日体大が14季ぶりV、早稲田大に3-0で勝利 高橋藍「また新たな日体大バレーを」
2021年度秋季関東大学バレーボールリーグ戦
10月31日第8日(最終日)
日本体育大学3(25-21.25-15.27-25)0早稲田大学
2013年春以来14季ぶりの優勝
10月31日、男子1部の秋季関東大学リーグ戦の順位決定戦が行われ、1位決定戦は昨年の全日本インカレ決勝と同じ早稲田大学vs.日本体育大学となった。昨年の全日本インカレでは0-3で日体大が敗れたが、今回のリーグ戦では3-0で日体大が勝利し、2013年春以来14季ぶりの優勝をつかんだ。
けが明けの高橋藍が躍動
昨シーズンからコロナ禍で様々な大会が中止となり、今シーズンも男子1部春季リーグ戦に続いて東日本インカレも中止を余儀なくされた。今回の秋季リーグ戦も当初は9月11日に開幕し、例年通り総当たり戦での開催を予定していた。しかし開幕が10月2日に遅れ、AとBの2グループでの順位を決めた後に勝敗数の近い相手同士が戦う方式に切り替わった。試合日は8日のみ(延期分を除く)という限られた環境ではあったが、全12チームはそれぞれ試合ができる喜びを胸に、舞台に立った。
10月30日、Aグループ1位の早稲田大はBグループ2位の中央大学に勝ち、Bグループ1位の日体大はAグループ2位の筑波大学に勝ち、翌31日の最終日を迎えた。チームメートとして東京オリンピックに続いてアジア選手権(千葉)でもともに戦ってきた日体大の高橋藍(2年、東山)と早稲田大の大塚達宣(3年、洛南)も、最終日には敵同士として相まみえた。大塚はリーグ戦の初戦から戦ってきたが、高橋はアジア選手権でひざを痛めた影響で30日が復帰戦となった。
「コンディションとしては60~70%程度」と話していた高橋が第1セットから躍動。日体大がリードする展開となり、追い上げる早稲田大が2回連続のボールアウトで18-15と3点差に開き、早稲田大がタイムアウトを要求。立て直しを図ったが、その直後も日体大がポイントをとり、25-21で第2セットへ。
日体大の勢いは止まらず。25-15で日体大が第2セットもとった。早稲田大は主将の吉田悠眞(4年、洛南)と攻撃の軸となるべき水町泰杜(2年、鎮西)をけがで欠き、「大塚と水町の2人がいるからこそ攻撃が生きる」と松井泰二監督が言うように、早稲田大は最後に決めきれないシーンが続いていた。迎えた第3セット、22-24で早稲田大がマッチポイントを握ったが、日体大が食らいついて24-24へ。最後は大塚のスパイクを2枚ブロックで止め、27-25で日体大が第3セットを制し、ストレート勝ちを果たした。
早稲田大・大塚「僕が決めきれなくて負けた」
日体大・高橋藍のコメント
「まだ体のコンディション的に絶好調ではないですけど、準決勝(第7日の30日)から徐々に上げていこうと思っていました。まずはチーム作りにしっかりと参加するという目標があったので、特にコミュニケーションをとって、どうやったら早稲田さんを倒せるのかを考えてやってきました。サーブも走っていましたし、今日のパフォーマンスはよかったのかなと思うんですけど、ラリーが続いた中で、自分自身少し力が入ってしまうところもあったので、冷静に状況を判断して決めきる力をこれから求めていきたいです。もう少しコンビを増やしてもいいのかな。今はレフトとパイプを打っているくらいなので、中に入っていくコンビだったり、大学生にしかできないバレーボールがまだまだあると思うので、攻撃のバリエーションを増やしていきたいです。優勝できたことは自信にしていいと思うんですけど、あくまでもここは通過点。このまま全カレでも優勝できるという保証はないので、また新たな日体大バレーを生み出していくことに焦点を当ててやっていきたいです」
早稲田大・大塚達宣のコメント
「自分が帰ってきてからはしっかりコミュニケーションをとるということから始めて、少しずつインカレで優勝するためにチームを作っています。まだまだ自分たちはチームとして詰めが甘いところがあって勝ちきれないチームなので、(全日本インカレまでの)この1カ月、細かいところを詰めていかないといけないと思っていますし、今回負けてしまったことは反省して、それをいい方向につなげていきたい。ラリー中のトランディションの切り返しの攻撃が、あまりチーム全体を通して良くないので、もっともっと精度を高めていく必要があります。(セッターと合わないシーンも散見したが)高く上がったボールは自分の責任だと思うので、僕が決めきれなくて負けたと思っていますし、それだけの責任をもってプレーしないといけないです。僕自身、代表も経験させてもらって、その経験を代表だけに終わらせるのではなくて、チームに帰ってきて強いリーダーシップを発揮するのが自分の役割だと思ってます。自分だけじゃなくて周りの同級生とかみんなすごい僕のことを助けてくれ、一緒になって頑張ってくれているし、チームを支えてくれている4年生のためにも、インカレで結果を残したいという気持ちは大きいです」