スノーボード

特集:北京冬季オリンピック・パラリンピック

縦3+横、スノボの大技 高さも回転も「行くところまで行った感じ」

男子ハーフパイプ決勝2回目でエアを決める平野歩夢(撮影・白井伸洋)

 命の危険さえ感じる――。スノーボード男子ハーフパイプは、選手たちがそう漏らすほど高難度の大技の成否によって、メダルの色が決まりそうだ。

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 縦3回転に横回転も加えた「トリプルコーク1440」。前回の平昌大会では、縦回転が一つ少ない「ダブルコーク1440」が最高難度だったが、この4年でさらに進化した。

 「やらないと絶対に優勝できない」と語るのは、今季のワールドカップ(W杯)開幕戦を制した19歳の平野流佳(るか)(太成学院大)だ。パイプの壁は、ビル2階の高さに相当する。その壁の縁からさらに5メートル以上飛び上がり、限界まで回転するとあって、「もう、行くところまで行った感じ。本当に危ないです。(高回転化に)そろそろ制限をかけてほしい」。

 現在、この大技を世界で唯一成功させているのが、五輪2大会連続銀メダリストの23歳、平野歩夢(TOKIOインカラミ)だ。

 昨年12月、米コロラド州であったプロ大会で初成功。1月には世界最高峰の「Xゲームズ」でも着地させた。「難度が本当にマックスに到達した。すごく慎重にならなきゃいけない」。ただ、あまりの難しさゆえか、いずれも続く空中技で転倒し、演技全体としては失敗に終わった。

(吉永岳央)

=朝日新聞デジタル2022年02月09日掲載

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