学生アスリートには元気な胃腸が大事 筑波大学蹴球部で栄養講座
心も身体も全部、食べたものでできている
「皆さん、1軍に上がりたいんですよね? では、今のままでいいんでしょうか?」。冒頭でそう語りかけた瞬間の学生たちを、馬淵さんは「目が違う。視線が刺さるような感じだった」と振り返った。
この講演に出席したのは、数多くのプロ選手を輩出してきた名門、筑波大学蹴球部でTOPチーム(1軍)昇格を目指して日々奮闘しているBチーム(2軍)の選手たちだった。プロアスリートのサポートをしている馬淵さんだが、自らも関西の大学でアメリカンフットボール部に所属する息子を持つ母親。学生アスリートの気持ちは、よく分かっていた。
1軍まであと一歩という場所にいる選手たちに、馬淵さんは語りかけた。
「心も身体も全部、食べたものだけでできています。筋肉も骨も血液もそうだし、1軍に上がりたいという気持ちを育てる脳、ホルモン、自律神経も、全部食べたものからできています」
馬淵さんは続けて語りかける。
「サッカーをすることは、身体にとってリスクも大きいんです。エネルギーを消耗するし、細胞も壊れるし、身体も酸化する。エネルギーを補給して修復してくれるのが食事。食事で補うことで、リスクを最小限にできる。そのために食べるということを、まず意識してください。そのマインドがセットされないとなかなか勝ち上がれないし、大学生は自ら戦っていかないといけません。“食べる力”を身につけるんです」
腸でしっかり吸収するために胃が重要
食べることへの意識とともに馬淵さんが重要性を訴えるのが、食べものを受け止める“身体の機能”だ。「どんなによいものを食べたとしても、胃でちゃんと消化できているか、腸で吸収できているのか。受け止める機能が弱っていたら、身体は変わらないんです」
この日の講座は、午後2時から行われた。午後1時まで練習があったため、参加者の昼食はコンビニエンスストアで買ったおにぎりやバナナなど、さまざまだった。よいものを食べるに越したことはないが、大事なのは身体がどう受け止めるかだ。
「イメージしてください。まずは口でよく嚙(か)みます。今、胃に入っている頃でしょう。胃の役割は消化です。口から入った食べものを蓄えて、ぜん動運動して消化します。それから腸に届いて、ようやく食べたものが身体のエネルギー、骨、血液になっていきますね。でも、どんなによいものを食べていても、胃で細かくかみ砕かれて、消化がちゃんと行われていなかったら、腸でしっかり吸収できないんです。それに、胃液がきちんと分泌されていると、菌などの外から入った敵を排除してくれます。胃はすごく大事なんです」
中には、たんぱく質補給のためにプロテインをとっている選手もいたが、トレーニングの後の疲労、あるいは睡眠の質の低さがストレスとなり、栄養補給の効率を落とすこともあるという。馬淵さんは、「胃腸の疲労を取り除くことによって、食事の量をとれるようになるし、質が上がるんです」と語る。
3度の食事の他にも、補食の重要性についても語られた。「練習前は炭水化物などエネルギーになるもの、練習後はエネルギーを補給し、筋肉を修復して疲労を回復する炭水化物とたんぱく質。いかに試合の後で自分の身体に合わせてとるかが、次の試合につながっていくと理解してほしいです」。やはり、イメージすることが重要だ。
身体からの“便り”を確認することはアスリートの基本
馬淵さんは、食べものが体内を一本の道を通っていくとイメージする。口から入って胃と腸を通り、体外に出る。実は、排泄(はいせつ)された便を見ることは「アスリートの基本です」と馬淵さんは語る。「便り、と言うじゃないですか」。身体の状態、またそのベースとなる腸内環境が正しい状態にあるか、知ることができるからだ。
馬淵さんは、腸内環境を整え、コンディションを上げるには5つの生活習慣が重要になると語る。食事、代謝、入浴、睡眠、排便だ。運動で発散するエネルギーをいかに取り込み、放出するかということだが、そのためにも、「胃腸と対話できるかが大事です」と馬淵さんは強調する。
選手たちは食事の栄養に関する基本知識は備えており、主食、主菜、副菜、果物、汁物、乳製品の6種類をそろえることが理想であるという馬淵さんの説明もうなずきながら聞いていた。
一方で、参加した25人のうち自宅から通学するのは2人だけで、自炊をすることも少ない大学生に向け、ご飯とみそ汁という基本的な組み合わせは腸内環境を整える機能もあるなど、一人暮らし向けの食事の整え方も伝えられた。
また、どうしても外食が多くなる選手については「定食屋さんでみそ汁がわかめと豆腐だけだったら、とん汁に変えてみるだとか、工夫次第で身体はすごく変わる。大事なのは、その意識です。取り組んでみてフィールドに立った時、走り切れる身体、戦える身体に変わっていることを、すごく感じていただけるのではないかなと思います」
これまでの知識が一つにつながり意識が変わった
質疑応答も行われ、学生からの質問に、馬淵さんはユーモアも交えながら答えていた。以前に読んだアスリートの栄養摂取の持論を引き合いに、さらに専門的な話を聞く学生もおり、質問者以外もうなずきながら話を聞く様子は、名門で学ぶ学生の意識の高さをうかがわせた。
参加したある学生は、「今日の話を聞いて、すごく意識が変わったと思います」と感想を語った。これまでも食事や睡眠についての講演を聞いたこともあったというが、「それぞれ別個のものととらえていましたが、生活習慣は一つにつながったもので、腸内環境が整うことで栄養摂取の効果が上がると分かりました。以前は、あれもこれも頑張らなければと思っていましたが、まとめて一つのものだと分かって、頑張れる気がしました」と話した。
学生たちの強い意志で一層やる気を引き出されたと話す馬淵さんは、「成長とは、何かを足すことだけではなく、皆さんが生まれた時から持っている可能性と能力を出し切ること。まずは行動に移すことからチャレンジしてください」とエールを送っていた。
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【用法・用量】
下記の分量を1日3回、食後に水又はぬるま湯で服用してください。
●15歳以上:1回10錠
●11歳以上~15歳未満:1回8錠
●7歳以上~11歳未満:1回5錠
●5歳以上~7歳未満:1回3錠
●5歳未満の乳幼児:服用しないでください
【用法・用量に関する注意】
(1)定められた用法・用量を厳守してください。
(2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
(3)本剤は、(錠剤をのどにつまらせてはいけませんので)5歳未満の乳幼児に服用させないでください。
【効能・効果】
●胃もたれ、消化不良、胃部・腹部膨満感
●食べすぎ、飲みすぎ、胸やけ、胸つかえ、はきけ(むかつき、二日酔・悪酔のむかつき、悪心)、嘔吐
●胃弱、食欲不振(食欲減退)
●栄養補給、栄養障害
●妊産婦・授乳婦・虚弱体質者の栄養補給
【使用上の注意】
次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
●医師の治療を受けている人
次の場合は、服用を中止し、添付文書をもって医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
●1カ月位服用しても症状の改善がみられない場合
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