陸上・駅伝

特集:第55回全日本大学駅伝

6大会連続で全日本大学駅伝出場の札幌学院大学 伊勢神宮で快挙達成の弓道部に続け!

6大会連続で伊勢路に臨み、過去最高成績をめざす札幌学院大の選手たち(すべて撮影・畑中謙一郎)

第55回全日本大学駅伝対校選手権大会 北海道地区選考会

8月19日@真駒内公園内周回コース(北海道)
1位 札幌学院大  4時間49分10秒
----------ここまで本戦出場------------
2位 星槎道都大  4時間56分48秒
3位 北海道大   5時間06分27秒
4位 北海道教育大 5時間25分15秒
旭川医大は途中棄権

今夏の猛暑は、北の大地も例外ではなかった。最高気温が30度を超える「真夏日」は44日間続き、観測史上最長記録を更新した。その酷暑真っただ中の8月19日。全日本大学駅伝北海道地区選考会が行われた真駒内公園(札幌市南区)は、一部が林間コースになっているものの、日なたに出れば手元の温度計でも気温が35度を超えた。

最高成績「19位」上回ることを目標に

ランナーたちにとっては悪条件の下、北海道の雄・札幌学院大学が選手層の厚さを見せつけた。レースは8区間89.9kmで争われ、札幌学院大は2区で2位に落ちたものの、3区以降はトップを独走。最後は2位の星槎道都大学に7分以上の大差をつけてゴールテープを切った。「北国出身の学生が多いので、暑さによるアクシデントが一番怖かった。何事もなく終わって、ほっとしました」。鹿内万敬監督の言葉には実感がこもった。

6大会連続、通算30回目となる節目の伊勢路に臨むチームには、一貫した目標がある。1994年と前回大会で残した最高成績の19位を上回ることだ。「この成績を超えるのに、こんなに長くかかるとは思っていなかった」。94年大会に出場した際のメンバーだった鹿内監督はそう語る。

北海道地区に割り当てられた出場枠は1。現行のルールでは、18位以内に入れば、成績枠の配分を受け、翌年の大会は出場枠が一つ増える可能性が高くなる。近年は層の厚い関東勢15校が上位を占め、関西、東海両地区の有力校が「18位以内」を目指して、しのぎを削る。そんな構図に割って入るのが、今のチームの目標だ。

北海道地区選考会は2位に7分以上の大差をつける圧勝

地方大学でもできることを結果で示したい

今年の戦力は充実している。昨年伊勢路を走ったメンバー8人のうち7人が残り、さらにケニア人留学生イブラヒム・ワング(3年、札幌山の手)も本来の力を発揮すれば、目標達成も現実味を帯びてくる。

全体練習で常にチームを引っ張るエースの渡辺隼翼(3年、清陵情報)は語る。「間違いなく、これまでで最強のチームだと思う。今までは関西勢にあと一歩のところで及ばなかったが、今年は十分に戦える力がある。僕は勝負どころの7、8区で走りたい」と鼻息は荒い。

10000mで29分台のタイムを持つ山田陽翔(2年、久慈東)は、大学で急速に記録を伸ばしてきた一人だ。「関西勢だけでなく、関東勢の一角も倒したいとさえ思っている。地方大学でもできるということを結果で示したい」と意気込む。

戦力は充実しており「間違いなくこれまでで最強のチーム」

いい意味のプレッシャーを感じながら、伊勢路へ

選手たちを勇気づけた出来事があった。昨年11月に行われた全日本学生弓道女子王座決定戦で、札幌学院大弓道部が創部50年の節目に初優勝を果たしたのだ。準決勝で前年インカレ優勝の国際武道大学を、決勝では過去5度優勝の桜美林大学を下して頂点に立った。北海道の大学スポーツ関係者を驚かせたのは言うまでもない。

くしくも、その大会は伊勢神宮の弓道場で開催された。陸上部にとっては、吉兆と言っていいだろう。「大学では特別強化クラブに指定されている同じ立場。強烈なインパクトでした。いい意味でプレッシャーを感じながら、伊勢路に臨みたいと思います」。鹿内監督は言葉に力を込めた。

先に伊勢で結果を残した弓道部の快挙も、後押しになっている

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