陸上・駅伝

特集:第55回全日本大学駅伝

全日本大学駅伝、エントリー選手の出身高校を集計!トップは2年連続で京都・洛南高校

昨年の全日本大学駅伝2区で区間2位の力走を見せた佐藤圭汰(撮影・浅野有美)

11月5日に開催される全日本大学駅伝には二つの学連選抜を含む27チームが出場する。10月13日に確定したチームエントリーから、登録された計419人の選手の出身高校(日本国内)について人数別にまとめてみた。

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最多は昨年度同様、京都・洛南の13人

全419人の出身校は262校にのぼり、前年度より27校増加した。その中で最多の13人だったのが、京都・洛南高校。2年連続のトップだった。インターハイでは過去10度の総合優勝を誇る名門校で、東京オリンピック男子3000m障害7位入賞、今年の世界選手権でも同種目で6位入賞を果たし、今や学生の枠を飛び越えて世界で戦う順天堂大学の三浦龍司(4年)が筆頭格だ。同学年には昨年度箱根駅伝8区を走り、駒澤大学の優勝に貢献した赤星雄斗も出走機会をうかがう。3年生には、箱根駅伝5区経験者の青山学院大学の若林宏樹、2年生には、日本選手権5000mで4位入賞の駒澤大学の佐藤圭汰、ルーキーイヤーから3大駅伝に出走している中央大学の溜池一太らがいる。1年生からは、10000mで28分台の自己記録を持つ中央大学の柴田大地や3大駅伝初エントリーとなった順天堂大学の児島雄一郎らがおり、デビューにも注目だ。

名門「ガクセキ」のつながり

次いで多かったのは、10人の福島・学法石川高校。東洋大学・復活のエース松山和希(4年)、先日の箱根駅伝予選会で10年ぶりに本選出場を決めた東京農業大学からは高槻芳照(4年)と長谷部慎(4年)、創価大学の吉田凌(3年)、早稲田大学の山口智規(2年)らが名を連ねる。通称「ガクセキ」と呼ばれ、OBたちのつながりも強い。学生駅伝で先輩後輩同士で襷(たすき)を渡したり、同じ区間を走って競い合ったりする場面は話題になる。

3番手にランクインしたのは、仙台育英高校。出雲駅伝こそ海外レースの疲労などから補員となったが、学生トップレベルの力を持つ中央大学の吉居大和(4年)、9月末のレースで5000m日本人学生歴代6位の13分22秒01をたたき出した弟の駿恭(2年)兄弟がいる。箱根駅伝予選会で見事トップ通過を果たした大東文化大学の菊地駿介(4年)は勢いそのままに活躍できるか。また大東文化大学を率いる真名子圭(まなこ・きよし)監督は、仙台育英で男子監督を務め全国優勝に導いた経験がある。OBには東京オリンピックマラソン代表の服部勇馬(東洋大~トヨタ自動車)らがいる。

昨年の全日本大学駅伝は3区区間8位、リベンジを誓う吉居駿恭(撮影・浅野有美)

粒ぞろいの佐久長聖とフレッシュな埼玉栄

続いて7人を輩出したのが、長野・佐久長聖高校と埼玉栄高校の2校だ。佐久長聖出身者は、駒澤大学の主将でエース・鈴木芽吹(4年)や出雲駅伝では1区11位とほろ苦い大学駅伝デビューとなったものの日本人男子5000mの高校記録を持ち、実力は折り紙付きの吉岡大翔(1年)など粒ぞろいだ。東海大学3年生主将の越陽汰や出雲駅伝1区4位の好走を見せた早稲田大学の伊藤大志(3年)の出走にも期待がかかる。埼玉栄はラストイヤーの白鳥哲汰(4年)、1年生ながら10000mを28分49秒98で走った中央大学の本間颯らがいる。

三大駅伝デビュー戦は緊張の面持ちで始まった吉岡大翔(写真中央、撮影・藤井みさ)

奈良・智辯学園奈良カレッジは6人。そのうち5人が関西圏の大学で、特に立命館大学からは大森駿斗(3年)、中田千太郎(3年)、倉橋慶(2年)の3人がエントリーを勝ち取った。

広島・世羅高校、千葉・八千代松陰、兵庫・西脇工業高校からは5人。全国高校駅伝の最多優勝を誇る世羅は中央大学のWエースの1人、中野翔太(4年)の出身校だ。明治大学の森下翔太(2年)は今回、日本学連選抜からの参戦。活躍の場を作ることができるか。

八千代松陰からは青山学院大学の佐藤一世(4年)や順天堂大学の石井一希(4年)がラストイヤーを迎える。

東京農業大学・前田和摩は報徳学園出身

神奈川・鎌倉学園高校、愛知・豊川高校、三重・四日市工業高校、滋賀・滋賀学園高校、大阪・関大北陽高校、兵庫・報徳学園高校、岡山・倉敷高校、宮崎・小林高校、熊本・九州学院高校、佐賀・鳥栖工業高校、長崎・鎮西学院高校の11校が4人という結果に。報徳学園は、1年生ながら箱根駅伝予選会で日本人トップの成績を収めた東京農業大学・前田和摩の出身校だ。滋賀学園からは駒澤大学の兄弟ランナー安原太陽(4年)と海晴(1年)が互いに出走できるかに注目したい。代がかぶるのは今年度の1年間のみ。念願の兄弟同時出走なるか。

昨年の全日本大学駅伝は1位を守り切って笑顔でタスキを渡した安原太陽(撮影・佐伯航平)

名門倉敷は東海大学不動のエース、石原翔太郎(4年)を輩出した。箱根駅伝予選会はけがのため欠場し、全日本大学駅伝に間に合うかがカギとなる。前回優勝のゴールテープを切った花尾恭輔(4年)は鎮西学院出身。けがのため本調子ではなく出雲駅伝は回避する形になったが、際どいレースでも競り勝つ勝負強さと負けん気の持ち主だ。

なお、都道府県別で集計したところ、最も多かったのは兵庫県。西脇工業や報徳学園など16校31人。次いで25人の宮城県と大阪府。宮城は仙台育英や東北高校など、大阪は関西大学北陽や履正社などいずれも14校だった。愛知県は22人、京都府は21人となっている。

その他複数校のエントリーは以下の通り。

3人……北海道・北海道栄、岩手・一関学院、宮城・東北、山形・山形南、千葉・市船橋、流経大柏、東京・國學院久我山、大阪・清風、大阪・履正社、東海大大阪仰星、兵庫・西宮、兵庫・姫路商業、山口・西京、香川・小豆島中央、福岡・自由ケ丘、大分・大分東明、宮崎・宮崎日大、鹿児島・鹿児島中央

2人……岩手・久慈東、盛岡市立、宮城・仙台大明成、利府、福島・いわき総合、田村、群馬・桐生、樹徳、茨城・水戸葵陵、水城、東京・東京実業、早稲田実業、拓大一、神奈川・市橘、新潟・開志国際 、福井・敦賀気比、美方、山梨・甲府一、静岡・東海大静岡翔洋、韮山、浜松商業、愛知・千種、明和、岐阜・益田清風、京都・桃山、大阪・興國、大阪、兵庫・須磨学園、尼崎稲園、宝塚、神港学園、和歌山・智辯和歌山、鳥取・米子松蔭、広島・広島皆実、香川・尽誠学園、 福岡・大牟田、筑前、鹿児島・鹿児島南、沖縄・北山

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