陸上・駅伝

特集:第55回全日本大学駅伝

全日本大学駅伝チームエントリー・打倒関東勢編 関西から4校、国立大学は3校が出場

11大会ぶりの伊勢路を決め、喜びを爆発させた名古屋大(撮影・浅野有美)

11月5日に開催される第55回全日本大学駅伝のチームエントリーが発表された。レースは8区間106.8kmで競われ、この時点では各チーム16人まで登録されている。北海道、東北、北信越、東海、関西、中国四国、九州の各地区推薦10校の登録選手を紹介する。

資格記録は10月11日の提出時点で、各大学の申告による。10000mの資格記録を持たない選手は5000mのタイムを記している。今後は11月2日に全8区間の配置と補員5人を登録する「メンバーエントリー」が締め切られ、大会当日の朝に「メンバー変更」がある。

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北海道地区 札幌学院大学

昨年の伊勢路を走ったメンバーが7人残り、ケニアからの留学生ワング・イブラヒムも擁する。6大会連続となる今回のチームは「歴代最強」の呼び声も高い。10000m29分台の山田陽翔を中心に、これまでの最高順位だった19位を上回ることをめざす。

北海道地区選考会で襷をつなぐ大栁達哉と佐藤魁良寸(撮影・畑中謙一郎)

大栁達哉(4年、仙台大明成) 32分06秒99
村上一大(4年、秋田北鷹)  30分17秒71
佐藤魁良寸(3年、札幌稲雲) 30分52秒57
佐藤匠 (3年、久慈東)   31分09秒19
畑中一二(3年、田名部)   30分58秒42
山崎樹羅(3年、池田)    30分52秒19
渡邊隼翼(3年、清陵情報)  30分05秒18
ワング・イブラヒム(3年、札幌山の手)30分11秒44
下山立眞(2年、北海道栄)  33分04秒09
山田陽翔(2年、久慈東)   29分48秒69
磯邉凌汰(1年、八戸学院光星)31分36秒91
栗田紳冴(1年、釧路北陽)  32分28秒86
澤田颯太(1年、北海道栄)  31分53秒52
田沼知樹(1年、盛岡市立)  32分28秒78
中野大輝(1年、函館工)   31分16秒14
宮野勇太(1年、盛岡市立)  31分01秒55

6大会連続で全日本大学駅伝出場の札幌学院大学 伊勢神宮で快挙達成の弓道部に続け!

東北地区 東北学院大学

過去10大会のうち9度出場している東北大学を破り、13大会ぶりに勝ち上がってきた。東北インカレの男子5000mと3000m障害を制した齋藤颯希や10000m優勝の吉田奏斗ら下級生が台頭。最後まで襷(たすき)をつなぐことをめざし、経験を来年以降にもつなげる。

東北地区選考会16kmの部を走る齋藤(撮影・辻隆徳)

斉本岳 (4年、仙台大明成)32分43秒99
福島康介(4年、木造)   17分34秒46
横田優志(3年、尚絅学院) 34分45秒53
関尚輝 (3年、古川学園) 31分32秒85
塚村航大(3年、仙台東)  16分13秒37
畠山大輝(3年、秋田商)  16分16秒52
齋藤颯希(2年、東北)   31分50秒61
中野朝斗(2年、角田)   34分41秒30
小田翔太(2年、いわき総合)16分54秒26
吉田奏斗(1年、東北)   29分48秒91
阿部輝翔(1年、古川工)  15分47秒90
新美和哉(1年、仙台育英) 15分02秒61
齋優太郎(1年、名取北)  16分39秒80

13大会ぶり全日本大学駅伝出場の東北学院大 力のある下級生が加入し、上級生も刺激

北信越地区 新潟大学

北信越地区選考会でライバル・信州大学との勝負を制したエース中戸元貴が中心。横山昇太郎とともにチームを引っ張る。昨年も経験した伊勢路で力を発揮し、名古屋大学や鹿児島大学といった他の国立大学に勝つことを目標に置いている。

