「記念すべき日に始球式」 池江璃花子、神宮のマウンドで力投
競泳で東京五輪代表の池江璃花子が25日、神宮球場であったヤクルト―中日戦の始球式を務めた。3年後のパリ五輪を目指している池江は、フランス国旗の青白赤色をあしらったグラブを手にはめて登場。大きく息をはいて投じた一球はノーバウンドで捕手に届いた。「ノーバウンドで投げられたのがうれしかったのですが、ストライクを狙っていたので若干悔しかった」
池江は2019年2月に白血病と診断された。約10カ月の入院生活を経て、同年12月に退院。20年8月からレースに復帰し、泳ぐ度にタイムを縮めて今夏の東京五輪に出場した。
池江はこの日の始球式の前に自身のツイッターを更新。入院中の写真を載せ、「移植から、今日で2年。この時のことを忘れちゃうくらい元気だけど、無理せずゆっくり進みます。そんな記念すべき日に始球式です。頑張ります」とつぶやいていた。
この日の始球式は、池江がヤクルト本社の広告キャラクターを務めていることから実現した。投球前には同じ2000年生まれで、過去に雑誌で対談したヤクルト村上宗隆からボールを手渡された。村上は以前、「前を向く姿勢、水泳を好きという気持ちを僕も見習ってやっていかないといけない」と池江からもらった刺激について語っていた。池江も「他競技の方が活躍している姿を見ると自分も燃えますし、刺激をうけます」と話した。
(藤田絢子)=朝日新聞デジタル2021年09月25日掲載