ラクロス

オリンピック競技をめざすラクロス、アメリカ選抜チームが3月12日に日本代表と対戦

大会に向けて意気込む左から山田幸代さん、高橋純平さん、石渡圭輔・実行委員長、大石やまとさん

「ラクロス」の世界トップレベルの選手が集う大会「レモンガスWORLD CROSSE2023」が3月12日、神奈川県川崎市の富士通スタジアム川崎で開かれる。男女のアメリカのオールスターが来日し、日本の有力選手らと戦う。

現役大学生ら120人が運営メンバーとして参加。「世界トップの試合を日本で見てもらい、子どもたちに夢を与えたい」と準備を進めている。

ラクロスは、2028年ロサンゼルスオリンピックでの競技採用をめざし、今年6月には男子日本代表がアメリカでの世界選手権に出場する予定。

「この大会をきっかけにラクロスに興味を持つ人が増え、五輪や世界選手権にも目を向けてほしい」と意気込んでいる。

小中学校への出張授業やスクールも開催

大会は2017年から始まり、今回で4回目。20-22年はコロナで開催できなかった。

主催する「Little Sunflower」代表でプロラクロスプレーヤー・山田幸代さんが、「せっかくの機会だから、運営マネジメントなどを学んでほしい」と大学生に声をかけ、同志社大学や慶應義塾大学、立教大学など複数大学から有志が集った。

会場を満員にすることを目標に、学生はプロモーション動画の作成のほか、ホームページやインスタグラムでPR活動を繰り広げている。

大会当日、女子は15時から、日本の選抜チーム「cross crosse選抜」が、アメリカ主力選手による「Unleashed All Stars」と対戦する。

男子は18時から、ラクロス男子日本代表が、PLLの有名選手で構成する「PLL ALL STARS」と戦う。

男子・女子通しの自由席(前売り)2000円。当日2500円。小学生以下は無料。ローソンチケットで。CSスポーツチャンネルGAORAでのライブ配信と再放送(男子3月18日、女子19日、いずれも22時から)も予定されている。

来日した選手が川崎市内の小中学校を訪れ、実際にラクロスを指導する出張授業もある。また、スクールも試合前日の3月11日に大井ホッケー競技場で開催される。

「激しさ、かっこよさ、世界のすごさを実感して」

大会に先立ち、東京都内で2月10日に記者会見が開かれ、実行委員長や参加する学生がそれぞれに抱負を語った。

石渡圭輔・実行委員長は「来日するのは野球のMLB、バスケのNBAレベルの選手たち。世界トップレベルの選手が子供たちに教えてくれる交流もあります。ラクロスというスポーツは、人と人を結びつける力がある。来日する選手は『ラクロスを愛する人は仲間だ』という意識を、国を超えてもっている。ぜひ会場で仲間をつくり、体感してほしい」。

主催する山田幸代さんは「今回、大きな軸になるのは学生たち。現場でスポーツのマネジメントや、様々なことを学んでほしいと、一緒に大会作りをしてきました。ラクロスの魅力は、プレーに激しさがあり、見ていてもやっていてもおもしろい。子どもたちには、ラクロスプレーヤーになりたいという夢をもってもらいたい。新しいスポーツに挑戦してもらうことで、チャレンジ精神も培うことができます」と話した。

実行委員会の学生代表、慶應義塾大4年の大石やまとさんは、慶應義塾ニューヨーク学院(高校)で、ラクロスの本場でプレーし、大学に入ってからはスタッフとして携わってきた。

「大好きなスポーツなので、多くの人に知ってもらいたい。私がラクロスをプレーしていた高校当時から知っているトップ選手たちがやってきます。世界のトップオブザトップ。激しさ、かっこよさ、世界のすごさを実感してほしい」

大会メインスポンサーのレモンガスグループ高橋純平・営業本部長代理は「五輪正式種目になるのを期待し、応援しています。大会を通じて一人でもファンが増え、感動を伝えることができればと思っています」。

広報スタッフで、法政大3年、山本萌楓(ほのか)さんは「いい大会にしたいです」、この日雪で参加できなかった立教大3年、桶谷弘貴さんは「日本ラクロスの新たなステージへの第一歩になるよういい大会にできるよう全力を尽くしたい」とコメントをよせた。

昨年、慶應義塾大学はラクロス男女ともに大学日本一となった。決勝で、第4Qに得点を決める慶應義塾大学(女子)の秋山雅望(中央)=2022年11月27日、東京都世田谷区、中村英一郎撮影

【ラクロス】世界最速の格闘球技といわれる。北米が発祥。直径6センチの硬質ゴムボールを巡り、先端に網の付いたアルミニウム製の「スティック」を使って投げ、ゴール数を競う。シュートは時速150キロを超える。日本国内のチームは約350チーム。競技人口は1万3500人。毎年チームが増えている。22年7月にアメリカ・アラバマ州で開かれたワールドゲームズでは、年齢制限のない世界一を競う大会で、男子日本代表が初めて銅メダルを獲得した。

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