東海大 「伝統」の誇り胸に切磋琢磨 栄養補給のサポート体制
切磋琢磨する環境が実力アップを促す
ここ5年で、2017年の「出雲」、2019年の正月の駅伝、そして同年の「全日本」と、大学3大駅伝すべてを制してきた東海大。先輩たちが築いた「強い東海大」の誇りと高い目的意識は、現在の部員たちに脈々と受け継がれている。
大学駅伝デビューを果たした2021年の出雲で区間5位と快走し、全日本でも健闘した神薗竜馬(2年、鹿児島実業)はこう話す。
「高校時代、目立った成績を残せず、入学当初はS、A、B、C、Dと実力別に5チームある中でCチームでした。なんとかしてSチームの選手に追いつきたいと練習していたら、いつの間にかタイムが出ていました。すごい選手ばかりの環境が、僕を高めてくれたのだと思います」
東海大のコンディショニングに対する意識も、自身の高校時代のそれとはまったく違ったという。「高校の時はサプリメントを飲む習慣もなく、栄養も特に気にしていなかったので」
東海大の選手たちが共同生活を送る神奈川・湘南キャンパスそばの「望星寮」の食堂には、専用の冷蔵庫に手早く栄養素を補給できる「inゼリー エネルギー」が、約400個常備されている。
「『inゼリー エネルギー』を練習前に飲むのは、全部員のルーティンになっています。朝食前に走る時も飲んでおくと空腹感を覚えず、練習に集中できます」と神薗。
神薗は、高校時代は故障が多かったというが、大学に入ってからは大きなケガはない。「チームの方針でストレッチやアイシングを徹底しているからだと思います。練習の前後に『inゼリー』を飲むことが習慣になってからは、強度の高い練習をした翌日もコンディショニングがしやすくなりました」
陸上競技場のトラック脇の倉庫にも専用の冷蔵庫が置かれ、選手たちは練習後、時間を空けずに「inゼリー プロテイン」でたんぱく質を補給するのがお決まりになっている。
「走れているのは自分だけの力ではない」
こうした“東海大の環境”を求めて入学してきた一人が、越陽汰(1年、佐久長聖)だ。高校2年時の都大路では2区を走り、1位タイのタイムを叩き出した。佐久長聖時代から5000mを13分台で走った期待のルーキーである。
「僕が高校2年になる年に東海大が正月の駅伝で初優勝したんですが、それをテレビで見て、自分も強いチームでやりたいと思いました。それと両角速監督の指導を受けたかったんです。佐久長聖高の監督をされていた時に、大迫傑さんや佐藤悠基さんを育てた人でもありますから」
高校時代に、全国大会に出ることではなく、そこで勝つことが目標の強豪校でもまれただけあって、越は1年生ながら意識が高い。
「コンディショニングの一環として常にやっているのが、寮の自室の掃除です。ホコリは喉を痛める原因にもなりますから。それに、部屋の乱れは心の乱れにもつながるので。空気が乾燥する時期は加湿器を使うようにしています」
「inゼリー エネルギー」は高校時代から飲んでいたという越。ただ、限られたお小遣いの中から購入していたので、頻繁にというわけにはいかなった。それが東海大ではいつでも自分の好きなタイミングで飲むことができる。
「恵まれていますね。サポートしてくれている森永製菓さんのおかげです。『inゼリー エネルギー』を手に取るたびに、今走れているのは自分だけの力ではないと感じています」
東海大の選手は、朝と晩は寮で出される栄養計算がされた食事を食べているが、昼食は基本的に自炊。越も寮のキッチンを使って、効率的にエネルギーが摂れるパスタなどを作っているという。
物品だけでなくノウハウも提供
2021年6月、東海大とのユニホームのスポンサー契約を締結した森永製菓のサポートは、物品提供にとどまらない。同社マーケティング本部のゼリーカテゴリーマネジャー、榎本浩二氏は「弊社にはトレーニングラボという、アスリートの栄養とフィジカルをサポートする施設があります。そこで得たさまざまなノウハウやデータも提供し、競技力向上のために役立ててもらいたいと思っています」と言う。
榎本氏にとっての大きな喜びは、自社のサポートがチームの結果につながること。そしてそれは社員の士気を高めると考えている。「大学陸上界の強豪である東海大に効果を感じてもらい、結果につながるという事実が積み重なれば、社員のモチベーションも上がると思います」
コロナ禍で在宅ワークが増え、運動不足を解消するための手軽なスポーツとしてランニングを始めた人が増えているといわれる。「市民ランナーにとって憧れの存在である東海大の活躍は、“ランニングに『inゼリー』”の認知を高め、『inゼリー』のファンも拡大してくれると期待しています」
大舞台に熱い気持ちで臨む
東海大は12位に終わった全日本大学駅伝の後すぐに、正月の駅伝に向けて動き出した。出雲、全日本に続いて3大会連続の駅伝出場を目指す神薗も準備に余念がない。全日本の1週間後にはペース走の一環として「世田谷246ハーフマラソン」に出走。すでに正月の一部区間の試走もこなしたという。「全日本ではメンバーに入れなかった選手も正月こそはと、調子を上げているので、僕も危機感を覚えながら、いい緊張感を持って練習しています」。
一方、入学後にけがをしてしまい、走り始めたのは9月からという越も、現在は万全な状態。「正月」に大学駅伝デビューを飾ろうと、密度の濃い練習を続けている。「他の選手同様に距離を積むメニューが多いですが、もうけがをしたくないので、コンディションには細心の注意を払っています」
出雲、全日本と2大会連続で本来の「強い東海大」を見せることができなかった。だが、決して選手たちは下を向いていない。正月駅伝という大舞台に熱い気持ちで臨むつもりだ。