北信越地区選考会の3組目でトップとなった中戸(撮影・関田航)

横山昇太郎(院1年、斐太) 30分38秒22
舟山俊希(5年、新潟南)  31分37秒48
新奥佑太(4年、南多摩中等)31分51秒92
髙橋惇央(3年、泉館山)  31分57秒83
木原朋哉(3年、高岡商)  31分27秒28
渡邊真大(3年、古川)   30分42秒34
谷端良鷹(3年、石橋)   31分35秒92
朝倉啓斗(3年、横手)   31分51秒63
杉坂優明(3年、甲府第一) 32分52秒26
松野伊吹(3年、新潟工)  32分27秒84
金子敦哉(2年、桐生)   31分41秒91
中戸元貴(2年、黒沢尻北) 30分16秒84
上田仁太(2年、鳥取東)  32分17秒23
佐藤勇太(2年、氷見)   32分20秒54
遠藤皓大(1年、山形南)  32分21秒65
武藤孝太郎(1年、錦城)  33分09秒04

新潟大学が2大会連続14回目の全日本大学駅伝へ 攻めの走りを見せた2人が原動力に

東海地区 名古屋大学

7大会連続出場をめざした皇學館大学とのマッチレースを制した。10000m29分台のタイムを持つエースの森川陽之ら大学院を含む6年間で力を少しずつつける選手もいる。長距離パート長の河﨑憲祐とともに東海学連選抜として走った伊勢路の経験を生かしたい。

最終組を走り終えて通過を確信し、記念撮影する選手たち(撮影・浅野有美)

森川陽之(院2年、近大附東広島)29分44秒77
重田直賢(院1年、生野)    30分17秒54
河﨑憲祐(4年、大津緑洋)   30分09秒65
寺島青 (4年、明和)     31分32秒39
村瀬稜治(4年、桃山)     30分36秒37
阿部祥典(3年、基町)     30分57秒38
小川海里(3年、津西)     30分45秒04
田尻真之介(3年、兵庫)    30分56秒43
中川大輔(3年、明和)     32分19秒15
松井孝矢(3年、岡崎)     33分59秒15
吉原諒 (3年、旭丘)     30分43秒08
浅野稜太(2年、菊里)     15分17秒71
加藤太一(2年、千種)     31分19秒08
深谷麻陽(2年、時習館)    31分29秒47
山脇秀基(2年、北野)     34分34秒19
吉野明道(2年、千種)     32分38秒43

名古屋大が11大会ぶり伊勢路へ 「地道な積み重ね」と「部のまとまり」が生んだ勝利

関西地区1位 大阪経済大学

関西地区選考会に出走した選手たちのうち、上位8人のタイム差は約1分4秒。「外さない」安定感が光り、2年連続でのトップ通過を果たした。坂本智基、島野和志、杉本平汰、中角航大の4人が10000m29分台。層の厚さを武器に、関東以外の地区から選ばれたチームの中でのトップを狙う。

関西地区選考会の最終4組目を任された坂本(48番)と新(50番、撮影・井上翔太)

井上瑞貴(4年、三田松聖)   30分25秒38
坂本智基(4年、智辯学園奈良カレッジ)29分22秒41
島野和志(4年、京都両洋)   29分57秒63
杉本平汰(4年、興國)     29分28秒40
中角航大(4年、履正社)    29分52秒69
佐藤颯 (3年、履正社)    30分34秒99
樹亮太 (2年、履正社)    31分21秒64
岡田拓海(2年、社)      31分48秒24
新博貴 (2年、西宮北)    30分02秒99
須田真央(2年、大阪)     30分53秒84
妹尾楓真(2年、姫路商)    31分10秒05
婦木拓実(2年、西脇工)    30分09秒76
宮﨑源喜(2年、東海大大阪仰星)30分32秒61
山﨑真聖(2年、興國)     30分41秒38
上田康平(1年、宝塚)     32分18秒53
京川大真(1年、神港学園)   30分26秒78

