立命館大ラグビー部新キャプテン・木田晴斗 恵まれた体と50m6秒2のスピード
「今年こそは、関西Aリーグ制覇を達成し、大学選手権ベスト8まで進出する」と今シーズンへの強い思いを語ったのは、立命館大ラグビー部新主将のCTB木田晴斗(4年、関西大倉)だ。
木田は、1回生から主力として活躍し、様々な場面でチームを救ってきた。しかし、チームはここ2年、リーグ戦では6位、5位と結果としてはあまり満足できずに終わっている。木田自身も大学選手権に出場したのは、1回生の時だけだ。4回生になり、学生ラグビーにかける思いはよりいっそう強いものとなっただろう。
観客をどよめかせたプレー
木田のストロングポイントは、恵まれた体格と50mを6秒2で駆け抜けるスピードだ。昨シーズンもそのストロングポイントを十二分に発揮していた。その中でも特に印象に残ったプレーは、関西リーグ第3節の関西大との試合だ。
前半終了間際、相手のペナルティーによりボールを獲得するとSO江良楓(かえで、4年、大阪桐蔭)がクイックスタートでボールを木田に渡す。すると、そのまま90mを独走し、トライゾーンまで駆け抜けた。そのシーンを木田は、「自陣のゴール前ではあったが、前にスペースがあったため、無我夢中で走り抜いた」と振り返った。
かなり深い位置からだったのにもかかわらず、走り抜いた彼のプレーは会場にいる観客をどよめかせた。また、チームがシーズンの初勝利をしたこともあり、彼は初めてのプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出された。
足りなかった練習の熱意や選手同士の厳しさ
昨シーズンは、新型コロナウイルスの感染拡大により春シーズンは公式戦が全て中止となり、秋のリーグ戦も縮小されて行われた。そんなイレギュラーだったシーズンを木田は、「コロナが流行していたが、チーム内で感染者を出すことなく試合に臨めたのは良かった。しかし、練習に対する熱意や選手同士での厳しさが足りていなかったため、結果がついてこなかった」と振り返る。
また、彼自身のプレーについては、「自分の中でベストなポジションではないセンターをやってみたが、自分で満足できるような活躍はできなかった。自分の得意なランでチームの悪い状況を打開したかったが、そのまま負けてしまう試合が多かった」と悔しさをにじませた。新主将として迎える今シーズンはその悔しさを晴らしたいところだ。
目標の厳しさを伝えられる主将に
木田が今シーズンの主将に選ばれた理由は、ジュニアジャパンに選ばれた経験があり、全国ベスト8のレベルを知っていることにもある。「1年間通して自分たちが掲げている目標の厳しさを伝えられるキャプテンに」となりたい主将像についても語ってくれた。
中学、高校時代もキャプテンを務めていた経験がある。そこでの経験を木田は、「中学も高校も無名校であったため、ラグビー未経験者が多く、選手のモチベーションを自分と同じくらいに高めるのが難しかった」と振り返った。中高時代のキャプテン経験を生かし、チームをまとめ、チームとしての目標を達成する姿を見せてほしい。