神戸大・DL寺川陸主将 日本一になるために、すべてを貪欲に愚直にやり続ける
2022年度関西学生アメリカンフットボールリーグ1部は9月1日、立命館大学―京都大学で開幕します。勝負の秋を前にして、4years.から1部に所属する8チームの主将に6項目の質問をし、回答してもらいました。今回は神戸大学のDL(ディフェンスライン)寺川陸主将(4年、松本深志)です。
質問1 2022年度のチームスローガンと、そこに込めた思いを教えて下さい。
RAVENS(レイバンズ)2022のスローガンは「Just Do It」です。強くなるため、勝つためのことに対して選(え)り好みせず、すべてを貪欲(どんよく)に愚直にやり続けるという意思を込めました。一例ですが、フィジカルで負けていることに対して「自分たちはそこでは戦わない。他の面で勝負する」といった選択では、強豪ひしめく関西リーグを制することは到底できないと考えています。すべてに手を出した結果、回り切らずに終わってしまうかもしれませんが、背負うべきリスクを背負わずには現在の実力差を覆すには至りません。「すべてやらなければ勝てないのならすべてやる」という思いで、日々練習しています。
質問2 理想のキャプテン像を教えてください。具体的な人がいるなら、その方の名前を挙げて、どんなところが素晴らしいと思うのかについてもお願いします。
チームの誰よりも強く、誰よりも練習する人間です。その人・チームに合った様々なスタイルのキャプテン像があるとは思いますが、自分の中での理想はこれです。どんなカリスマ性があっても、誰かに練習をアメフトをやらせることはできません。あの人にみたいになりたいから、勝ちたいから、活躍しているあの人があれだけやっているから自分も活躍するためにやる、と下回生に思ってもらえる人がいるチーム。キャプテンはその先頭でありたいです。
質問3 自分自身の過去3年を振り返って、どんな自己評価をしていますか?
2回生からキックで出場、3回生からDLのスターターに、4回生で主力選手になるという1回生時に掲げた自分のビジョン通りの3年間だったと思います。自分はDLの練習の6割か7割くらいは身体作りだと思っているので、コロナで全体練習ができなくなっても、食事とトレーニングができる環境さえあればいくらでも強くなれると信じて、相対的にではありますが、コロナ期にむしろ大きく伸びることができたと思います。
質問4 チームにとって、4年生とはどんな存在であるべきだと考えていますか?
4回生はチームの芯であり、正しいリーダーであるべき存在です。苦しい状況でも芯がぶれず、貫き通せるチームは強くなると考えています。また、各方面のリーダーとして、下回生を正しい場所に導く存在であってほしいです。4回生がトレーニングに甘い、笛が鳴る最後までキャリアを追いかけない、1球にこだわれない、というようなチームでは下回生が高いレベルで取り組めるはずもありません。後輩は自分を映す鏡だと思って、勝ちに導く正しい姿を見せ続けることが4回生の役割です。
質問5 この秋、あなたが特に期待する(期待できると思う)3年生以下の選手を1人挙げて、理由も教えてください。
2回生のLB(ラインバッカー)丸山碧澄(豊中)です。彼は六甲山が産んだ真のフィジカルモンスターで、体重97kgの体格に40yd(ヤード)を4.8秒台で走るスピードや、ベンチプレスを160kg以上挙げるパワーを有しています。また、理学部数学科を主席合格したというインテリな一面もあり、その天才的な頭脳と闘争心でフィールドを制してくれることを期待しています。昨年はキックでの出場が主でしたが、今年はディフェンスやキックの中心として、プレーを粉砕する破壊的なプレーヤーに成長してほしいです。
質問6 最後に、秋のシーズンを心待ちにしているアメフトファンのみなさんへの言葉をお願いします。
いつも応援ありがとうございます。神戸大学アメリカンフットボール部は今年、関西リーグを制して甲子園で日本一になるため、すべての力を捧げて取り組んでいます。「歴史を変える1年にする」。これが、私が主将になった時に決意したことであり、秋シーズン最後の1プレーまで死力を尽くして戦い抜きますので、今年も力強く熱い応援をいただけると幸いです。