大阪経済大が2年連続トップ通過 選手のタイム差少なく、練習から気が抜けない緊張感

関西地区2位 立命館大学

関西インカレ5000mで2位に入り、関西地区選考会では最も早いタイムを残した大森駿斗がチームの中心。中田千太郎、山﨑皓太にも力がある。今年は箱根駅伝予選会が全国から参加できるようになり、全日本にエントリーされているメンバーのほとんどが走った。前例がないことに挑戦しているシーズンで積んだ経験を今後につなげる。

箱根駅伝予選会を走る大森(572番、撮影・井上翔太)

北辻巴樹(4年、清風)   31分07秒54
谷口晴信(4年、網野)   29分42秒70
大森駿斗(3年、智辯学園奈良カレッジ) 29分04秒91
中田千太郎(3年、智辯学園奈良カレッジ)29分42秒02
山﨑皓太(3年、洛南)   28分54秒55
尾上陽人(2年、旭野)   30分05秒61
金高哲哉(2年、洛南)   31分21秒37
倉橋慶 (2年、智辯学園奈良カレッジ) 30分41秒41
清水隼人(2年、西京)   30分03秒84
田部央 (2年、富山商)  30分48秒27
茶木涼介(2年、立命館守山)30分06秒77
児玉航洋(1年、水口東)  30分52秒46
髙木大翔(1年、小倉南)  33分01秒50
中山柊太(1年、宝塚)   30分19秒00
橋本和希(1年、神戸商)  31分32秒60
藪田虎志朗(1年、豊川)  32分58秒30

全日本大学駅伝23大会連続出場の立命館大 チームに流れを持ってきた茶木涼介の力走

関西地区3位 関西大学

エースは10000mで28分20秒台の自己記録を持つ亀田仁一路。日本インカレ10000mでは3年時の昨年に日本人トップ、今年も日本人5番手に入り、その実力は関東勢にも引けを取らない。関西地区選考会では最終組を走った坂本亘生、坂東壮琉、谷村恒晟が7大会ぶりの本戦を引き寄せた。伊勢路でもエースだけに頼らない走りを見せたい。

関東勢にも引けを取らない実力を持つ亀田(撮影・井上翔太)

大野佳太朗(4年、関大北陽)   30分52秒32
伊藤仁 (4年、関大北陽)    30分40秒88
石井滉人(4年、尽誠学園)    30分46秒00
岩田潤平(4年、桃山)      33分10秒40
亀田仁一路(4年、姫路商)    28分25秒80
坂本亘生(3年、滝川)      30分23秒77
坂東壮琉(3年、岸和田)     30分02秒10
英唯明 (3年、尼崎稲園)    14分47秒65
秋山翔太朗(2年、東海大大阪仰星)29分54秒47
市川侑生(2年、関大北陽)    30分32秒91
遠藤瑞季(2年、佐野)      14分49秒15
嶋田匠海(2年、東海大大阪仰星) 30分41秒03
谷村恒晟(2年、愛知)      30分13秒36
大槻涼人(1年、関大北陽)    31分52秒39
岡村和真(1年、東播磨)     31分58秒61
平野圭人(1年、尼崎稲園)    14分32秒83

関西大が7大会ぶり全日本大学駅伝切符 エース・亀田仁一路を支えた中間層の成長

関西地区4位 関西学院大学

昨シーズンは出雲駅伝10位、全日本は16位に入り、どちらも関東勢を除いたチームの中では最上位だった。上田颯汰(現・住友電工)が卒業したことで戦力低下は否めないが、10000m28分30秒46の自己ベストを持つ現在のエース守屋和希を中心に、チーム一丸で昨年以上の成績を残したい。

関西地区選考会で力走を見せたエースの守谷(撮影・浅野有美)

