも助けられたし、任せるところは任せる。周りに頼ってもいいんだなと気づいたので、いい関係になってきてると思います」

箱根駅伝総合優勝に向けて勢いをつける

そして21年度の大きな目標は、箱根駅伝総合優勝だと明かした。「そのために今回、僕と島﨑で日本代表を決める、もしくはしっかり走って、最近入ってきた新入生に強さを見せてあげて、寮に残っている選手たちに勢いを与えるのが目的でした。それは多少成功したんじゃないかなと。その流れをしっかり持ち帰って、流れに乗っていけたらと思っています」

20年度の締めくくりに、力を示した國學院大學。21年度の大きな目標に向けて明るいスタートを切った。