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序盤から1年生の躍動光る関西学生1部 「ミルズ杯」獲得宣言も飛び出すルーキーたち

パントカバーに出る甲南大のDB徳山諒成を関西学院大のDB永井慎太郎がマーク(撮影・北川直樹)

全国で甲子園ボウルを目指す戦いが始まった。関西学生リーグ1部は第2節を終え、前人未到の甲子園6連覇を狙う関西学院大学ファイターズをはじめ、関西大学カイザーズ、立命館大学パンサーズ、京都大学ギャングスターズの4チームが2勝している。例年以上に目立つと感じるのが、序盤から躍動する1年生の姿だ。

関学・小段天響「一発の脅威がある選手でいたい」

関学は初戦の龍谷大学戦で3人の1年生をスターターで起用した。春から活躍していたWR小段天響(大産大附)に加え、箕面自由学園で71番をつけ、好守両面のラインで大暴れしていたOL谷内志郎。佼成学園で2度の高校日本一を経験したDB永井慎太郎だ。

関西学院大のWR小段天響(撮影・篠原大輔)

この試合、小段は前半にQB星野秀太(2年、足立学園)と鎌田陽大(4年、追手門学院)から一つずつタッチダウン(TD)パスを受け、後半には53ydのパントリターンTDを決めた。高3のころから「大学では最初から試合に出て、ずっと活躍します」と言っていた通りの一歩目だった。大村和輝監督は小段について、「ボールを捕ったらTDまで持っていく、ビッグプレーを起こすという気持ちが強い。いまはそれがいい方に出てますね」と評した。本人は「高校に入ったころから、全プレーでTDまで持っていく意識を持ってます。常に一発の脅威がある選手でいたい。いろんな大学に散らばった同級生はいい選手ばっかりですけど、自分が一番活躍していたいです。1年からチャック・ミルズ杯(年間最優秀選手賞)をとります」と、勢いよく話した。

身長190cm、体重115kgの谷内はOLの中でも右T(タックル)で奮闘した初戦の後、「まったく緊張はしなかったんですけど、アサイメントの面で迷うところがあったので、落ち着いてプレーできるようにしたいです」と話した。中学生のころに洗礼を受けたクリスチャンであり、神学部で学ぶ。

関西学院大のOL谷内志郎(撮影・北川直樹)

永井は昨冬のクリスマスボウルで小段の大産大附に勝ち、高校日本一になって関学へやって来た。DBの中でもCB(コーナーバック)として経験豊富で、龍谷大戦でもプレーが崩れてからのパスによく反応し、インターセプトを決めた。大村監督は「安定感がある。責任感を持ってプレーできる選手」と評した。

第2節の甲南大学戦ではDBのSF(セーフティ)で、関西学院高等部時代から活躍してきた藤田昂太郎も先発出場を果たした。ディフェンスの最後尾で三つのタックルを決めた。彼はライバル立命館大のおひざ元である滋賀県草津市で生まれ育ち、関学へ進んだ。

高校までのQBからDBに転向したリンスコット トバヤス(箕面自由学園)も交代メンバーで出場し、経験を積んでいる。

関西学院大のDB永井慎太郎(撮影・北川直樹)
関西学院大のDB藤田昂太郎(撮影・北川直樹)
関西学院大のDBリンスコット トバヤス(撮影・北川直樹)

DBとしての才能、花開くか 関西大・吉田優太

大産大附高時代にエースRBでありDBも兼任していた吉田優太は関西大へ進み、DBでローテーション出場を果たしている。2試合で4タックル。虎視眈々(こしたんたん)とインターセプトを狙う姿を見ていると、大産大附の山嵜隆夫監督の言葉を思い出した。「(吉田は)実はDBとしての才能が超一流なんや。あれはおもろいで」。キックオフリターナーにも入っていて、関大の18番から目が離せない。

関西大のDB吉田優太(撮影・北川直樹)

立命館大では、昨冬のクリスマスボウルで速さと鋭いカットバックで大活躍し、最優秀バックス賞を受けたRB蓑部雄望(みのべ・たけみ、佼成学園)が春から試合に出続けている。一発のタックルで倒れない力強さもあり、ここまでランで3TD、パスキャッチで1TDを挙げている。彼とローテーションで出場しているエースRBの山嵜大央(3年、大産大附)は「トレーニングも一緒にやってて、常に刺激をくれる存在です。頼もしいです」と話している。これで終わらず、山嵜は高校の後輩である関学の小段についても触れた。「アイツがミルズ杯とるって言ってるらしいんですけど、調子乗りすぎ。僕がとりますから」と言って大笑いした。

立命館大のRB蓑部雄望(撮影・篠原大輔)

近大・小林洋也、思い切りのいいパス

昨冬のクリスマスボウルに出た大産大附のエースQB小林洋也(ひろや)は、近畿大に進んだ。春から出番をもらい、秋も勝見朋征(3年、近大附)のバックアップとして出ている。思いきりのいいパスは大学でも通用するという手応えを得ているはずで、この先出番が増えていきそうだ。

近畿大のQB小林洋也(撮影・篠原大輔)

甲南大の11番をつけるのは、高校までバスケ部だった徳山諒成(金光藤蔭)。第2節の関学戦ではDBのスターターに名を連ねた。まだ手探り状態なのが伝わってきたが、素早い上がりでタックルへ向かう姿に飛躍の可能性を感じた。甲南では2018年に入学してきた元高校球児の富田幸生(上宮太子)を春からDBで起用し、育て上げたケースがある。富田はのちにWRに。4年のときは主将を務め、プレーでチームを引っ張り、甲南を1部に復帰させて卒業した。いまX1SUPERの東京ガスでDBとしてプレーしている。

関学戦でタックルする甲南大のDB徳山諒成(撮影・北川直樹)

今シーズン1部に復帰した龍谷大ではRB上川諄兼(かみかわ・しゅんけん、追手門学院)が初戦からローテーションで出場。2戦目では相手と競り合ってパスを捕った後、ステップでタックルをかわしてゲインした。小学生のとき池田ワイルドボアーズでタッチフットを始めた。同期に関学のリンスコット トバヤスがいた。高校時代のけがもあり、なかなか進学先が決まらなかったとき、龍谷大の村田斉潔ヘッドコーチから声をかけてもらったという。目標はパナソニックのRB立川玄明(立命館大)と高校の先輩で関学のRB伊丹翔栄。「1対1には自信があります。タッチダウンをとってチームを勝たせられるようにしたい」と話した。

シーズンを通して観戦するなら、注目するルーキーを決め、その成長ぶりを見つめるのも楽しい。

龍谷大のRB上川諄兼(撮影・北川直樹)

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