日隈達也(4年、萩)      31分46秒99
齋藤翔也(4年、春日丘)    30分26秒72
佐藤良祐(4年、東北学院)   30分05秒17
守屋和希(4年、西宮)     28分30秒46
岡寛大 (3年、清風)     30分26秒84
岡田晃成(3年、田辺)     30分41秒65
清水皓太(3年、西宮)     30分55秒07
中尾心哉(3年、智辯学園奈良カレッジ)30分10秒74
太田駿 (2年、京都外大西)  30分29秒53
山本雅也(2年、小豆島中央)  14分51秒36
合川歩輝(1年、智辯和歌山)  31分48秒82
嘉味本謙信(1年、郡山)    14分56秒51
久山大祐(1年、北摂三田)   15分05秒51
寺川直央(1年、高輪)     14分44秒08
冨永己太朗(1年、加藤学園暁秀)14分53秒89
山下慶馬(1年、報徳学園)   30分12秒81

関学大が5大会連続全日本大学駅伝へ エースの守屋和希「チーム全体で耐えてくれた」

中国四国地区 環太平洋大学

中国四国地区選考会では谷末智哉が2年連続で全体1位の記録をマークし、3大会連続となる本戦出場に貢献した。ロードでの練習を増やし、中には3000m障害のレースに挑む選手も。過去3度の伊勢路ではいずれも22位。関西勢の争いに食い込み、中国四国地区への出場枠増をめざす。

2年連続で中国四国地区選考会全体1位となった谷末(撮影・辻健治)

脇健斗 (4年、尽誠学園) 29分45秒78
林本涼 (4年、鳥取城北) 30分35秒5 ※手動
山﨑大空(4年、広島皆実) 31分33秒14
中川大智(4年、南宇和)  31分16秒95
勝部遼 (3年、明誠)   31分14秒53
髙嶋荘太(2年、中京大中京)31分27秒51
谷末智哉(2年、報徳学園) 30分12秒94
松崎寧生(2年、開星)   31分10秒88
佐野泰斗(1年、平田)   31分38秒19
志部樹輝(4年、津山東)  33分08秒84
近藤理暉(2年、西脇工)  32分10秒6  ※手動
本河里玖斗(2年、自由ケ丘)31分35秒73
橋本魁人(1年、神港学園) 32分38秒65
高山輝太(4年、岡山商大付)32分04秒55
山田歩輝(1年、神辺旭)  32分06秒94
横山雄也(2年、四日市工) 32分08秒54

3大会連続で伊勢路を決めた環太平洋大学 責任感が芽生えた「10グループ分け」練習

九州地区 鹿児島大学

39大会ぶり出場の原動力となったのは茅野智裕。2年のときから長距離のブロック長となり、チームの意識改革に努めた。九州インカレの10000mでは茅野と藤本悠太郎がワンツーフィニッシュ。5000mでも3人が入賞した。他の国立大学とともに伊勢路を盛り上げたい。

九州地区選考会で力走する藤本(撮影・吉本美奈子)

茅野智裕(院2年、鹿児島工)30分25秒21
弓削佑太(院1年、鹿児島南)31分00秒38
田代敬之(4年、日向学院) 31分02秒50
前田和輝(4年、宮崎南)  35分58秒78
鶴田寛武(3年、鹿児島中央)30分59秒56
平野皓大(3年、筑前)   31分48秒02
藤本悠太郎(3年、宮崎西) 30分44秒16
別府明稔(3年、川棚)   30分52秒20
出水田怜緒(2年、鹿屋)  15分41秒97
梅橋拓也(2年、鳳凰)   31分00秒24
松﨑太郎(2年、鹿児島中央)33分11秒10
水口渉 (2年、岩国)   32分56秒66
川坂湧嗣(1年、筑前)   16分42秒36
清藤悠里(1年、鹿児島南) 31分48秒09
内藤十 (1年、岡山一宮)
水谷太 (1年、前橋)

鹿児島大・茅野智裕 39大会ぶりの伊勢路につながった、本音を語り合う「意識改革」

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